不格好な方法で大きなニジマスを釣り上げた翌日は、最上川支流の朝日川に入りました。
朝日川
アクセス | 山形市から1時間 米沢市から1.5時間 仙台市から2時間 |
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対象魚 | ヤマメ,イワナ |
遊漁券 | 年券:7,000円 日釣券:1,500円 現場売:2,000円 |
管轄漁協 | 最上川第一漁業協同組合 |
入渓のしやすさ | ★★★☆☆ |
歩きやすさ | ★★★☆☆ |
魚の量 | ★★★☆☆ |
釣り可能期間 | 4月1日から9月30日 |
川に降り立ってすぐのポイントで、大きなイワナらしき魚を見かけました。これは良い釣り場を見つけたかもしれません。
少し上流に大きな滝壺があったので、毛針を浮かせてみます。
しかし滝から湧き上がってくるとてつもない爆風にさらされて毛針を水面に浮かせることすら出来ず、子どもたちの憧れである「テレビアナウンサーの台風中継体験」をしただけでした。
それにしても、最初のポイント以降で魚の気配が全く感じられません。東京から来た友人は遂にイライラし出したようで
「仙台じゃなくて近所の湖に行っときゃよかった」
「お前と一緒だとポイントを譲らないといけないから面白くない」
「渓流釣りは面白くない」
と、子供のようなに駄々をこね始めました。ちなみに彼は岩手県でヤマメ・イワナを爆釣しているときにも「ニジマスが釣りたい」と言っていたので、無い物ねだりの典型と言うほかありません。
私の見立てでは、彼は魚を釣れるか釣れないかという一点にこだわり過ぎているように思います。渓流なら昆虫や鳥、植物や地質まで楽しめると思いますが、釣果にだけフォーカスする姿勢は御朱印を集めることだけを目的に寺社仏閣訪問件数を稼いでいるようなもので、であれば電車に乗ってスタンプラリーでもやっていれば良いのです。
確かに釣れない時間は純粋に楽しい時間では有りませんが、川を歩いているとなかなか楽しいものです。
この川には大きな滝もありましたし、残雪で小さなアーチになっているところもありました。
上から叩いてみましたが、案外丈夫に凍っています。
歩いているだけでも案外楽しいなと思いながらも竿を出していると、イワナが釣れました。
ブログでは格好をつけて隠していましたが、実は頭の片隅にあった「琵琶湖でバス釣りしたい」という気持ちはこの瞬間にどこかへ飛んでしまいました。なんだかんだ言いながらもやはり、一匹釣れるまでは楽しくなかったんだな、という己の醜悪さにも気付きます。
そしてその後また魚が釣れなくなると、琵琶湖でバス釣りをする光景が脳内に広がって行き、最後までイワナとブラックバスが行ったり来たりする1日になりましたが、実際に琵琶湖でバス釣りしていると
「渓流でイワナを釣りたい」
と間違いなく思うのでしょう。悪口を言っていますが、結局私も中森くんの同類です。
一方、同行者は未だに一匹も釣れていないのでそれ好機とばかりに
「下手くそ」
「ルアーの使い方、教えましょうか?」
などと暴言を吐く、非常に品位の無いニートなのでした。
不機嫌な上に同行者から侮辱され続けるという逆境に置かれた中森くんはそれでもめげずにルアーを投げ続けていると、イワナが釣れました。
ヒレの無い、鼻が擦り切れた放流魚のお手本のようなイワナです。これほど胸鰭が無い個体はスーパーに並べても誰も買わないので、放流用に回されるということでしょうか。
悲しさのあまり言葉を交わすこともなく、そそくさと車に乗り込んで街へと戻りました。