渓流釣り初心者だったころ、ヤマメがどこにいるのかわからず水たまりのようなところで延々釣りをしたあげくに「アブラハヤしか釣れないじゃないか」と嘆いていた昔の僕に向けて書きます。
あれから10年ほど渓流に通い続けて、少しだけヤマメが好む場所がわかってきたよ。でも未だに「こんなとこにいるの!」と驚くことも多いんだけど、今日は知った風な顔で進めてみるよ。
大事なポイントは以下の3つだと思うんだ。
ヤマメが着くポイント
- 隠れ家がある
- 深さがある
- 流れがある
ヤマメ・アマゴが釣れるポイント
①隠れ家
ヤマメの付き場を考える前に「もし君がサバンナの草原に置き去りにされたら」という突然の問いから始めてみよう。君の命を脅かすようなライオンなどの肉食獣がウヨウヨいるから、まずは彼らから見を隠さないといけないね。
未だに電車が目の前を通るたびに気絶しそうになる臆病な君(つまり私のことです)は、まっ先に木などの障害物を探すだろう。
さあ、人の気持ちになって考えることが出来ない君だけど、今は魚の気持ちになって考えてみよう。ヤマメ・アマゴ(朱点があるヤマメ)にとっての最大の敵は大きな魚や鳥など自分よりも大きな肉食動物だ。
鳥や人間が来た時にすぐに身を隠せるように、大きな岩の近くや木・草の影にいることが多いんだ。
だから、釣り人は川を見るときに魚が隠れられる障害物を探すことが重要だと思うんだ。
②深さ
陸上の動物は水中では速く動けないから、ヤマメ・アマゴは水深があるところにいた方が安全だ。
岩などの障害物があり、さらに深さもあるところを探してみよう。
ヤマメが着かない場所→深さがない
写真のように水深が10センチいかのところにはヤマメはいないと思って間違い無いと思うよ。
③流れ
深さと障害物で天敵からの攻撃は避けられそうだけど、そろそろお腹がすいて来ないかな?君はライオンから逃げながら、小動物や魚を捉えて食事にありつかないと、徐々に機嫌が悪くなって八つ当たりを始めるだろう。
食料を探すために、魚や小動物が集まる場所にも挑戦しないといけないね。
ところで、ヤマメ・アマゴの餌は水中か水面にいる昆虫だ。水生昆虫は水に流れて運ばれてくるから、それを捕えるためには流れの中か近くにいないといけない。
また、ヤマメ・アマゴは水温が15℃以下のとても冷たい水を好むんだ。水は溜まると温度が上昇しやすく、流れている方が水温が低いんだ。低い水温を好み、かつ餌も流れてくるという理由から、ヤマメ・アマゴは必ず水の流れがあるところに居るんだ。
適度な流れの速さについては、いくつかの動画をご紹介します。
流れの真ん中でアマゴ(朱点があるヤマメ)が餌を待っている状態です。
これも、餌を待っているヤマメが見えます。
ほどよい流れの早さが、なんとなくわかってもらえたかな?
こういったところに毛針を浮かべると、食ってきてくれることがあるよ(無視されることはそれ以上に多いけど)。
毛針での釣り方はチョウチン毛針釣りのページを見てみてね。
ちなみにこれらの動画はたまたまヤマメが水面近くに出てきているけれど、実際はもっと深いところで姿を隠していることが多いよ。
ヤマメが着かない場所→流れがない
写真のように障害物と適度な深さがあっても、水が動いていない場所にはヤマメは居ないと思って良いと思うよ。
たまにヤマメが休んでいることもあるけれど、水が動いていないと魚から釣り針や糸が見破られやすいから、どっちにしろ釣るのは非常に難しいんだ。
とはいえプールで魚を見つけるとムキになって釣ろうとする君の癖は今でもたまに顔を出してしまっているよ。釣れたとしてもだいたいカワムツなんだけど、君の学習能力はなかなか進歩していないよ。
ヤマメが着かない場所→流れが強すぎる
流れが速すぎるところは、餌が大量に流れてくる一方で居るだけで大変に疲れる場所なんだ。例えるなら君が大好きな焼きそばパンが飛び交っているハリケーンの中に飛び込んで行くようなものなんだ。
赤の線で囲んだところにはヤマメは居ないと思って良いと思うよ。
青線で囲んだ、白泡が消えかかって半透明になっているところは絶好のポイントだ。
白泡は外敵から魚の身を守るカーテンの効果もあるんだ。
まあプライバシー感覚が薄くて夏はカーテンも窓も開けっ放しにして生活をする、東南アジア風情の君(私のことです)には理解出来ない話かもしれないけどね。
ヤマメのポイントまとめ
ヤマメが着くポイント
- 隠れ家
- 深さ
- 流れ
ヤマメのポイントは上記の3つだけど、その中でも
- より大きな隠れ家
- より深いポイント
という条件が揃っているところに、大きなヤマメが居る傾向があるみたいだ。
君は、より立場の強い人間が良い環境を手に入れることを知っているはずだ。
修学旅行のバスでは最後部の特等席にヤンキー集団が必ず陣取っていたし、会社では仕事のできる重役たちが壁際に居座っていたはずだ。もちろん、君はいつも出入り口に近い下座でウジウジいているね。
魚についても同様で「大きな岩・周囲よりも深い水深・適度な流れ」という良い条件が揃っているところに、より大きなヤマメやアマゴが潜んでいるみたいだ。
それがわかっていても、全然釣れないんだだけどね。
釣り道具については下記のページで紹介しています。