北九州で美しいヤマメを釣り上げた後、博多にあるホテルに移動します。
3泊で予約していたつもりがなぜか1泊しか予約が出来ておらず、さらに旅行支援割引を適用してわずか1,500円ほど安く泊まろうとしたため、窓口で一人で大慌てただけでなく、担当の女性を一人で20分ほど拘束してしまいました。
他のスタッフさんからも「よほどのバカだ」と思われたに違い有りませんが、ではバカでは無いかというとやはりバカなのでこればかりは仕方ありません。
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翌朝、レンタカー屋に向かっている時にふと問題に気付きます。旅行支援割引を適用して宿を予約してしまったために、今日までにクーポン2,000円を使わないといけないという義務が発生しました。
しかし、今日1日での使い道がありません。レンタカー屋でクーポンは使えず、ランチはコンビニ500円で済み、夕食はクーポンが使えない店に行くことが決定しています。さて、どうしようか・・・。
時間を上手に使えるビジネスマンであれば、こんなことを考えている間に有益な価値を生み出すのでしょうが、私には生み出す価値も無いゆえ、2,000円に人生を預けているかのごとくご執心です。
結局30分ほど検討を重ねた結果、ドラッグストアに行ってカミソリと日焼け止めを購入するという結論で事なきを得ましたが、スーツケースに入れる荷物が増えてしまったことにはこの時点で気づいていない私なのでした。
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川が流れているという以上の情報を持たずに来たところ、たしかに水は流れています。
しかしなんとなく、ヤマメが居そうな感じがしません。
水の色なのか何なのか、歴戦の渓流猛者が生命感を感じにくい印象を受けます。
しかし猛者の勘が当てにならないことも知っている猛者なので、試しに毛針を浮かべてみます。
すると、毛針にちゅぱちゅぱ食いついて来る魚がいます。このチュパチュパ魚は毛針をローションまみれのようにして浮力を無くす、アブラハヤで間違いありません(九州なのでタカハヤでしょうか)。
その後チュパチュパ魚の反応すら無くなってしまいました。私の経験では、ヤマメが釣れない時間帯に何をやっても釣れないのでむやみに奥に進まず、時間をやり過ごすのが良いと考えています。
リュックを下ろして地面にどかっと座りますが、さて、何をすれば良いのでしょうか。スマホにまみれた生活をしている知的忍耐力ゼロの人類代表は、電波が無いこの場所で1人思索にふけるような心の芳醇さを持ち合わせません。
しかし砂漠と思われるこの場所には豊かな木々があり、何なら豪快な水の音がします。そして手には奇跡的に、竿があります。
「釣りが出来るじゃないか」
結局山の中に置かれた釣りブロガーには釣りしかすることは出来ず、ただ漫然と、毛針を浮かべたりルアーを投げたりします。すると、最後にチュパチュパ魚を見てから1時間ほどが経過した頃、小さな箱庭のような滝壺の中で、赤い尾鰭の魚がルアーを追いかけるのが見えました。
今回こそは、ヤマメに違いありません。魚からこちらの姿を見られまいと、ベトコンに見つかりそうになった若い米兵のようにその場に這いつくばります。これだけ活発に動いているなら毛針のほうが釣りやすいのではと毛針を浮かべてみます。
・・・。
もう一度。
・・・。
やはり反応がありません。あールアーのまま釣っときゃ良かったと思いながら毛針を水面でポンポン跳ねさせていると、魚が飛びついてきました。
先程見た赤い尾びれは、この尾びれで間違いありません。
ヤマメの数が多い河川だったようで、そこから5匹ほどを釣り上げる事ができました(と言っても、たった5匹)。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。