このブログ屈指の人気キャラクターであるダニエルさんと北海道で大きなニジマスを狙いたいと思います。彼は頭脳明晰なギフテッドとして幼少期を過ごしたものの、天才特有の(?)物忘れの激しさでも天才と言える領域で、釣りに行く度にルアーボックス、ランディングネットなど、ありとあらゆるものを置いて帰る一方、鹿の角やら黒曜石やら興味の対象は全て持ち帰りたくなる好奇心旺盛な小学生のようなところもある、隣に置いておくと1人コントを楽しませてくれる逸材です。
そんな彼から「特大のニジマスとブラウントラウトが生息するところがある」とお誘いを受けて新千歳空港で合流し、まずは「大きなブラウンがうじゃうじゃいる」と誘われたポイントに入ります。
北海道での釣りにも期待感がありますが、ダニエルがどんなミスをやってくれるのかも楽しみだな・・・と車から出て釣りの準備をしていると、早速荷物を大掛かりにひっくり返しています。呆気にとられていると、
ダニ「いや、危ないところでした」
と持ち前の陽気さでニコニコと笑っています。彼の認識としては「ひっくり返っていない」と理解をしているようです。
今回も期待できそうです。
このブラウン釣り場はあくまで中継地点なので、「小一時間で切り上げましょう」と言う話で釣りをスタートします。でもすぐ目の前の魚に夢中になって全体が見えなくなるのは私も彼も同じです、どうせ小1時間で終わらないでしょう。
彼が言うには「ブラウンがうじゃうじゃ・・・」という話でしたが、たまに30センチくらいのブラウントラウトと思われる魚が淵の底で何匹かたたずみ、ルアーを見て逃げる姿が見えるのみです。
話が違うぞ・・・と心の中でボヤいていると終了時間が近づいてきたようです。そろそろ切り上げようかとダニエルに声を掛けに行こうとすると、彼が何やらはしゃいでいます。
どうやらルアーに大きな魚が追いかけてきた様子で「この先の淵まで行ってみましょう」と言う展開に。先に進みますが、この河川は多量の泥が溜まっているようで、歩く度に足が田んぼのように埋まって危険な雰囲気が出てきました。
私は怖くて引き返そうとしているのですが、興味の対象にまっしぐらの彼は命の危険とか帰り道が面倒になることなど顧みないかのように猛進しています。
深い沼に足を取られつつも何とか歩いていましたが、遂に体が沼に半分まで埋まる状態になってしまいました。
この瞬間に現場を見た人が見たら、事故だと思って通報しようとするでしょう。
その後沼から這い出て無事に引き返してきてくれましたが、ここまで埋まる前に諦めることは出来なかったのか・・・。安全なところまで移動したダニエルは
「危なかった~」
と言っており、どうやら死んでいない=無事と理解しているようです。
安全に歩ける下流側に移動して釣りを続けると、そこでまた大きな魚がルアーに反応した様子です。
一方の私のほうはなぜか全く魚のチェイスがありませんが、スプーンをゆっくり巻いていると、ついに竿先に反応が来ました。強くフッキングすると、何か柔らかいものに食い込んだ様子で、よく見ると沼にスプーンが食い込んでいただけでした。幸いにも
「いただきフィーッシュ!」
という声は我慢出来ていたので、「魚と勘違いしたわけではありません」という顔をして、静かに釣りを続けます。
その後彼がブラウンを、私がニジマスを釣り上げたところで予定通りに?約束の時間を大幅に過ぎていることに気づき、次の新冠川の支流に移動します。
* * *
新冠川支流
川に入って早々に友人がイワナを釣り上げています。30センチを超えるサイズなので本州であれば驚くべきところですが、北海道では「外道」と呼んで差し支えない程度に釣られているイワナです。
「なんだイワナか」
と彼の釣果に興味も持たずに釣りを続けます。
彼は以前から、上流に立って下流側のポイントにミノーを投げる方法が好きですが、今回もその方法のみで釣っており、2匹目のイワナも同様の方法で釣り上げました。
彼の釣り方をマネして北海道では見飽きたイワナを釣るのは面白くないと、意地になってスプーンを投げ続けていましたが一向に掛からないので、彼が視界から外れたところでこっそり真似してみます。
ようやく釣れました。
友人のイワナよりかなり小さいですが、今回の遠征で唯一の釣果になる可能性も十分にあります。先ほどまでイワナを軽視していた姿勢を見られている同行者にはバレないようにとこそこそと写真を撮ります。
「あ、イワナですか?!」
嬉しそうなダニエルに声をかけられ、万引きしようとしていたところに声をかけられた少年のように冷や汗をかきながら慌てて品を川に戻します。
その後イワナ以外に私が今回狙っていたニジマスも釣れましたが、北海道まで来てわざわざ訪れないといけないほどの魚が居るようには思えません。
ポイントになっていると思われる堰堤で竿を出してみましたが、少し大きなイワナが一匹釣れただけです。こんな絶好のポイントでもイワナが少ないとなると、この河川ではイワナは希少なのでしょうか?
確認のために水中にカメラを入れてみます。
珍しいどころか、びっしり大渋滞しとるやないか・・・。
近畿以南では見たことがない圧倒的な光景に驚きつつ、この日の釣りを終わります。
* * *
サラブレッドの産地として知られる日高地方はこの週、子馬の売買の大きなイベントがあり、同時に安平町でも牛の売買で多くの人が訪れていたようでビジネスホテルや民宿はどこも満室になっていました。
そこで半ば仕方なくバンガローに宿泊することになりました。

街から離れ、暗闇に包まれたバンガローで自然の息吹を感じながら過ごすと言うのも、意外に悪くないかも知れない・・・。
「リリリリーン」
遠くに聞こえる虫の声で、田舎暮らしだった子どもの頃を思い出します。まだ自分で車の運転が出来なかった時、渓流釣りにどうやって行けば良いのか、釣り場紹介本を見ながら途方に暮れていた子供部屋の景色・・・。
「リリリリーン!!!」
虫の声が先ほどよりヒートアップしてきたようです。
あまりにデカい音に恐れを感じて調べてみると、どうやら部屋の中に業務用サイズのコオロギが入り込んでいる模様です。友人にも手伝ってもらってあちこち探しましたが声の主の住処はわかりません。
私も友人も大雑把な性格のわりに音に敏感で睡眠に問題を抱えているからわざわざ1人で1コテージ使えるようにしてもらったのに・・・。強すぎる大自然の音にやや苦しみつつ、翌朝を迎えます。
翌日は帰り際にグズグズしていたところで遂に巨大ニジマスを掛けます。












