有馬温泉で観光地のど真ん中で釣り竿を出すも、なんの成果もあげられなかった私は、兵庫県内の役所、漁協、釣り堀などあらゆるところに、
「天然ヤマメがいる川を、おしえてください!」
と無神経に電話をかけまくったところ、ほぼ全員から当然のように呆れられつつ迷惑そうにされました。
しかし、たった一人のおじいちゃんだけ
「あそこの川なら、もしかすると・・・。」
と教えてくれ、
(ほんとかよ・・・)
と強く疑いながらも、他に行くところも無いので当該の河川に向かいました。
兵庫県東部の河川の情報
アクセス | 尼崎、伊丹、西宮、神戸から1時間 豊中、箕面、高槻から1時間 |
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対象魚 | ヤマメ(アマゴ) |
遊漁券 | 無料 |
入渓のしやすさ | ★★★★★ |
歩きやすさ | ★★★★★ |
魚の量 | ★☆☆☆☆ |
向かったのは兵庫県東部の丹波に近いエリアで、大阪からもアクセスしやすい場所にあります。
この河川は漁協の管轄内であるものの、漁協の方に聞くと「放流はしてないから、好きに釣って良いよ」とのことでした。
まずは最上流部と思われるポイントに入ります。
水温計を突っ込んでみると、ヤマメの適温と呼ばれる15度前後を大きく上回り、22度を示しており、カワムツがメダカの学校状態でうじゃうじゃ群れています。
高水温でヤマメが生息しているとは思えませんでしたが、もしかしたらとカメラを水中に突っ込んでみます。
最近、ますます魚を釣り上げる自信が無く、魚の生存確認に竿の代わりにカメラを向けるというのも釣りブロガーとして情けない話ですが、水中動画を確認すると、やはりカワムツばかりが雁首揃えて写り込んでおり、パーマークを備えたヤマメらしき魚は認められません。
そもそもヤマメやイワナは警戒心が強いらしいので、カメラを水中に入れる前に逃げているだけなのでしょうか?
のべ竿に毛針を結んだだけのチョウチン方式で毛針を流しますが、カワムツすら反応してくれないので、場所を下流域に変更します。
* * *
下流域に移動してから気がついたのですが、日本で最も冷水を好む魚であるイワナやヤマメが、中流域で生活するカワムツの生息地域よりも、さらに下流にいることなどあり得るのでしょうか?
大学では農学部の水産学科で学んでいたはずですが、そういった基本的なことをうっかり失念しておりました。
でもまた上流側に移動するのも面倒なので、惰性のままに竿を出すことにします。
カワムツらしき魚がたまに毛針をつつきますが、針に掛かってきません。
ここでも水中カメラを入れてみますが、映っているのはカワムツばかり。やはりヤマメなど居ないのでしょうか。
早々に切り上げようかと思いましたが、レンタカーの返却時間までは間があり、「金を払っているなら極限まで長く使いたい」という両親から譲り受けた清く正しい貧乏精神で、もう少し竿を出すことにします。
「あのじじいめ・・・。」
そもそもこの場所に私を連れてきた、天然ヤマメの存在をほのめかしたおじいちゃんの声が脳裏にちらついてきた頃、魚が掛かりました。
そう言えば昨日から多くのカワムツを見ているけれど、針に掛かったのは初めてです。
カワムツの特徴である黒い帯を探してみると、どうやらパーマーク模様のようです。
や、ヤマメ!!
あまりの驚きに、「ひょう~~おぅ~!!!おぅお~~!!!!」と、およそ成人男性とは思えない奇声を発してしまいました。
おじいちゃん、本当に有難うございました。陰謀説を唱えてしまい、しかもじじい呼ばわりしてしまい、本当にごめんなさい。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。