前日に渓流釣り初挑戦の友人にボウズを食らわせた上に怪我までさせた私は、勝手にリベンジに燃えて香川県の内場川に来ました。
アクセス | 高松市から50分 徳島市から1時間強(高速) 松山市から2時間半(高速) 高知市から2時間強(高速) |
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対象魚 | アマゴ |
遊漁券 | 無料 |
入渓のしやすさ | ★★★☆☆ |
歩きやすさ | ★★★★☆ |
魚の量 | ★★★☆☆ |
魚のサイズ | 平均13㎝ ※私が見た範囲です |
遊漁料無料の釣り場を無料ブログで公開するとクレームが殺到するため、有料記事のみでの公開としております。
しかし香川県の内場川はネット上で他の方も紹介されているようですし、気にせず無料で書いてしまいたいと思います(クレームが殺到したら考えます)。
川沿いを車で走らせていると、「あまご三昧」という飲食店が目に入りました。今はどうやら閉業しているようです。
こんな施設があるくらいですから、内場川には今もアマゴが生息している可能性が高いでしょう。
店の横には、女性が2人で温泉を楽しんでいる様子が描かれています。そんな年若き彼女たちは恋バナでもしているのかと思いきや、なんとアマゴトークに花を咲かせている様子です。
素晴らしい。
なんと昭和の若者は渋かったのでしょうか。
* * *
そんな時代に思いを馳せながら、釣り場へ急ぎます。
目次(スクロールします)
内場川
内場川の上流域に到着しました。
川らしきものに興奮して車を停めて低地に降りてみましたが、水がありません。
2週間ほど雨が降っていなかったので水が切れているエリアが出来ているようでしたが、歩き続けると水が出てきました。
チョウチン毛針釣りで毛針を浮かしてみると、なんと魚が食ってきました。
針には掛かりませんでしたが、何かしらの魚は生息しているようです。
めげずに続けていると、流れが細くなっているところで小さなアマゴが釣れました。
まさに狙い通り、ここで釣れるだろう、というポイントでの一投目で釣れました。
・・・と思っていたのですが。
今になって動画を見てみると・・・。
実際には1投目で魚に逃げられて、2投目で釣れていました(残念ながら、食ったところが画面に収まっていませんが)。
些細なことに感じますが、これはなかなか大変なことです。私はこれまでブログで
「ポイントに入って2投目で」
「1時間ほど続けて」
などと書いてきましたが、全部ウソだった可能性があります。3回目と4回目を間違えたならまだしも、数字の「1」すら数えられていなかったなんて・・・。
しかも動画を撮影していることを自覚していながら、一投目に釣り逃した時には半べそで「うあぁ・・・。」という情けない声を漏らし、魚が掛かった二投目には「おおっ!」と歓声をあげています。
注意して頂きたいのは、前日までは2人で釣りをしていましたが、この日からは1人で釣りをしているという点です。1人で、かつ動画を撮影しているのにこんなにも興奮してしまっている自分を見て、恥ずかしさのあまり動画を掲載するのを躊躇してしまいました。
まぁそんなことより、アマゴです。
鮮やかなオレンジ色の朱点のアマゴを見ると「放流ものっぽい」と思ってしまうのですが、実際はどうなのでしょうか。
まぁ天然物でも放流物でも、綺麗な魚であれば構いません。
* * *
その後も毛針で快調に釣果を重ねていく予定・・・でしたが想いは実らず、魚の反応は一切無くなってしまいました。
そしてどんどん上流へと釣り進むうちに巨大な堰堤が現れ、これ以上進めなくなってしまいました。場所を変えるべく道路まで上がりたいと思います。四方がコンクリートで固められていて、よじ登れる場所が全く無い・・・と思ったら、石積みがこちらを見ながら
「ここから登っておいで・・・」
と不敵に誘ってきます。
1番上の石の厚さはまな板数枚程度の薄さで、足をギリギリ引っ掛けられるかという情けなさです。
こんな頼りない石に自分の運命を任せるほど落ちぶれてはおらん。
と思ってもう一度他の場所を探すも、やはりここしか道路に上がれる場所は無いようです。
ズッコケたらそれはそれでネタにもなるかもしれん!と思い切ってよいしょよいしょと登ってみると・・・
案外普通に上がれてしまいました。
石を正確に積んでくれた方、ありがとうございました。でもブロガー的には、ズッコケさせて頂いても構わなかったんですよ。
内場川 上のポイントのやや下流
先程アマゴを釣り上げたポイントから下流に移動し、奇跡的にアマゴを釣り上げる瞬間を撮影できました。
パーマークが縦に長く伸びているアマゴです。
毎度狙ったかのように小さなアマゴばかり釣り上げていますが、結局これがこの日最後のアマゴになりました。
1日頑張って2匹しか釣れていませんが、2日間ボウズだった私には大きな成果です。
釣りの模様は動画でもご紹介しています。
当日のお宿・ゲストハウスのどけや
釣り場から近かったことと値段の安さで、美馬市脇町にある「のどけや」を利用しました。ドミトリーなので一泊2,000円という格安設定でした。
この宿は「うだつの町並み」として有名な徳島県美馬の脇町という地域に位置しています。
吉野川沿いに位置する脇町は、その大きな川を利用した一大物流拠点であり、江戸時代頃に染め物の原料である藍の集散地として発展を遂げた場所だそうです。
上の写真の屋根の上から飛び出している小さな飾りが「うだつ」だそうです。
元は防火装置だった「うだつ」ですが、藍の流通で栄えた豪商が見栄を張り合って(?)うだつを屋根に付けて誇らしげに見せつけ合った結果、「うだつ」が商売が繁盛している印として見なされ、それが語源で「うだつがあがる」ということわざになったのだとか。
要するにビットコインで稼いだ人たちがセンスのないギラギラ時計で金以外に根拠の無い己のプライドを保護しているのとなんら違いが無いということでしょう。
まぁ私も、高級時計をうっかり買ってしまうくらい稼いでみたいものですが。
* * *
さてこのゲストハウスですが、昨今増えているテレワーカー達の一大拠点となっているようで、私がお会いした10人ほどのお客さんのうち90%くらいが20~30代のIT仕事をしている男女のようでした。(ブロガーでありニートである私もテレワークカテゴリに含まれます)
のどけやにいるテレワーカーは、パソコンはWindowsではなくMacBookを使い、高級レストランよりは田舎風の気軽なバルを好み、休日は高級旅館ではなく山奥でハイキングを楽しみそうな自然体で気さくな人達に見えた一方で、どこか深く関わってはいけない雰囲気を出している人が多かったことも、また事実でした(宿自体やオーナー家族は素敵な方々だったことを断っておきます)。
その違和感の理由は、どうやら彼らのコミュニケーションにありました。
私が訪問した3日間だけの現象だけかもしれませんが、夜になると常連と思われる20~30代の男女が数人集まってきて、なにやら話をしはじめます。
同じIT畑の人同士で有益な仕事の情報交換でもしているのかと思いましたがそういった内容は一切なく、話の内容は全て「お互いを褒め合う」というものでした。
彼らは息をする間さえ惜しむかのように、お互いの過去と現在を肯定する無限ループを作っていました。
「◯◯さんって、根っこにすごく優しさがありますよね」
「それを見抜ける△△ちゃんって、人を見る目があるよね」
「そうかな~言われたこと無いな~♪それこそ✕✕さんの影響かもしれないな。」
「そんなこと無いよ~。私も△△ちゃんに会ってから、変われた感じかな?」
転職するたびに職場の人間関係に苦しみ、藁にもすがる思いでつかんだ在宅ワーク片手に田舎の安宿に逃げ込んでみたら、自分と同じような人が居たので傷を舐め合い、数ヶ月も居付く・・・。
確か2ヶ月ほどここに住み着いているという一人の30代らしき男性が言いました。
「俺、生まれ変わりたいんだよね。人間関係も、経験も全てゼロにしたいんだ。」
皆様、決してこれを発言しているのは、その人脈や経験の大きさがむしろ足かせになるようなビジネス界の重鎮でも、世界的な映画スターでもありません。
きっと周辺の50人にしか顔を知られていない私と同レベルの一般人であり、そのわずかな経験とか細い人脈を雪だるまのように少しずつ大きくして、なんとか生きていくしか無いのです。
絵に描いたような自分探し同士の会話に、若き日の私と似たものを感じてゲロを吐きそうになりましたがそれを必死で飲み込み、翌日は土器川で自分探しをいたしました。