博多から人吉まで観光列車で幸せに移動してきた私と同行者殿。
彼「朝4時半にホテルのロビーに集合」
と言われた私は、苦手な早起きを敢行し、4時20分にロビーで待機します。4時30分になっても、35分になっても同行者が現れないため部屋の前で耳をすましてみると、部屋の中からはおおいびきが。
私「きっと遠くから来られて疲れているのだろう。」
決して、時間にルーズな方ということは無いはずです。申し訳ないと思いつつも、ノックで叩き起こさせて頂き、結局20分遅れで出発です。
4時20分には真っ暗だった空も、5時前になれば薄明るくなっています。
私「この薄明かりは、釣り場で見るはずだったんですよ!」
気が小さい私は心の中でそっとつぶやき、釣り場に向けて車を出発させます。すると、まだ眠そうな助手席から声をかけられます。
彼「すみません、昨日の釣り場に寄ってもらっても良いですか?」
私「どうしたんですか?」
彼「忘れ物したみたいで」
今回、ほぼ面識が無い相手を初めて渓流釣りに誘ってしまった自分の行動は、吉と出たか凶と出たか。
(大凶だ)
すでに予定時刻を過ぎている状態で、さらに遠回りして忘れ物を探しに行くことになってしまいました。もしこれが昼間なら、1時でも2時でも関係ありません。
しかし今は朝一で、最も魚の活性が高く、かつ他の釣り人に荒らされていないフレッシュな状態で釣りが、できる。だから、わざわざ、早起きしたんじゃなかったのか!
私「えぇ、もちろん。行きましょうとも」
もともと対人能力が低い私はどう振る舞えば良いかわからず、狂ったおもちゃのようにヘラヘラ笑いながら昨日の釣り場に車を進めていました。
無事に落とし物を拾い終わり、釣り場に向かう頃には空は真っ青。三ツ矢サイダーか幸せ素肌のCMかというような青空がひろがっています。
私「す、素晴らしい快晴ですね」
彼「そうですね~!」
わたしの婉曲表現での嫌味は遠回りし過ぎて同行者殿の心には届かず、軽い相槌とともに大空に吸い込まれて行きました。
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川辺川支流の椎葉谷川
道路からも入りやすいです
餌を流すと、小さいのがちょこちょこ釣れます。
赤い帯が綺麗です
釣れども釣れども、本当に小さいです。プロフィールに平均サイズ12センチと書いていましたが、これは誤りのようです。10センチが良いところでしょう。
川辺川のダム下から
巨大な流れがあるポイントで釣りをします。元来こういった流れでは何をすれば良いのかわからず、案の定釣れませんでした。
疲れたのでひと休みしましょうということで、昼過ぎに宿に入ってそれぞれの部屋で仮眠を取ります。お宿は五木村の山小屋さんで、釣り客に限り一泊朝食付きで3,500円と格安です。
そして夕方。同行者殿が集合時間に来なかったことでそろそろ時間にルーズであることは間違いないと確信しつつ、部屋までわざわざお伺いして起こし、釣り場へと向かいます。
梶原川キャッチアンドリリース区間上流
梶原川はフライ専用のキャッチアンドリリース区間となっており、「餌釣り・ルアー釣り禁止」のようです。
「なんでルアーが禁止なんだよ」
「飲まれないし、シングルフックならフライより絶対魚に優しいだろう」
そう思ったのは我々だけでは無いようで、こっそりルアー道具を持って川に入っていく人を見かけましたが納得して見送りました。
こちらは同行者さんがルアー釣りのため、やむなくキャッチアンドリリース区間を避けて釣りをします。
この周辺にはヤマメがたくさんいるようで、同行者殿もたくさん釣れたようで大いに喜んでおられました。
彼「もちろん、明日も4時半に集合で」
翌朝は五木川と梶原川の合流点から釣りをすることになりました。