穂積さん、お元気でしょうか。
大分の竹田に釣りに行くのでポイントを教えてくださいとお伝えすると、あなたは二つ返事で承知してくださいました。
そんな優しい穂積さんに、ご報告がてらクレームを入れさせて頂きます。
穂積さん、あなたという人は酷すぎます。快く釣り場を教えてくださった貴方は、とんでもないトラップを仕掛けておいででした。なんだってこんな仕打ちをされるのでしょうか。
【入渓ポイント】大野川水系玉来川
貴方から教わった通り、玉来川の産山村役場の下流から入渓しました。
田んぼの横を流れる穏やかな流れ
あなたが教えてくださった通り、道路脇に車を停めて川に向かいます。親切なあなたは「この季節は草が生い茂るから、藪漕ぎになるよ」とも教えて下さいました。
草をかき分け竹をかき分け、まるで山崎の合戦に敗れた明智のごとく竹槍にやられながら川に着きました。
いざ、釣るぞと意気込むも何かが足りません。というか、手元には釣り竿しかありません。
どうしてでしょう。なぜあなたは、魚を釣るためには竿だけでなく、ハリとオモリがいるということをお隠しになっていたのでしょうか。
私は竹槍に襲われる道を命からがら車まで戻り、オモリと針をポケットに入れて、また竹道を抜けて川まで降りた汗だくの私は、ふと気が付きます。
それは、穂積さんの大胆さです。あなたは釣りをするためには餌がいるとは絶対に口にされませんでした。きっとあなたは、餌なしで餌釣りをすることが可能な技術をお持ちなのでしょうが、私には餌が必要です。
またしても私は息を切らして竹槍ロードを・・・
用意が整いましたので、ようやく釣りが出来ます。
橋から下流側は変化があり、釣れそうな感じ
それでも、まだまだあなたの罠は続きました。餌を水中に投げ入れてみると、コンコンと魚がくわえるのがわかります。
しかし、どのタイミングで竿を上げれば良いのかについては、貴方は最後まで口をつぐんだままでしたね。
おかげでこの時私が費やした時間のほとんどは、ヤマメに対する餌やり奉仕活動になりました。でしたが、中には針にかかったものもおりましたのでお礼を申し上げます。
ピンクの帯が美しいヤマメ
それから貴方は、「もし大型のアマゴが釣りたいなら」と前置きをしてこの場所を教えてくださいましたね。
「中島公園あたりが良いよ。本流で大きくなった尺アマゴが、きっと竿を絞り込んでくれます。」
【入渓ポイント】緒方川の中島公園より
大きな駐車場があり、それを利用させて頂きました。
川は太く、淵は深く、まさに大きなアマゴが育ってくれそうな雰囲気がありました。
しかし、釣りとは一筋縄ではいかないもの。この有望ポイントで私はカワムツ、アブラハヤ、ウグイという渓流釣り3大外道を釣り上げ、夢の大アマゴを仕留めたかとニヤついて釣り上げたのが大きなウグイであったとき、私はウグイを握りしめてミンチにしてやろうかと思いました。
夕暮れが迫る中、待ちに待ったアマゴも釣り上げる事ができました。
釣れたのは朱点が少ないこと以外に何も特筆すべきことのアマゴでした。
きっと貴方なら「大きなポテンシャル、普通のアマゴ。期待を裏切らないね、釣れない男さん」なんて気さくな嫌味を言ってくれるのでしょう。
やはり人が教えてくれるポイントに幸運なし。私はインターネットが教えてくれたポイントに足を運ぶことに致しました。ブロガーたるもの、信用すべきは人脈よりもGoogleです。
【入渓ポイント】緒方川支流の十角川眼鏡橋より
眼鏡橋は建造物としても有名なんだそうですがそんなことには今や構っていられません。
私があなたのような心優しき人を疑ったせいでしょう。
釣れども釣れども、ヤマメの幼魚も、もはやウグイさえも、根性のねじ曲がった私の針にかかってくることはありませんでした。
大物に期待していた私の心は早速折れてしまいました。
そうだ、あなたはこうも教えてくれました。
「もし釣れなければ」と前置きし「奥岳川に行ってごらん。素晴らしい景観があなたを待っているよ」
私は再度あなたの教えを鵜呑みにして、奥岳川の滞迫峡へと向かいました。>>続きはこちらです