長野の内水面漁協とトラブル【いつもの釣り場、ほんとに漁協の管轄?】

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長野、静岡の漁協が無い河川でヤマメやイワナを探すために、商品が平地の5割ほど高い(「ごっつ旨いお好み焼き」が税込480円するような)山間部に入りました。

事前の調査で見込みがあると思っていたポイントに移動しようとすると、工事で通行止めになっていました。片道4時間も苦手な長距離ドライブに従事したあげくに釣りをせずに帰ることなど出来ず、すぐに次のポイントを探します。

 

下伊那漁協に管轄エリアを確認

ここからは漁協さんとのトラブルをご紹介しています。早く釣り記事を見たいという方は翌日の静岡でのアマゴ釣りの記録を御覧ください。

 

第2候補は漁協の管轄範囲から外れている明確な根拠を持っていなかったので、近いエリアの長野県の下伊那漁協に電話してみると、中年の女性が応答してくれました。

漁協の電話受けによくあるパターンですが、国会答弁の首相のように上から目線で話が通じず、3度ほど同じ説明を繰り返したあげくこちらの意図が伝わったようです。

漁協女「やはり仰っているどの箇所も全てこちらの管轄内なので、釣りをするなら遊漁券を購入して頂く必要があります」

しかし遊漁券を買えと言われて簡単に引き下がれ無いニートは、しつこく食い下がります。

ニート「それらの細かな支流でも全て、増殖義務を果たしてるんですか?」

漁協女「増殖義務??そんなものを果たさなくても、漁業権は自由に設定できますよ」

ニート「?!?!」

ちなみに漁業法では以下のように定められています。

漁業法第168条
内水面における第五種共同漁業権は、免許を受けた者が当該内水面において水産動植物の増殖をする場合でなければ、免許してはならない

増殖義務と漁業権の設定は必ずセットになっているので、これは大きな発言です。

ニート「そんな発言・・・大丈夫ですか?」

最初に会話が通じないことにイライラしてこちらの口調がキツくなってしまったテコの原理で、先方の目線もさらに上がってしまっているようです。

漁協女「はい、もちろん大丈夫です。・・・が、一応確認します。」

(10秒ほど待機・・・)

漁協女「やはり増殖義務とは無関係であることがわかりました。また、全ての支流に放流を行っているわけではありませんが、下流側の放流が支流まで入っているので、問題有りません」

と、さらに話の通じないマレーシアの税関のような態度は、もはや堂々とした風格すら備えています。

 

漁業権でっちあげが判明

しかしその後、彼らに免許を交付している長野県の水産係に確認をした所、下伊那漁協が漁協の管轄であると主張したところは全て漁協の管轄外で、また「本流に放流しているから支流には放流無しで遊漁券を自由に設定して良い」とは言えない(滝や堰堤など魚が越えられない上流は除外しないといけない)とのことでした。

内水面漁協という既得権益集団はときにルール無用の驚くべき見解をぶちあげることがありますが、ルールの理解から根本的に間違えているだけでなく(漁業権のエリアは俺様が好きに決めてOK!)、一般の道路に勝手に関所を設けてお金を徴収するような、いわゆる詐欺行為まで行うようになったとは、いかにも大胆です。

その後長野県から注意されたようで、下伊那漁協からも

「長年の当漁協の誤った思い込みで説明をしてしまいました。訂正してお詫び申し上げます。」

と連絡がありました。漁業権のエリアを「思い込み」で設定し、不要な遊漁料を巻き上げるという行為を「長年」行ってきたのだとすると、田舎の爺さん集団もなかなかどうして、ご立派ですね。

 

内水面漁協とは

改めて内水面漁協について知っている範囲で記載してみます。

我々釣人にとっては魚の放流と遊漁券の徴収で登場するので「釣り堀」のような存在ですが、存在目的は主に「魚の管理や増殖を行う」ことです。

組合には我々も好きに加入できるというわけではなく、地域に住んでいることや必要日数以上漁や釣りをしていることが条件になっているところが多く、加入の際に「出資金」という上納金が必要です。

 

既得権益集団と化している組合も

内水面漁協の主な収入は釣り人からの遊漁料だそうですが、それ以外で見逃せないのが「漁業補償金」です。

例えばある地域で公共工事があると仮定します。それが漁業権がある河川に重機が入って工事をするとすると、川は盛大に濁り、組合員の漁業や遊漁料収入に影響するので、漁協は工事を行う都道府県に

「補償金くれ」

と主張することが出来ます。

ある土木関係の方に聞いたところ、工事費の1〜3%が補償金の相場になっている(当然我々の税金)ようで、例えば工事費用30億円とすると、うち2%の6,000万円が補助金となり、田舎であれば補償金御殿が立てられる金額になります。

他には電力会社からの補償金(水力発電で水量が減る)だけで潤沢な資金を抱えている漁協の存在も耳にしたことが有り「補償金目当てで運営している組合も多いのでは」と決めつけておりました。

そして中村智幸氏のレポートで実際の数値を見てみると、「収入のメインが補償金である」と回答した内水面漁協が28%も存在しているようで、遊漁料がメインと回答した漁協の割合38%と10%しか差が無く、漁業協同組合と補償金巻き上げ組合が4:3の割合で存在していると言って良いかもしれません。

この小さくない補償金の旨みが有り、また都道府県からの許認可制のため参入障壁が高く入れ替えがほとんど無いという既得権益化した組織体制が、今回の漁業権でっちあげ事件につながったのでは無いでしょうか。

今回は偶然、下伊那漁協でこのような事件が発覚しましたが、日本全国で同じことが起きていると思い、長文でご紹介いたしました。

さて皆様が普段購入されている遊漁券は、本当に漁業権の範囲でしょうか?

 

* * *

 

ようやくアマゴ探し

アクセス 松本市から2.5時間、飯田市から1.5時間
対象魚 アマゴ
遊漁券 0円

 

その後、漁業権が設定されていないことが確認出来た河川で釣りをします。

断崖絶壁、すわ黒部ダムの資材運びか!と言う狭い道を進んで川にアプローチします。

わかりにくいですが、一歩踏み外せば谷底です

 

黒部ダムという言葉を思い浮かべた時に、かつて黒部ダム完成後に現場で働いていた方が

「手でイワナを除けんと、顔も洗えんかった」

と言っていたという話を思い出しました。フフフ、幻想的なこと・・・。

まさかこの先の川にそんな密度でイワナやアマゴが存在しているとは思えませんが、難所ほどその先に桃源郷があることを勝手に想像してしまいます。

河川に到着すると、水量も深さも非常に期待が持てる景色でしたが、アマゴどころかアブラハヤの子供一匹見かけることが出来ませんでした。

黒部・・・桃源郷・・・イワナ除け・・・。

その後別の河川でアマゴが泳いでいるのを確認出来、無事に無料の範囲内でトラウトを釣れることを確認出来て嬉しく思いましたが、釣果は何一つ残せずに初日を終了しました。(具体的な釣り場は有料記事にて

* * *

これまでもひどい毎日だけを丹念に送り続けてきましたが、今日はまた一段とひどい1日でした。

通行止めで釣り場に行けず、漁協のおばはんと大人気なく口論し、冷や汗の山越えで何も釣れず、その後宿泊先に1件だけある居酒屋で愚痴ろうかと思ったら定休日でも無いのに休み・・・。

しぶしぶ宿で晩ごはんを食べますが白米が不味く、恐らく南極にある昭和基地で食べられている白米より下では無いでしょうか。店員のおじさんが

「お客さん、ご飯全然召し上がってませんが大丈夫ですか?」

と声をかけてくれました。

「大丈夫ですかって、あんたの舌の方が大丈夫か?刑務所じゃあるまいし、こんな臭い飯が食えるか!」

という一言だけは何とか我慢して

「はい、美味しかったです。」

と笑顔で言い残すことが出来たので上出来です。だって部屋では安いビールが冷えているのだから、それだけでご機嫌です。

そして一人コクの無い発泡酒を飲んでいると、友人から連絡が入りました。ミュージシャンの彼は芸術の創作活動のために(?)先ほど旅先のインドから帰ってきたのだとか。

「俺、神様とつながれたわ!」

とのこと。

こちらは今日も貧乏神と一蓮托生だ。

明日こそ、本気だそう。

翌日の静岡でのアマゴ釣り記録へと続きます。

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