アクセス | 京都市から50分 宇治市から1時間20分 伏見区から1時間10分 大津市から50分 大阪市から1時間40分(高速) |
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対象魚 | ヤマメ(アマゴ),イワナ |
遊漁券 | タダ! |
入渓のしやすさ | ★★★★☆ |
歩きやすさ | ★★★★★ |
魚の量 | ★★★★☆ |
魚のサイズ | 10~25cm(当日) |
釣り禁止期間 | 10月1日~11月末まで ※京都内水面漁協によれば、この期間でも雑魚(カワムツ、オイカワ、ウグイなど)なら釣りはOK、アマゴもすぐにリリースすれば釣りOKとのことでした |
滋賀県の安曇川は上流を葛川と呼び、漁協による放流が積極的に行われていますが、地図を見てみると最上流部は京都にまたがっています。
県境を京都に入ると「百井川」と呼ばれているようで、百井川はどこの漁協が管理しているのか葛川漁協に問合せてみると
「うちでは管轄していないが、京都側をどこが管轄しているのかは不明」
とのこと。
その後滋賀や京都の内水面の漁協など片っ端から電話してみたところ、どうやら京都府に入った瞬間に、どの漁協も管理をしていないようです。
県境は山の尾根に沿って設定されていることが多く、最上流部だけ他県に入るというのは不思議ですが、とにかく
「下流部で一生懸命放流されたヤマメが、上流部ではタダで釣り放題」
というパラダイスが見えてきました。ネットで調べてもこの時点では百井川の渓流釣りの情報は全然出て来ないので、知っている釣り人もわずかでしょう。
すごい釣り場を発見してしまった。
苦節10年、私だけの楽園を手に入れたかも知れません。
* * *
滋賀県の葛川坂下方面からは車止めになっているので、京都市左京区側から川に入ります。
ヤマメが放流されている下流域に少しでも近づこうという浅ましい考えで下流側に向かうと、北山修道院という施設で行き止まりになっています。
あまり関わり合いたく無い雰囲気の文字に後ずさりします。
百井川京都側の最下流部
赤マークに広いスペースがあるので車を止めようとすると、すでに車が止まっています。中には人が二人並んでいるようす。
「まさか釣り人では」
と訝りながらすごい形相で車を凝視すると、車の横にはルアーロッドが仲良く立てかけられています。
なんと。
どうやらルアー釣りを楽しんだ二人が車でランチをしているようです。
しかも、釣果に恵まれた釣り人が見せるあの表情を、まさに彼らは浮かべています。
私だけの秘密の河川になるはずが、最初の入渓点で釣り人に出会うという想像を絶する状況からスタートしました。
百井川が蛇行するポイントから
気を取り直して少し上流側から川に入ります。道路と川が近いので、駐車スペースがあればどこからでも川に入れそうです。
道路の上から川を覗き込んでいると、ヤマメらしき魚影があります。
葛川漁協さんが放流してくれた魚が登ってきているのでしょうか。
毛針を浮かべるだけで魚が釣れるちょうちん毛針で釣りをします。
川はとても平坦ですが、ときおりこのように魅力的なポイントが出現します。
入り組んだ場所こそ、ちょうちん毛針釣りが威力を発揮するというもの。
ドキドキしながら毛針を浮かべると、魚が飛びついてきました。
なかなか重いぞ!
ちょっと太ったカワムツでした・・・。
ところで我が人生、大事なポイントで必ず外道が釣れるのは、どういうわけでしょうか?
お母さん以外でバレンタインにチョコレートをくれた唯一の相手も、パッとしない女性だったような記憶が今蘇ってきました(当該の女性、すみません)。
これぞ釣れない男の真骨頂です。
その後、無事にヤマメを釣ることが出来ました。
お腹の黒点が大きくはっきりしているのが特徴でした。
下流にあたる滋賀の葛川漁協で放流された魚が上流である百井川に入ってきていると考えていましたが、もし途中に大きな堰があって遡上が叶わないとすると、これは天然のヤマメかもしれません。
やけに模様も特徴的だし。
さらに大きな秘密を抱えてしまった気持ちで釣り進むと、またヤマメが釣れました。
先程のヤマメと同じ特徴を持っているかもしれません。
詳しくないのでよくわかりませんが、先程のヤマメと雰囲気が似ていません。
しかも尾びれが特徴的であることに気付きます。
「?!」
しっかり削れているでは有りませんか。
天然の河川で育ったヤマメではなく、養殖されている間に仲間のヤマメからつつかれた跡なのでしょうか。
断言はできませんが、天然物かも知れないという夢すらも消えてしまいそうです。
さらに過去の2匹よりやや赤点がはっきりしたヤマメが釣れました。
このヤマメもお腹側に大きな黒点がありますが、京都の鞍馬川で釣れたアマゴもこういう柄でした。
ちなみに、フライフィッシャーは釣れた魚の胃の内容物を見て、どの毛針を使うのか判断すると聞いたことがあります。
本日のために借りてきた小道具で胃袋の中身を拝見させて頂きます。
なんだ、これは!
もうちょっと形があるものが出てくるのかと想像していましたが、何がなんだか全然わかりません。
特に何の情報も得ることなく、百井川に合流している大見川に入ります。
百井川支流の大見川
こちらも百井川同様に平坦な川で、道路とも近いのでどこからでも入りやすいです。
マップの赤マークに広大な駐車スペースがあるので、そこに駐車します。
駐車スペースの北側に支流があるので、分け入ってみます。
イワナが飛び出してきそうな雰囲気ですが、一向に反応がありません。
こんな小さな支流で釣りをしたことがある人など居ないのでは無いでしょうか。
もしかすると誰も踏み入れていない源流だったりするかもしれません。
子供の頃に1人で山林を分け入って冒険した頃を思い出します。
ふと顔を見上げると、何やら建っています。
未踏の地どころか、誰かの家です。
滋賀県愛知川の支流でも同じことをやらかしたのは、つい数週間前のことでした。
渓流をどんどんどんどん釣り上って行って「誰も来たことが無いところに踏み込んだのでは?」と思って顔を上げると、圧倒的な人工物が(汗)
釣れない男あるある。 pic.twitter.com/fDN2W5N7qG— 釣れないニートの渓流釣りとほほ録 (@tsurenai_neet) May 9, 2020
ドアに掛かっている紙を見てみると、誰かが土地所有者に無断で建てたもののようです。
木を狩って、地面をならして、地盤を固めて、家を建てるまで結構時間はかかったでしょうに。
土地所有者に気づかれずにできるものなんですね・・・。
その後南側にある支流に入り直すと、ヤマメとイワナが釣れました。
このヤマメもお腹に黒点が多いですね。
そういえば白石勝彦氏が著書の中で関西に変わったイワナが居ると書いているのを思い出しました。
しかもそれは、安曇川の上流の、まさにこの大見川のどこかの支流と書いていたはずです。
まさか、これが!
と思ってまじまじと見つめるも、特に変わった特徴を見つけることはできませんでした。
夕暮れが近づいたので支流から出ると、大きな影が動いています。もしや熊か?!と思いましたが、2人組の釣り人でした。
彼らいわく「ここ1ヶ月で魚が多くなった気がする、誰かが放流しているのかも」
とのことで、釣り人に知られていないどころか、誰かが放流までしている可能性が高くなりました。
結局私だけが見つけたはずの秘密の河川で、平日にもかかわらず合計4人の釣り人に遭遇することになりました。
* * *
百井川、大見川の釣り記録は以上です。
天然のヤマメが生息していたり、誰も知らない釣り場であればもったいをつけて有料記事にして釣り場は非公開にしようと考えていましたが、多くの人が知っている釣り場のようなので無料記事にて公開いたしました。
【無料記事】近くの釣り場
京都の鞍馬川での渓流釣り記録はこちら
【有料記事】近くの釣り場
遊漁券無料の釣り場で、釣り人も少ないです。
【有料】大阪京都から1時間、天然(?)アマゴの渓流をマップ付きでご紹介
【有料】京都大津から40分、天然(?)イワナの渓流をマップ付きでご紹介
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この日筆者がチョウチン毛針釣りで使った道具です。
実績が乏しい釣り人ですので、あまり参考にされない方がよろしいかと思います。
【竿】シマノ天平
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。