広島山口釣り旅行③ゴギ釣りとフィリピンパブ

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広島でゴギとお好み焼きを堪能した後は今田くんとお別れして山口県の岩国に移動して、過去に何度か釣りにお付き合い頂いてる山崎さん(仮)と合流します。

山崎さんは普段は温厚なエリート紳士ですが、私と同様に自分の世界を持ちすぎている部分があり、かつて兵庫県の河川にご一緒した際には自分の妄想に取り憑かれて集合場所を放棄し、渓流釣り後にクタクタの状態から10キロ歩いて帰宅しようとした伝説の大人物です。

この日はご自宅にお招きいただき、90歳になる山崎さんのお父様と3人で食卓を囲みます。90歳と言うとほとんど目も耳も働いておらず

(一緒にお世話をする感じになるのでは)

と想像していましたが、実際には目も耳もそこらの70代よりピンピンしておられます。表情も明るく足腰も強そうで、さすが炎天下の渓流釣り後に10キロ歩く方のお父様だけあります。

山崎さんが用意してくれた岩国の美味しい魚介と美酒を片手にお父様のお話を聞くと、神戸で生まれ育ったお父様は小学校4年生の頃に戦争が激しくなり、縁故疎開で来たこの岩国から広島のキノコ雲を見た後で終戦を迎えたそうです。

岩国は今でも米軍の大規模な施設がある地域ですが当時も日本海軍の大規模な基地があり、そこに疎開せざるを得ないとは・・・。8月14日の敗戦前日には米軍の「やり逃げ」のような大空襲も浴びたようで、ニコニコした笑顔の裏にはとんでもない暗い記憶があるのでしょう。

 

* * *

山口の漁協が無い河川へ

朝から岩国にある漁協が管轄していない河川に入ります。

私の方が20歳ほど若いので川まで降りるルートで先行しますが、体幹が弱く歩き方も下手なので後続を待たせてしまっています。

山崎「ゆるい斜面を降りるときは、かかとを刺すようにして歩くんですよ」

むしろ歩き方を教わる始末でしたが、なんとか無事に河川に降り立ちます。

川は水量も豊富で羽虫も飛んでおり、どう考えても釣れそうです。大きな岩の脇に流心がある、良いポイントに到着しました。旅行者の特権で竿を出させていただきます。

 

 

「ここは釣れそう」などと言いながら、釣れる準備が出来ていなかったようで、アワせ過ぎて尻もちをついております。今更ですが、なんという釣りレベルでしょうか。

ああ、今日も空が青い・・・。

河川にはヤマメが居ることがわかっただけで、釣果は何もありませんでした。

(具体的な釣り場は有料記事に記載しています。)

 

* * *

 

米軍様、自民党様のおかげです

米軍基地の街である岩国には米軍幹部とその家族が住む「Atago Hills」という丘の上の住宅街があり、常にこちらを見下ろしています。入口は立派な門で閉ざされており、日本人もニートも許可なく入る事はできないようです。

 

 

各住宅には地下シェルターも設置されているとのことですが、一棟9,000万円かけて作られているということは庭にピザ窯からATMくらいまで備え付けているのでしょうか。

元々は山口県と岩国市が「市民のために」という目的で1990年半ば頃に開発した土地でしたが、不動産需要の低迷を恐れて国に売却し、国が米軍にまるまる献上した土地だとか。今でも「思いやり予算」として我々の税金から出た費用で米軍高官のご家庭の芝生の手入れや掃除を「させて頂いている」のでしょう。

土地の開発当初は地域の人達にとって大事な愛宕神社がある山がなし崩し的にアメリカの敷地になったことで地元民の反発があったものの「まぁ、ええじゃろ」の精神(?)で大きな反対運動になることもなく、選挙では土地を献上した首謀者とも言える自民党に日本最低クラスの投票率で自動決定している不思議な地域であり「お上の言うことには逆らえない・・・」という我々の国民性を垣間見たような気がしました。

 

* * *

偏食長老と外食

夜は山崎さんとお父様と3人でピザ屋で外食です。お父様は御年90歳という年齢でありながら大変な偏食家のようで、お好み焼きしか食べられるものが無く、結婚当初奥様が「発狂しそうになった」のだとか。

ピザ屋でも食べられるメニューは1種類、いくつか注文した絶品の惣菜には目もくれず、酒も「付き合いでいやいや飲んでいる」方です。戦時中は「ひもじくてしょうがなかった」と仰っていましたが、その偏食で一体何を口にしておられたのでしょうか。

ちなみにこの足腰の強いお父様は「日本の山という山は踏破してきた」ような本格的な登山家でもあります。お父様は山崎さんがまだ高校生だった頃、山崎さんの同級生と3人で嵐の中、三重県の大台ケ原の道なき道を野営しながら登ったこともあるのだとか。

工業系の学問を志していた山崎さんの同級生は、嵐が過ぎて満点の星空に包まれた時にこの世の神秘に開眼してしまい、工業系から自然科学の道に人生をくるりと方向転換し、それきり元の道には戻って来ていないとのこと。本当に良い山旅をされてきたのですね。

しかしお父様、人生で100回を越えて山小屋で食事をしてこられたと思いますが、食べられるものはあったのでしょうか・・・。

 

岩国名物・フィリピンパブへ

その後、お父様と別れて山崎さんと2人で夜の岩国を散策します。山崎さんは毎朝3時に置きて哲学の本を読み、大学で講義をするような堅物タイプですが、どういう流れか2人でフィリピンパブに入ることに。

ここは米軍のお客さんが多いことから、英語でコミュニケーションを取れるフィリピン人のお店も重宝されているのでしょう。

料金体系は

「日本人のお客様 お一人様120分飲み放題3,000円(前金制)」

と人種を名指しで価格設定がされていましたが、岩国では普通なのでしょうか。

米軍をはじめとした外国人のお客さんの料金体系は「1杯1,000円」になっているようで、どんどんお店を変えたがる米兵のニーズに合わせているのだそうですが、客がそれを選択することは出来ず、自由意思より人種が優先されるようです。

お客さんの横にフィリピン人の女性が着席するシステムで、彼女たち(と言っても還暦近いのでは)も1杯1,000円でドリンクをねだってきます。そのあたりは山崎さんも把握していたようで、大人しく2人分の2,000円を支払うと、先ほどドリンクを与えた2人とは別の女性も次々に投入されてドリンクをねだってきますが、その様子はさながら武田騎馬隊を迎え撃つ織田鉄砲隊です。

結局山崎さんが追加で5~6,000円ほど搾り取られていましたが、マニラさん達はみんな顔が濃くて花瓶のような体型で見分けがつかず、途中から1人2役やっていた可能性もあるでしょう。

温厚紳士である山崎さんに代わってガサツ代表選手である私がこのシステムにケチをつけたところ、先程まで堂々とした立ち姿でドリンクをちょうだいしていたマニラさん達が突然ビクビクして私の肩をもみながら

マニ1「あのオーナーにやらされてるです。私もあのオーナー嫌い。恥ずかしい」
マニ2「
中国人だからやることがえげつない」

と小声でつぶやきはじめました。

そうか彼女たちもひどいオーナーの下で働かされて可愛そう・・・と思えるほど私もピュアではありません。「客がヒイたらオーナーを盾にしてスタッフは客の仲間になる」というところまでマニュアル化されているのでしょう。

奥に居るのが中国人の女性オーナーのようですが、ミサイルが着弾しても動じないようなオーラで皇帝のように鎮座しています。これまでの人生でいったいどんな経験をされてきたのでしょうか。

 

謎の日本人女性

お店はフィリピンパブでありながら、フィリピン人女性に日本人女性もスタッフとして混じっているようです。客の国籍には強いこだわりを見せる一方、スタッフの国籍は曖昧なようです。

突如登場した40歳前後の日本人女性、国籍は日本ですが生まれはブラジルで、すでに4か国語を話せる上に新しい言語にも挑戦しているのだとか。重い病気と戦いながらも「泣いてるよりは笑ってる方が良い」というタフさを見せるなど、経験的にも人格的にもとても興味深い方です。

しかし彼女と話している間、強烈なモヤモヤの嵐が頭の中で吹き荒れています。どうやら彼女はコミュニケーション能力の一部に明確な欠陥があるようで、ずっと聴き入っていた山崎さんが話題転換をしたり自分のエピソードを入れようとしても、それが耳に入っていないかのように自分の話を継続するということを繰り返しています。

山縣さんが構わず続けるとさらにそれも無視してハリケーンのように全てをなぎ倒して再度自分の話を始めます。友達同士ならいざ知らず、ここが彼女がプロの力を発揮する場だとすれば、大きな問題でしょう。プロのキャッチャーがボールを避けてピッチャーにベースを投げ返し続ける光景が広がっています。結局山崎さんが折れる形で一方的に演説を浴びた結果、私は自分の妻や親の人生よりもハリケーンの人生に詳しくなってしまいました。

「おいニート、何か歌いなさいよ」

話を聴くのに疲れきった山崎さんがハリケーンから抜け出すために「先輩風」という別の風で対抗した結果、なぜか私が歌を歌う流れになってしまいました。

釣り、運転、スポーツなど何をやっても下手くそな私はもちろん歌は下手ですが、最大の問題は笑えるほど下手でもないという点です。私の父は芸術的な音痴ですが、並の母との中間地点である「中の下」という最も見どころの無い着地位置に落ち着いてしまったのです。

それでもこのハリケーンに巻き込まれた帰るわけにはいかないと、嫌々ながらマイクを握ります。周囲を見渡したところ日本人6人の中高年グループも店内で話したり歌ったりしているようです。自分では歌ったことはありませんが、来生たかおの「夢の途中(セーラー服と機関銃と同じやつ)」であれば、その男性グループが引き取ってくれるのではないか・・・と睨みつけていましたがそう上手くも行かず、一定レベルで音を外し続けたまま、人生より長いかと思われる5分間が終わりました。するとハリケーンから

「練習はここではなく、カラオケボックスで」

とロボットのような口調でトドメを刺されました。ハリケーンよ、お前はその荒ぶる力で人の心まで倒壊させて立ち去って行くのか・・・。どうかその猛烈な破壊力で岩国に政治的嵐をもたらしてくれ。

 

*  *  *

現地で使った毛針タックル

この日筆者がチョウチン毛針釣りで使った道具です。実績が乏しい釣り人ですので、あまり参考にされない方がよろしいかと思います。

 

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【毛針】サイズは14番くらいを使っています

 

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チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。

【提灯毛針釣り】初心者でも渓流でヤマメが釣れる!釣れない男推奨の最強メソッド

チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。

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