>>【前日の釣行記はこちら】錦川水系の葉の内川でアマゴが釣れました
目次(スクロールします)
【入渓ポイント】錦川支流・木谷川の上流から
俺はヤマメを釣りにわざわざ福岡から山口の東の方まで来たのではない。なんとしてもゴギ(イワナ)を釣るのだと意気込み、ルアーでトライする。
忙しいと言われる現代人の、働き盛りと言われる30代の男が、ゴギを釣るために1週間まるまる空けているんです。レンタカーと宿代と交通費に7万円も使っておるのだ。アマゴが釣れたし、川も綺麗だったし、まあ良いかで帰れるわけがない。
今日は気温が随分低く、私の鼻水もナイアガラである。魚の活性も低いと思い、ルアーをゆっくり引いてみるも魚はのろのろと追いかけてくるがなかなか食わない。やはり寒いからなのか、私自身の意気込みが寒いからなのかは判然としない。
寒さのせいでルアーを全く追えないんじゃないのということで、餌に切り替え。見上げると、上に木が目いっぱい張り出している。これまで何度となく頭上の木に針を奪われてきた。わかっているのに、引掛けまくってきた。対策は、初めてのチョウチン釣り。5メートルの竿に、糸は1.5メートルくらいにした。こんなに糸短くていいの?と思ってしまうが、かなり使い回しが良いものだ。
アブラハヤが立て続けに2匹釣れた。ヌメっとしたヒキにげんなりしつつも、前日までのヤマメエリアとは雰囲気が変わってきた。
大きな岩陰に餌を通すと、小さなアタリとヌメっとした感触。アブラハヤかと思ったが、お腹が赤い。
あ、それ、ご、ゴギ!
気を抜いていたせいでアワセが甘く、川岸にポトリと落ちたが、ギリギリの陸地でゴギが暴れていた。陸地でも存分に暴れるゴギをつかみ、ネットに叩き込んだ(本当は優しく入れてますよ、ほんとに)。
▼15センチくらいのゴギ
感動のあまり、叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ!
いるじゃないか、目の前にあの幻の魚・ゴギが!(今になって思えば、そこまではしゃぐことでも無いけれど、世の中の興奮や感動の99%はある種の勘違いによるものだと思います)
▼お腹は強いオレンジ色
頭まで虫食い模様が走っているのが、ゴギの特徴なんだそうです。
獰猛かつ繊細、そしてどことなく、おとぼけ顔のゴギ。
美しい水で磨かれた体は、限りなく芸術的(やはり今思えば、そこまで褒めるほどのものでも・・・)。
▼あまりの可愛さに、マジでお顔ナメナメする5秒前だった
その後も深みがあるところにゆっくり流すと、ゴギが釣れた。
「ゴギが居るところに竿を出せば、釣るのは簡単だよ」という説を何度か読んだことがあって「何を抜かすか」と思っていましたが実際そんなもんでした。いい加減な釣り方でも、案外イケてしまいます。
こちらはこの日最大となった(汗)18センチほどのゴギ。
▼水面まで迎えに来て餌を食った。
昼食は錦町のスナック紫陽花で
昼はスナック紫陽花(あじさい)へ。今日も近所のおばあちゃん集団で大賑わい。半分は先日亡くなったという人の話で盛り上がっている・・・。それにしても、おばあちゃんはこのように意味なく大変元気なわけでありますが、おじいちゃんが集まって盛り上がっていないというのはどういう理由からだろうか。
東京の葛西や大阪の西成では日夜どうしようもないじいさんがワンカップ片手にくだを巻いており、こちらも微笑ましくなる。錦町のおじいさま方にも見習って頂きたい?ものである。
店内は場末のスナック感の中に、わずかながら気品がある。
沼で脱輪して住民の方に救助されちゃうの巻
夕方からは錦川支流の本郷川へ。
本郷川はどこまでもコンクリに両サイドを固められてる。僕は気にしないが、自然のままの川しか嫌だというナチュラル志向の方は避けたほうが良いのでは。3月には釣り人も増えるようで、魚は確実にいるらしい。
雨が強かったので下見だけ、と思って河原に車を入れると、
タイヤがぬかるみにはまってしまった
「へへ」としばらく笑ってみたが、外は大雨、時間は18時で暗くなってきた。どうやら好ましくない状況に陥ってしまった。
レンタカー会社に問い合わせてみると、「レッカーを呼んだら自費」とのことで、さらに雲行きは怪しい。すがる想いで目の前の民家に飛び込んでみると、奥様が出てきてくれた。助けて頂きたい下心から、雨でずぶ濡れになった感を演出することも忘れてはいない。
「あのう、すみません。車が、沼地にハマってしまいまして・・・。交番は近くにありますか?」
「交番は、2キロくらい向こうやねえ。。交番の電話番号は、082×××」
「ありがとうございます、かけてみます」
時間は18時過ぎ、当然交番の電話は虚しく鳴り響いた。誰か助けてくれぬものかという一心で呆然として立ち尽くしていると、先ほどの奥様の旦那様と思しき男性がロープ片手に出てきてくれた。
「ロープが切れるかもわからんけど、やってみよう」
そして僕の車まで車で移動すると、手際よく自分の車と僕のクルマをロープで結び、見事に河原から引き上げてくれたのだ。宣言通りにロープは切れたのだが、間一髪、ギリギリ安全地帯まで引き上げてくれた。
レッカーに大金を払うか、地面が乾くまで車中泊でしのぐかというバカな2つの選択肢を泳いでいただけに、まさに神の助けとなった。その後は焼酎を買って自宅に届けさせて頂きました。親切過ぎる方の家の前で本当に良かった・・・。深い山の中であれば、遭難していたところ。良い子の皆様も、お気をつけくださいませ。