渓流用フライのフックサイズと選び方

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【著者】猫田撫太郎
バス釣りの格好良さに惹かれルアーを始めるも、私が住む地域が寒すぎる影響か、バスが生息しておらず断念。渓流でルアーを投げれば根がかり連発で挫折。渓流で快適に釣れるスタイル求め、辿り着いたのがフライフィッシングです。以来、釣れたり釣れなかったりしながら楽しんでいます。

渓流フライフィッシングのフックサイズ

渓流の釣り上がりでは、#12から#16(数字が大きくなるほどサイズは小さくなる)のサイズが最もよく使われます。もちろん各アングラーのフライケースには#10以上の大きさのものや、#20以下のミッジ(ユスリカなどの超小型のフライ)サイズのものも入っていると思います。

基本的には#12から#16を中心に考えていきますが、#10から#18あたりも用意しておけば困る場面はほとんどありません。というのも、渓流には#10から#18サイズの水生昆虫、陸生昆虫が多く、普段捕食しているものとサイズ感が近い方が魚も警戒しにくいからです。

※ドライフライのスタンダードなフックサイズを基準にしています。ニンフフライ、ウェットフライなどはサイズ表示が同じでも、フック自体の太さや長さ、形状が違うものがあります。また、フックサイズには統一規格がないため、メーカーによって微妙にサイズが違う場合もあります。

ニンフフライとは?ドライフライとの違い

フックサイズと魚のサイズの関係

大きな魚は大きな餌を、小さな魚は小さな餌を捕食するようなイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。河川環境やシーズンによって捕食対象のサイズも変化するからです。極小のユスリカのような水生昆虫しかハッチしないような時は、大きな魚もそれを食べます。

以前、10cmに満たない魚が立て続けに釣れてしまうことがありました。なるべく稚魚にはダメージを与えたくないので、フックサイズを上げましたがそれでも食ってきてしまい困りました。

自然の生物が相手ですので一概には言い切れませんが、フックサイズによって釣れる魚のサイズが決まるということはありません。

 

釣り場でのフックサイズの選び方

フライのパターン、カラーなどと共に悩むのがサイズの選択です。例えば釣り場で#12サイズのメイフライ(カゲロウ)が飛んでいたり、捕食されたりしていたらそれに合わせて選べば良いでしょう。しかし、常にそういった場面を観察できるとは限りません。

そういった際には季節によって、ある程度基準を決めてしまえば迷いを減らすことができます。

 

季節ごとのフックサイズの目安

 

解禁直後

気温、水温共に低く魚の活性もまだまだ低い時期です。#16を中心に、あまりに反応がなければ#18も使用します。

水生昆虫のハッチ(羽化)も増え始め魚の活性も高くなってきます。#16でスタートし、反応が良ければ#14にサイズを上げても良いでしょう。

初夏

水生昆虫、陸生昆虫も爆発的に増え、魚の活性も充分な時期です。#14で1日釣れますが、見切られたり水温が低かったりという状況では#16にサイズを下げます。

真夏から晩夏

渓流のハイシーズンです。産卵に向け魚は積極的に捕食します。#14をメインとしますが、テレストリアルパターン(陸生昆虫を模したフライ)や#12の大きなサイズでアピールすることも効果的です。

フックサイズが大きいと見切られやすいのか

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フックサイズはより大きいほど見切られやすいとされています。つまり、魚は目で対象を観察して食べられるものか否かを判断していることになります。実際、フライは匂いもありませんし、ほとんどの場合ルアーのように大きくアクションを加えて魚を誘うわけでもありません(アクションを加える釣り方もあります)。

#12のフライにそっぽを向いていた魚が、サイズを下げたら食ったというような場面に何度も遭遇しています。ですが、一概に大きいから見切られる、と言い切れない部分もあります。

#14のエルクヘアカディスを何度も見に来るが食わない魚がいました。パターンを代えサイズを下げても興味を示しません。どうせ釣れないならと、フォーム剤で巻いた#10の巨大なビートルを投げたらあっさり釣れたのです。

魚はフライを捕食対象としてだけでなく、縄張りに侵入する敵と認識して排除する行動を取ることがあります。スポット的に大きなサイズのフライで刺激してみることも有効な使い方になります。

まとめ

  • 渓流では#12から#16が使いやすいサイズ
  • #10から#18を用意しておけばほとんどの状況に対応できる
  • 寒い時期は小さめのサイズ、暑い時期は大きめのサイズが良い
  • 反応が悪い時、見切られた時はサイズを下げてみる
  • 大きなサイズで過剰にアピールすると有効な時もある

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