前日まではニジマス狙いで釣りをしていましたが、釣果が上がらないので狙いを変えたいと思います。
知人にどこに行けば良いか聞いたところ河川の情報が届けられ「ここに行けばイトウが釣れるみたいだよ」というなんとも無責任なLINEが送られてきました。
イトウと言えば幻の魚です。そんな簡単釣れてたまるか・・・。と思いながら現地に行ってみたところ、このページに置いている写真のイトウが本当に釣れてしまいました。
これまで私は数々の失敗談を武器に釣りが下手なフリをしてきましたが、本当の実力は、イトウ挑戦からわずか4時間で仕留めてしまう男なのです。
というのは冗談で、今回も本当に馬鹿みたいな流れでイトウを釣り上げるに至りましたので、今回くらいは隠しておきたいところですが真実を綴って行きたいと思います。
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「アメマス狙いのつもりで、行ってみます」
「イトウが居る」という河川を目指すに当たってそう言ってみたものの、内心ではイトウに大いに期待して川をのぞいてみます。
知人から教わった川をのぞき込んで見ると、流れは小さく川幅も3メートルほどで、私が想像する大きなトラウトが居る川とは大きく違っていました。岸から突然川まで深くなる河川で、道東によくあるタイプの河川だそうです。
※イトウを釣り上げたポイントについては「無料記事で書かないでくれ」という現地の方からのアドバイスに便乗し、有料記事で記載しています。あえて高額に設定していますので、私のように貧乏な方はご覧にならないようよろしくおねがいします。【有料記事2,500円】イトウを釣り上げた&見たポイント
水深も全体的に浅く、深いところでも70センチ程度です。こんなところに1メートルを越えると言われるイトウなど居るのでしょうか?
かと言って、どういうところにイトウがいるのかを知っているわけではないので、気にせず川に入ります。
5gのスプーンを投げていましたが、今思えば川が浅いので3gくらいで十分だった気がします。
ヤマメが釣れました。
どうせこれ以上釣れないだろうと思い、小さなヤマメを一生懸命撮影してしまいました。なぜならこの川が私の技術では大変釣りにくい河川だったからです。
川は泥底で歩くと一歩ずつ足を取られ、岸の横が即ドン深なので浅瀬が存在せず、岸には開拓時代に屯田兵を苦しめた密集した草木が覆っていて歩きにくく、ルアーを投げれば熱帯雨林のマングローブのように張り出した根に根がかりするという状況で、これまで味わったことがないくらい釣りにくい河川でした。
何度か小さな魚は釣れたものの、そろそろこの状況にうんざりしてきました。
「早く夕暮れになれば魚を諦められるのに」と太陽のせいにしたりしながら、ルアーを下流に投げて、少しだけ巻いてみたものの魚の反応はなく、ルアーを回収するのも面倒で水中にルアーを入れたままでカメラをいじり始めました。
釣りをしながらgoproで動画撮影をしていましたが、魚が釣れている映像ではなく、草をかき分ける映像と根がかりを外す映像しか入っていないのでまとめて削除しようと思ったのです。
動画を1つ、2つと消したくらいのところで腕がぐーっと引っ張られたのに気づいて水面を見ると、鯉のような魚が(まさに鯉だと思いました)ルアーをくわえて、新幹線がレールを進むように下流に向かって突進していました。
先程根がかりを外した時にギチギチにドラグを締めていたせいでドラグは全く機能せず、竿と糸が直線になったところでブチンと言う音を残して重みが無くなってしまいました。
・・・。
なぜ水中にルアーを入れたまま片手で動画を削除していたのかは全く謎ですが、下流に向けて水中に垂れていたスプーンは水流を受けて勝手にゆらゆらして魚を誘っていたようです。あの頭のゴツさはサクラマスやアメマスではなく、イトウのような気がします。
俄然やる気が出てきた私は場所を変え、ドラグをゆるめ、スプーンを下流側に投げて、その後どうするんだったかな・・・そうだボーッとしながら少しロッドを動かしていたかな。
それを繰り返しているとイトウが釣れました。下がその時の動画です。
※釣れると思っておらず、カメラが変な方を向いています
動画を見ていて気づいたのですが、私は魚が食ったことに数秒間気付かず、バカみたいにルアーにアクションを与え続けています。
しかし動画の40秒時点でラインが水面をあちこちに走っているのを見て、ようやく魚が食っていることに気づいた模様です。
それはさておき、イトウが釣れたのです。
こでまで私を馬鹿にしてきた読者の皆様、どうぞ嫉妬してください。
まずは太い胴体を彩る美しいピンク色を見てムカついてください。
スプーンを丸呑みした立派な顔を見て、イライラしてください。
うちわのように大きな尾びれを肴に、地団駄を踏んでください。
撮影の後は元気に帰って行ってくれました。
とまぁ自慢してみましたが、1.5メートルにも成長すると言われるイトウの半分にも満たないサイズで、大物とは言えないサイズですが、私には貴重な釣果です。
この釣果に大満足して翌日からは釣りもせずに北海道観光と開拓使の勉強・・・。かと思われましたが、翌々日の飛行機の時間ギリギリまでイトウを狙うことになりました。
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前日イトウを釣り上げたポイントとは別の、雰囲気が似ている河川を探してポイントに入ります。
「イトウの探し方と釣り方は、完全にわかった」思い込んでしまった私ですがもちろん勘違いであり、やはりこのような結果になりました。
昨日調子に乗って「イトウの釣り方は云々かんぬん」と友人に送ってしまったLINEと彼の記憶を取り消すことは出来ないものでしょうか。
小さなヤマメとアメマスと一通り戯れた後、竿を片付けて橋の上からボーッと川をのぞいていると、上流に向かって頭を向けている大きな魚体が浮いていることに気が付きました。
頭の丸さやサイズからすると、イトウのようです。
橋の上から釣ることも考えましたが針に掛かった後に困ることは私ごときでも把握できたので、ひそかに草をかき分けて魚に近づいてルアーを投げてみましたが・・・私が川まで降りたときにはその魚は姿を消していたようでした。
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そして北海道最終日、13時の飛行機まで少し時間があったので竿を出すことにしました。
すると予想に反して(?)大きな魚がルアーに掛かりました。
バレた・・・。
はっきり姿が見えませんでしたが、サイズ的にはイトウである可能性が高いかと思いましたが、ジャンプしたときの尾っぽの形を見ると別の魚のようでした。
途中で映像を意識してカメラ角度の確認などしていますが、返って恥ずかしい行動を記録することになってしまいました。
釣りは奥が深そうですが、適当なやり方でも釣れることはある、そう学んだ北海道での8日間となりました。
* * *
北海道を発つ便を空港で待っていると、北海道釣行の前半で一緒に釣りをして先に本州に帰った中森くんから「俺は今月もう一度北海道に行く」というメッセージが入っていました。
「帰ったばかりでもう北海道に行きたいのか」と鼻で笑いそうになったその時、自分もあと1時間で日常へと引き戻されてしまうんだという言葉にならない寂しさが暗闇のように眼の前を覆い尽くしました。
掃除したり洗濯したり、うんこをしたりの退屈で惰性の毎日・・・。もう二日酔いで起き上がれず、河原のじゃりに体を痛めながら鹿を横目に昼寝することも出来ないのか。
自分で選んだのか、あるいは誰かにつかまさせられたのか。空の向こうで圧倒的に退屈な日常が待ち構えています。
8日間毎日釣りをしたものの全然足りず、今月もう一度北海道行きのチケットを予約してしまいました。どれだけ釣りをすれば満足できるのでしょうか。 pic.twitter.com/GcZUEb7Tr4— 釣れないニートの渓流釣りとほほ録 (@tsurenai_neet) July 1, 2021
これから待ち受ける日々を受け入れられず、私もすぐさま今月の北海道行きの飛行機を予約することになりました。
【ロッド】バス用の安いルアー竿
【リール】2000番のリール
【ライン】PEライン0.6号(無くても大丈夫です)
【ライン(リーダー)】8ポンドのナイロンライン
【ルアー①】シルバークリークミノー50シンキング
【ルアー②】スプーン・pure3.5g
【ルアー③】スプーン・D-Sライン5g