友人との釣り技術の差をまざまざと見せつけられた夜、私には珍しく朝5時に目覚ましをセットしました。
前日、大きめ(と言っても40センチ前後)のニジマスが3回も食ってきてくれたのに、それらを全て見事にバラしたことがだいぶ悔しかったのでしょう。
そんな無駄な気合いは目覚ましすら上回る形になり、音が鳴る30分前にバッチリ目覚めて川へ向かいます。昨日の夕方のぞいたときは少し濁っていましたが、夜間は雨が降っていないはずなので今日は濁りも取れて絶好の釣り日和になっているはずです。
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阿寒川本流飽別地蔵堂近く
阿寒川本流に入ってみると、昨日の夕方に見た時よりむしろ濁りがひどくなっています。しばらくは水深5センチほどの浅瀬を見て
「川底が見えてるから、大丈夫」
と言い聞かせて釣りをしていましたが、私が水の透明度について捏造したところで、魚の活性が変わるわけではありません。そして冷静に川を観察すれば、普段陸地に生えているであろう草が水没しており、水の色だけ見ればただのドブです。
正気に戻り、ドブではない釣り場を探すことに。
近くに飽別川という支流があり、以前小さなニジマスを釣った記憶がある川をのぞいてみたところ、濁りはありません。
飽別川下流
スプーンにニジマスが次々と襲いかかってきます。
しかし大きなニジマスが交じる気配はなく、まるでスーパーに並べられたニジマスパックのように大きさが20~25センチほどに揃っています。なぜこれほどまでサイズが揃っているのでしょうか。
飽別川の全ニジマスが「摂餌機会の平等」を求めるストを起こし、その結果全てのニジマスに同じ量の餌が配分される仕組みが構築されたのでしょうか。
それでも、共産党国家に毛沢東やレーニンという指導者が居たように、この中にもリーダー格はいるはずです。
そんなリーダーや幹部クラスを求めてルアーを投げていきますが、結局商品のパックの数が増えていくだけでした。
やはり大きなニジマスを狙いたくなり、ダメ元で再度阿寒川の本流に入ります。
阿寒川本流取水口下から
やはり濁りが強すぎるのか、飽別川と違って小さなニジマスすらルアーに反応してくれません。
そして特に釣れる雰囲気も無いのに倒木の周辺を強気に攻めてしまい、またもやミノーを無くしてしまいました。900円で購入したルアー、、まだ一匹も魚を連れてくることなく手元を去ってしまいました。
昨日はスプーンを5個もなくしたので、今日は「これ以上ルアーを無くさない」ことを目標として掲げます。大きなニジマスなどそもそも望むべくも無いのです。これを達成出来れば上等だと思うことにしましょう。
障害物まわりを必要以上に攻めないことを頭に叩き込んで釣り進むと、アメマスが釣れました。
スプーンをぴょんぴょんと跳ねさせる釣り方がお気に召したようで、この釣り方にだけアメマスたちが反応してくれているようです。しかしニジマスはどちらかと言うとルアーを大きく動かさずにゆっくり巻いているときに釣れてくる印象があります。
ニジマスは良いのか?大きなニジマスを狙うんじゃないのか?わざわざ往復4万円かけて北海道まできて、アメマス狙いで良いのか?と、もう一人のニートが私に問うてきます。
良いのです。ルアーさえ無くさなければ。
そんな弱気でルアーを投げていると、ニジマスが釣れました。
大きくはありませんが良く引いてくれました。ルアーを減らさなかっただけでなく、綺麗なニジマスも釣れたので上出来です。
いつの間にか降っていた強い雨に打たれながらも上機嫌で車に戻ると、ケースに入れていたランディングネットがありません。
購入したばかりで結局魚を一匹入れて臭くなっただけのランディングネット、、
思い当たる場所をあちこち探しましたが結局見つけることは出来ず、6000円を阿寒ドブに捨てることになってしまいました。
さらに釣り場である阿寒川から車の返却先であるレンタカー屋までの移動時間を計算しておらず(釣り場からレンタカー屋まで瞬間移動できる計算になっていた)余裕を持って釣りを終えたはずが時間ギリギリになってしまい、楽しみにしていた空港でのお昼ご飯も食べられず、カバンの奥底でミチミチに潰されていたランチパックを搭乗ゲートでむさぼりながら飛行機で釧路を後にしました。