南アルプスから流れ出す安倍川は河口付近で藁科川と合流し、静岡市の中心部で駿河湾に注ぎ込みます。
安倍川は2回しか訪れたことがありませんが、本流支流を問わず土砂に埋まったこのような殺風景が特徴です。
同じ静岡の富士川支流の相又川に似ているように思います。
殺風景から突然現れるアマゴにもこれまた感動するのですが、今回は訪れたことが無い藁科川の方に向かいました。
静岡駅前に設置された今川義元・竹千代(家康の幼名)像を拝んでおきます。
今川義元の教えを受けた(厳密には太原雪斎を通じて)徳川家康が天下を取ったことを広報することで、今川氏=静岡市をPRしていこうという戦略のようです。
竹千代は釣り竿を脇に挟んで「今日はヤマメをいっぱい釣るぞ~」と意気込み、今川義元は「竹千代、今日のおかずは頼んだぞ」と託しているようにも見えます。
* * *
藁科川支流の氷川に沿って車を走らせていると、見覚えのある光景が目の前に広がります。
三叉路の川沿いのガソリンスタンド・・・。
印象的な光景なので、よく覚えています。そういえば私は5年ほどまえにこの場所で釣りをしたことがありました。そして小さなアマゴを2匹ほど釣り上げただけで、ご機嫌で帰宅したのでした。
藁科川を訪れるのは初めてだと冒頭に書きましたが、それが勘違いであったことが出発後20分ほどで判明いたしました。
藁科川支流氷川
アクセス | 静岡市から40分 藤枝市、焼津市から1時間 |
---|---|
対象魚 | アマゴ |
遊漁券 | 年券:7,000円 日釣券:1,500円 現場売:2,500円 |
管轄漁協 | 安倍藁科川漁業協同組合 |
入渓のしやすさ | ★★★☆☆ |
歩きやすさ | ★★★★☆ |
魚の量 | ★★★★☆ |
我々が見た魚のサイズ | 平均12㎝、最大25cm |
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マップの赤マークの地点に到着しました。
このスペースに駐車して、やや下流側から川に降りられます。
本日は同行している兄に竿を出してもらいます。釣り方は長竿に毛針を結んだだけのチョウチン毛針釣りです。
兄は自分が立ちションをした場所を忘れて座り込んでしまうくらいの、私をも凌駕する天然ボケですが、チョウチン毛針釣りなので一匹くらいは釣れることでしょう。
毛針は特に根拠も無くパラシュートを選んだようです。どの毛針を結べば良いのか全くわからないのは弟の私と同様です。
毛針を流すと魚が飛び出してきますが、なかなか針に掛かりません。
根気よく毛針を落とし続けると、小さなアマゴが釣れました。
釣りは好きなのに魚を触るのが恐いというヘタレの兄は、釣れた魚をこの動画でも釣れた魚を私に預けようとしています。
ちなみに、かつて湖で共に釣りをしていた際、私と少し距離が離れた兄が一人でブラックバスを釣ったことがありました。
自分で針を外すのが怖かったようで、彼は100メートルほど遠くにいる私に向かって大声で
「魚釣れた~!針外して~(泣)」
と叫んでいましたが(当時兄28歳)、兄と私の間に立っていた見知らぬ釣り人が目を丸くしていました。
さて、兄が魚を一匹釣り上げることが出来たので、今度は私が竿を出させていただきます。
渓流釣り経験5回程度の兄でも釣れたので、下手くそとはいえ10年ほど渓流釣りをしている私ならば、サクッと釣ってしまうでしょう。
兄のときと同様、毛針を浮かべると魚が反応してくれるのですが、一向に針に掛かりません。
これは恐らくヤマメだと思いますが、毛針に派手に飛び出しています。
しかし、毛針を口には入れていないようです。
焦りながら毛針を流し続けると、深みがあるところでようやく魚が針に掛かりました。
・・・。
アブラハヤです。
どうしてもヤマメやイワナを釣り上げたいときに限って私が釣り上げる魚で、先日は遂に夢の中でも大きなアブラハヤを釣ってしまい、ムシャクシャしながら熱帯夜に目が覚めました。
その後、毛針を変えてみても、やはり釣れるのはアブラハヤのみ。
チョウチン毛針釣りを私から教わり、ようやく毛針の結び方を覚えた段階の兄にアマゴが釣れて、こちらは釣れないなんて。。
アブラハヤの呪いです。
魚が釣れないことに焦り、暗くなっていく空に焦り、足を踏み外してドデカイ音を立てて転倒しますが、同行者も半べその私に気を遣って、からかっても来ません。
これがまた悲しい・・・。
まだ薄明るい空をにらみつつ、釣りを終了します。
土砂崩れで崩壊一歩手前のこのガードレールのように、私の感情も崩壊寸前です。
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静岡駅前の今川義元像にラリアットを食らわせたのがまずかったかもしれません。
* * *
宿は民宿ふくい
宿は釣り場から山道を西に抜けた、川根町の北端あたりにある民宿ふくいさんに宿泊します。
この32号線から63号線を通る山道が狭くて非常に走りにくかったので、大変後悔しました。
この地域は、元はお茶と林業で栄えたところで、現在は川根温泉目当てで訪れる人も多いとか。
川根温泉はバブルに湧く1980年代後半のふるさと創生事業で交付された1億円を元手に掘られたものだそうです。1億円交付を決定した時点の総理大臣である竹下登は交付の裏の狙いを「その地域の知恵と力を見極められる」と話したと言ったそうです(Wikipediaの受け売りです)。
函館市がイカのモニュメントと、高知の中土佐町が金のカツオを制作した(その後盗まれ、溶かして800万円で売却されたとか)ことと比較すると、「SLが見える天然温泉」として一定の集客に成功している川根町は、その資金を上手に使ったと言えるかもしれません。
【平成の函館とmoriの想い出】(不定期連載)
平成元年(1989)「ふるさと創生事業」1億円で作られたイカモニュメント(略してイモと当時中学生のモリたちはバカにしていた笑。恩恵無かったけど、バブルやったんやね。) pic.twitter.com/mu2hi2g5pM— mori (@tarknight) January 9, 2019
民宿ふくいはご夫婦で営まれている民宿兼小さな商店です。
部屋からトイレや風呂に行くにも外を通るので、毎回川を拝めるという利点があります。
渡り廊下に設置されている網戸に虫たちが大量に集まってくるので、昆虫好きは歓喜するところでしょう。
1泊2食付きで5,500円という格安料金ですが、食事も美味しく居心地の良いお宿でした。
翌日は民宿ふくいの東を流れる大井川水系の笹間川で釣りをしました。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。