西伊豆で無料アマゴ渓流釣り【伊豆③宇久須川】

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前日は小土肥大川でアマゴの大群を見たものの小さな二匹のアマゴしか釣れませんでした

最終日なのでもう少しまともな魚を釣って当代屈指の渓流釣りブロガーとしての面目を保ちたいと、西伊豆にある宇久須川に入りました。

宇久須川の下流には有料のます釣り場があり、2022年時点でも稼働していました。

宇久須川ます釣り場

増水時にここから逃げ出した魚が宇久須川にも入り込んでいる可能性は十分にあるでしょう。

 

 

宇久須川中流から

※赤マークに車を寄せて少し上流から川に入れます

 

宇久須川アマゴ渓流釣り

川が段差のようになっており、小土肥川同様に魚が生息するのに向いている河川に思えます。

 

今回はのべ竿に短い糸と毛針を結んだチョウチン毛針釣りと、ルアー釣りの2つの釣り方を用意しています。本来は状況に合わせて釣り方をチョイスすべきなのでしょうが、渓流釣りに触れてから14年もすくすくと素人感を育て続けている釣りブロガーは

「客観的な状況より、なんとなくの主観」

を頼りに、昨日アマゴを釣った良い思い出があるルアー釣りを選択します。

さらに言えば「活性が低い時期には食欲に訴えかけるより、むしろ活性を上げるルアーの方が効果的ではないか」などと、自分の願望の方に事実を捻じ曲げて寄せてみたりします。

深くなっているところにアマゴが溜まっているかもしれないと、深場にルアーをゆっくり流してみますが全く反応がありません。するとたちまち、

「毛針釣りの方が良かったのでは無いか」

と15分ほどで後悔が浮かび上がってきました。

* * *

 

初日の戸田大川での釣りでも感じましたが、この宇久須川も堰堤が大変に多いです。

宇久須川アマゴ渓流釣り

 

Google MapやYAMAPという地形アプリにも表示されてない堰堤が50メートルおきに現れます。

現れてはよじ登り、またよじ登る。堰堤の脇に石垣があったり、木が生えているところは手や足をかけて登りやすいのですが、ひとつの巨岩が遮っている場合、捕まるところがありません。

大岩が欠けて土が溜まっているところから土を掘り出して手を引っ掛けるところを探そうと、食料を探す脱走兵のように必死に土をほじくっていると、きれいなピンク色の生き物が動きました。

ミミズです。

そう言えば、餌釣りってどうなのでしょうか。

ルアーや毛針については、なぜこれに魚が食いつくのか、その根拠をこちら側としても見出しにくいハリボテである一方、本物のミミズが目の前に来れば先方も食べないわけに行かないとう理屈は納得感があります。

ミミズを慌ててつかみ取り、針の先に引っ掛けます。

餌釣り用の針が無かったので、毛針にミミズを引っ掛けてうきを付けた不思議やタックルの完成です。

 

宇久須川アマゴ渓流釣り

 

餌など手にして、もう逃げ場はありません。何としても釣るのです。

堰堤の下には、上から落ちてきた水流が深場を作り出しているところが多く、ミミズを沈めるのにうってつけです。

堰堤を見つけてはミミズを沈めてみると、3箇所目の堰堤でうきに違和感を感じました。

竿を上げるとミミズが針から外れています。どうやらこの堰堤の下で魚が食いついた可能性が高そうです。私の乏しい経験からですが、針に魚が掛からず餌だけ取られた場合、次も同じように餌に食ってくる可能性が高いです。

大慌てで二匹目のミミズを探します。先程は思い掛けない形でミミズに出会ったので、新しいミミズくらいすぐに見つかるだろうと思っていましたが、探し出すと思いの外、視野に入ってきません。

尖った石を持って地面をガリガリ。出てこないので斜面をゴリゴリ。石は重いので枝でグリグリ。探せど探せどミミズらしき生き物はなく、ミミズのような形をしたヌルっとした根っこのようなものを見つけ、歓喜と落胆を繰り返します。

先程のミミズは地面ではなく斜面をほじくって出てきたので、斜面に乗っている石をはがす作戦に出ます。頭蓋骨サイズの石を顔の高さから剥がしたとき、石はそこから斜面を転がって私の膝を直撃しました。痛い・・・。

もしお皿が割れて動けなくなったら、電波が入らないエリアなので遭難死の可能性もありますが、それよりもミミズです。うめきながら土木工事に励むうちに痛みはなくなり、そしてミミズ探索開始から10分ほどでようやく追加のミミズを一匹だけ見つけました。

このミミズはやけに活きが良く、まるで陸に上げた魚のようにバタバタと動いています。

心臓が口から出てきそうな緊張を隠しながら先ほどと同じポイントにミミズを投げ込むと・・・

 

何の反応もありません。

もう一度・・・ダメです。

10回ほどミミズを往来させましたが、魚の反応は無く、ミミズも傷ひとつありません。

試しにルアーも投げ込んでみますが反応が無かったので、水中カメラでプールを隈なくのぞいてまわりますが、小魚一匹の姿も見つかりませんでした。

 

さて一体、私は先程まで何をしていたのでしょうか。何のために、地形が変わるほど石を掘り返し、膝を押さえて声を枯らしながら、去りゆく女性にしがみつくようにミミズの名を呼び続けていたのでしょうか。

斜面を掘り返す時に石を転がしすぎて、その爆音で魚が逃げてしまった可能性もあるなと、今パソコンの前で冷静になってようやく気がつくのでした。

 

西伊豆の夕暮れ

 

密航者を乗せたあの船はどこへ行くのでしょう。

 

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