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黒瀬ダムやや上流から
同じ場所に車を停めて入渓しようとするルアーマン2人がいたので声をかける。
「こんにちは」
万引きが見つかった子どものような顔でこちらを見る。漁協関係者だと思ったのだろう。
「川に入っても良いでしょうか?」
「下流側だったら良いよ」
「下流側なら邪魔になりませんね」
「というか、下流で釣れるの?ま、上手な人なら釣れるんだろうけどね」
と、薄ら笑いながらなぜか嫌味を言われる。
ま、釣れないんですけどね。
小さなアマゴの姿は確認出来るも、残念ながら釣れず。
漁協の存在にヒヤヒヤしている肝の小さな彼らを見返してやるだけの実力はありません。
彼らに再度出くわして「釣れましたか?」と聞かれるのが怖いので、今度はこちらがコソコソと川を上がる。
加茂川 旅館関門の裏手から
傾斜がきつく、なかなか険しい。
旅館関門のほど近くでアマゴが釣れた。
こちらが旅館・関門。この周囲に旅館がいくつかあったようだが、今は全て閉鎖されている。
人口も一気に減っているのだろう。
周囲の廃墟には農協での横領事件に関する貼り紙が。
他の支店でのさらなる横領発覚を予言している。
バスが日に1本しか走らない田舎ならではの粘着感に興奮を抑えきれない。
このレベルのド級田舎に行くと、こういった貼り紙をよく見かける気がします。
過度に濃厚な社会で生きているジジババから漏れ出る叫びを観光資源にして、都会の人や外国人を誘致出来ないでしょうか。
その後、地元の人らしい釣り人のおじいちゃんと遭遇。
ちょうど旅館関門の下が放流ポイントのはずだと言うが、釣れなかった様子。
ここから、四国じいちゃんの思い出話タイムへ。
* * *
おじいちゃんはこのあたりの生まれで、子供の頃から川に入ってはアマゴを釣っているのだそう。
小さな頃はアマゴがうようよいたもので、高知からの旅人はアマゴを釣りながら愛媛まで歩いてくるが、愛媛に到着するころには
「一斗缶が2杯満杯になった」のだそうだ。
真偽はともかく、一斗缶をかついで山を越える旅人を見てみたかったものである。
【続き】中予の滑川で水中で遊ぶアマゴを鑑賞【愛媛県釣行4日目】