中学校の野球部で唯一の「経験者で補欠」だったどんくさい私も、家族の中ではどちらかと言えば「機敏で理髪な子」として扱われていました。
その理由は、私より純度の高いノロマである3歳上のお兄ちゃんが居たからです。彼は中学生の頃、布を縫い付けることができずセロハンテープで止めようとした不器用で、35歳の今でも靴紐の「チョウチョ結び」が上手にできない人です。
そんな私と兄で滋賀県愛知川支流の八風谷にやってきました。
兄はこれまで渓流釣りに2度挑戦していますが、糸をくくった直後に糸が絡み、ルアーを投げる前からルアーをなくすような男で、当然ヤマメもイワナも釣ったことがありません。
釣り方は、投げるのも合わせるのも一番簡単なチョウチン毛針釣りで挑戦します。
この日は魚の活性が高いようで、私よりさらに良い加減な釣り方をする兄の毛鉤にも魚が飛び出してきます。
しかしそう簡単に釣れるものでもなく、毛針に食いつくけれど掛からない。掛かるけれどバラすということが何度か続きます。
※白の毛針が見にくくてすみません
画面右の白い毛針に食いつきます。
その後同じようなミスを何度も繰り返し、ようやく釣れました。
記念すべき初めてのイワナです。
釣り続けるうちに、プールが現れました。
私が渓流釣りをし始めた10年前、ついついこういうプールにこだわって、無駄にキャストを繰り返したっけ・・・。
おやおや言わんこっちゃない。
ルアーに関しても私より初心者の兄がプールにスピナーを投げ込んでいます。
「そんなところにイワナは居ないよ」という言葉をこらえて、優しく見守ります。
釣れてしまいました。
さらに同じプールに、もう少し大きなイワナが徘徊しているのが見えます。
さきほどのスピナーの投入でこのイワナも人影には気がついているはず、さすがにこのイワナは釣れないだろうと思いましたが
「釣りたい釣りたい」
とダダをこねる兄に付き合う形でこのイワナ1匹を90分間、追い続けることになりました。
毛針を落とすと、じっくり見ては去っていきます。
▼画面中央にオレンジの毛針を落としています
毛針の横に飛び出して来て、思わず声が出そうになります。
▼画面下に毛針を落としています
さらに、たまに突っつきに来るので心臓にこたえます。
▼画面下に毛針を落としています
突然食べに来るもんだから、「ぐ・・・う・・・」という文字にしにくいうめき声が漏れてしまっております。
これだけ見られたら、さすがに毛針に食いつくことは無いだろう。
そう思い始めて90分が過ぎた頃でした。
▼画面左に毛針を落としています
なんと、釣れました。
撮影した動画はyoutubeに上げると言っているのに、兄はあろうことか私の本名を叫んでしまっております。
最後はリリース動画で締めようとしますが、カメラの正しい向きがわからず、途中イワナがフレームアウトしてしまっております・・・。
早速、LINEの壁紙をイワナに変更してしまうわかりやすい兄でした。
その後調べたところ、この八風谷にはイワナを成魚放流もしているようで、プールで食ってきたのは成魚放流されたイワナである可能性が高いと思います。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。