前日ヤマメとイワナを釣り上げた河川の支流に入ります。
支流と本流の合流点の写真です。
前日は奥の川で釣りをしましたが、この日は手前側の支流に入ります。川底の色がまるで違うのがわかります。
この日釣りをした手前側の支流は川底が砂利のところが多く、水も澄んでいます。
水が澄んでいると気分は良いですが、釣りの難易度は上がる印象があります。
「では水が濁っていれば釣れるのか」と聞かれると辛いところなので、こちらも言葉の方を濁しておきたいと思います。
この日は3月の上旬なのでまだ水温も低く、浅瀬には魚が出ていないと考え、深場だけを攻める方針で釣りをします。
これまでは釣りをするときに頭を使わないことで脳と体の健康を維持してきた私ですが、今年は頭を使って釣りをすることを目標に掲げています。
さすが今年の私は違うな、と思いながら大場所に入ります。集中して一投目を投げ込むと・・・。
びぃ~~~~ん。
まさか、大物が掛かったのではありません。
対岸の枝に引っ掛けたのです。
最初は手前から投げれば良いものを、なぜか一投目から無理目のところを流して根がかりすることが多い私です。
根がかりを外しにザブザブと川に入って、ポイントをダメにしてしまう。これを何度も繰り返してしまいました。
たまに普通に投げられたときも、普段あまり餌釣りをしないので(←言い訳)魚のアタリが全く取れません。というか正確に言えば「アタっていない状態がわからない」ので3秒に一度ずつくらい「魚が掛かっていないかな?」と、竿をあおってしまいます(3秒も我慢できていないかも)。
しかも極めて自信なさげに、そ~っと竿をあおるので、たまたま魚が食っていても針は口に掛からず、魚に逃げられるばかりです。
釣り番組のように、確信を持ってシュパッ!とアワセられる日は私に訪れるのでしょうか。
しかし、そんな戸惑いに満ちた毒針に掛かってしまう魚も居るのです。
イワナが釣れました。
結局この支流では10回ほど魚の反応がありましたが、手元まで寄せてこられたのはこの一匹だけでした。
それでも9回の失敗には目もくれず、この1匹最高の幸せを感じるのが私釣れないニートです。
冷たい風が吹く標高400メートルで、ところはばからず1人でガッツポーズをしてしまう私でした。
ちなみに餌で使うブドウムシは新聞紙でくるんで野菜室で保管すると長持ちするそうですが、前日までそれを知らずに車のトランクに一晩放置しておりました。
そのため、昨日購入した時点では生きる希望に満ちた新入社員のようにキラキラしていたブドウムシ達でしたが、この日はまるでじいさんのち◯このようにぐったりしていました。そのせいで食いが悪かったようにも思います。
* * *
午後からは別の河川Bに移動します。この河川も漁協が無いので、ポイントは有料記事で公開しております。
「いちいち有料記事に誘導すな!」と思われたかもしれません。
実は有料記事は作るのに手間がかかるわりに全然売れないので、できれば作りたく無いのです。
しかし漁協のない河川の情報を無料で公開すれば、現地の釣り人から怒りの込もったメールが届くので、妥協点として有料記事に収まっているのです(有料記事にしても、月に一度くらいは罵声を頂戴しておりますが)。ご了承頂ければと思います。
この川は漁協が無いばかりか、標高の高い山から流れているわけではないのでマスが居る可能性は低そうです。
しかし川に降り立つと、魚の群れが見えます。ヤマメの稚魚の群れでしょうか?
こんな大量のヤマメを撮影できれば、衝撃的に美しい映像になるかもしれません。
水中カメラで撮影すると・・・。
完全にカワムツです。
ヤマメも混じっているかもと血眼になってヤマメを探しましたが、一切見つかりませんでした。
大量に群れているヤマメなど見たことが無いのに、なぜか「今回こそはヤマメの群れだ!」と思って、結局カワムツとアブラハヤにスカされ続けています。
これはこれで綺麗ですが、やはりマスを探し求めたいと思います。
流れている水の量も少ないし、なんとなくヤマメやイワナがいそうな雰囲気がありません。
しばらく餌を流し続けましたが反応が全くありません。
途中からは竿を出すのも億劫でガシャガシャと川に踏み込んで逃げる魚を目視するという野蛮極まりない魚の探し方をします(魚さんたち、すみません)。
それでも、逃げていく魚の姿すら見えません。
帰りたい・・・。
魚の反応が無いとすぐに帰りたくなる根性の無い自分に気づかないフリをしながら竿を出してみると小さな魚が食ってきました。
先程群れていたカワムツでしょうか?
衝撃!!アマゴでした。
朱点もヒレの色もとてもキレイです。
サイズの話は、いたしません(なぜなら小さいから)。
ここは最上流でも標高が300~350メートルしかなく、ヤマメが生息するには標高が低すぎるかと思いましたが、それでも生きていけるのですね。
その後も似たようなサイズの魚が釣れてきました。3月なので水面の毛針には食ってこないかと思っていましたが、そうでも無いようです。
今回は2本の竿を持参しましたが、そのうち1本はえさ釣りで使用し、もう1本は毛針釣りという使い分けを行いました。
しかし毛針用の竿はどういうわけか底が抜けていて(去年壊れたんだっけ・・・。それすら忘れています)、何度も自分に向かって竿が飛び出してきました。
恐らく海外の人がその様を見れば私が神妙な顔でハラキリをしているように見えたでしょう。
結局ハラキリしながらヤマメばかり5匹ほどが釣れ、私には上出来の成果となりました。
* * *
翌日はさらにまた別の漁協が無い河川Cに入りました。周囲を杉林に囲まれた河川です。
落葉広葉樹の方が虫や魚の生育には良いとされているようですが、常緑樹である杉林に囲まれた川のほうが私の場合はよく釣れる印象を持っています。
ウキウキしながら川に入ると、たちまち鼻に異様なムズムズを感じます。3月はスギ花粉のシーズンであり、わたしは花粉症なのでした。
すぐに鼻水が真夏の汗のようにサラサラと落ちてきましたが、引き返すわけにも行かず、釣りを開始します。
この日も毛針で勝負する度胸はなく、無難にエサ釣りを選択します。
ブドウムシを流すと、なんと2つ目のポイントでヤマメが掛かりました。
私には極めて珍しいことです。
やはり花粉のリスクを背負っただけのことはあります。
早速釣れてしまいましたので、調子に乗って毛針釣りの道具に持ち替えます。やはり水面にヤマメが飛び出す喜びを、3月から味わいたいではありませんか。
毛針を水面に浮かべると、なんとも本物の虫のようです。
釣り人にそれほどさらされていない天然ヤマメが、これを食べ物でないと見破れるはずがありません。
しかし、気温は10度を越えてチラホラと羽虫が飛んでいるにも関わらず、毛針には全く興味を持ってくれません。
これまで誰に頼まれたわけでもないのに、のべ竿に毛針を結んだだけのチョウチン毛針釣りをこのブログで猛プッシュしてきました。継続的にブログを御覧になられている人からすれば、既にうんざりしているでしょう。
私のような不器用な人や、釣り初心者でも釣りやすく、必要な道具も少ない。さらにヤマメが水面まで姿を見せに来てくれる。チョウチン毛針釣りの面白さを広めることこそが、私の小さな楽しみであり、大げさに言えば人生の一部のようになっていました。
なので、少々毛針に反応が悪かったからと言って毛針を手放すことは無いぞ・・・。と2時間ほど頑張りましたが、やはり釣れないことにはどうしようも無いと、
「少し寒くなってきたことだし・・・」
「陸上の昆虫よりも水中の昆虫の方が多い時期なんだな今は」
などと自分への言い訳を巧みに構築し、あっさりと餌釣りの道具に持ち替えました。
すると、すぐにヤマメが釣れました。
ああ、楽しい。
やはり釣れるならどんな釣り方でも良いやと、節操のないいつも通りの自分自身に再会するのでした。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。