関空から釧路への移動時にPeachとトラブルが発生しました。釣り情報にのみ興味がある方はこちらからご覧ください。
格安航空Peachの手荷物事情
格安航空のPeachは航空券がとても安い一方、荷物の重量にシビアです。
オプション無しで最安の「シンプルピーチ」の場合、預け荷物は全て有料になるので、最安の状態で到着地まで持ち運べる荷物は7キロまでとなっています。
この7キログラムの重量チェックですが、とくにPeachの関空はチェックが異常に厳しいことで知られています(釧路では手荷物重量はノーチェック、成田もそこまで細かくないとか)。
預け荷物を追加したい場合、事前予約で1つ1,800円が必要です。
1,800円を支払うことで、重量が20kgまで、3辺の和が203cm未満の荷物を預けられます。
私は機内に持ち込めない釣り竿があるので、預け荷物を必ず一つは追加しなければなりません。荷物の総重量は釣り竿を合わせて16キロほどだったので、預け荷物の予約数は1つで良いのか、2つ必要なのか確認する必要があります。
2つのパターンを整理します。
①手荷物+預け荷物1つ(追加料金1,800円)
- 持ち込み7キロ
- 預け荷物(釣り竿+その他荷物9キロ)
②手荷物+預け荷物2つ(追加料金1,800円×2=3,600円)
- 持ち込み7キロ
- 預け荷物①(釣り竿)
- 預け荷物②(その他荷物9キロ)
預け荷物は事前予約で1,800円ですが、現地で追加すると2,900円を支払う必要があるため、私はコールセンターに電話で確認しました。
私「釣り竿とその他の荷物をまとめて20キロ、203センチ以下ならOKですか?」
コ「大丈夫ですよ、合計で数値を越えていなければ問題ありません。」
私はコールセンターを信じて追加荷物は1つだけで予約をしましたが、これが大きなトラブルを引き起こすことになりました(結果的にこのコールセンターの担当者が間違えていたことを搭乗の時に気がつくことになります)。
* * *
当日カウンターを訪れると、女性スタッフさんが対応してくれました。
背が低い垂れ目で肌は荒れており、北朝鮮の寒村から出てきた中学生ですと紹介されれば7割が納得し、3割はそれと確信するでしょう。忙しさで疲れているのか、笑顔はほとんど見せません。
私が釣り竿とその他荷物をまとめて預けようとすると、
「釣り竿とその他荷物をひとつにまとめることは出来ません」
と突っぱねられました。
「コールセンターできちんと確認しました」
と伝えたところ、北朝鮮は私の姿をジロと見ます。
窓口が寒々しい顔をした能面なら、こちらもこちらでサンダル履きの釣りおじさんの出で立ちをしており、どうみても社会的地位のある立派な紳士の風体ではありません。
おそらく女北朝鮮も、
(このおっさん、北朝鮮からイムジン河を泳いで渡ってきたような汚い格好をしてるな)と思ったことでしょう。「コールセンターで確認しました」という私の主張をデタラメだと踏んだようで、半ばせせら笑いながら(ここで初めて笑顔を見た)
「釣り竿とその他荷物をひとつにまとめることは出来ません(苦笑)」
と繰り返すのみで、女北朝鮮はコールセンターへはおろか、男北朝鮮(つまり私)が電話をした事実すら確認しようとしません。
もちろん、北朝鮮の同朋男性との再会を喜ぶ風もありません。
普通の乗客であればしぶしぶお金を払うのでしょうが、私は生来のケチであり、ここで折れるわけには行きません。なんやかや理由を付けて他のカウンターに回り込みます。
このカウンターでも私が同じ主張を繰り返すと、責任者と思われる女性が出てきました。
今度は顔立ちがくっきりしています。
彼女も女北朝鮮と同じく私を疑っていますが、私があまりにも追加荷物の金だけは払わないと主張すると、しぶしぶ
「コールセンターへはいつ、誰と会話しましたか?」
と確認してきます。
これも確認と言うよりは学校の先生の趣味の悪いイタズラクイズのようで、私が「どの番号だったかな・・・」と発信履歴を探すのを横で手伝うそぶりも無く、「どうせ電話なんてしてないんだろう」と、勝ち誇ったように見物しています。
旅行準備であちこち電話をかけていたため発信履歴の捜索に手間取りましたが、
「この番号じゃないですかね?」
と示した番号がコールセンターの番号と一致していたようです。
(このおっさん、もしかしたらコールセンターに確認したというのは本当なのかもしれない)
と思ったようで、この時点で初めて、
「お手数をおかけしており、まことに申し訳有りません。」
と謝罪する風を装いました。
しかし飛行機の出発時間が迫っていたこともあり、いったん追加荷物の費用の2,900円をクレジットカードで支払い、もしPeach側が間違っていた場合はその金額をこちらに戻すという手続きになりました。
荷物の梱包はこちらで
少し本題からは逸れますが、預け荷物の梱包についてのメモです。一般的な航空会社の場合、釣り竿を預けるときはこのような箱に入れて輸送してくれます。
【引用】全日空公式サイト
ANAやJALだけでなく、スカイマークやAIRDOなどでも同様の対応をしてくれた記憶があります。
従って、私は上記のような箱に竿とその他荷物を詰め込めるのだとてっきり勘違いしていました。
しかしPeachでは完全に顧客側で梱包をする必要があるようで、結局釣り竿は箱で梱包出来ず、空港のコンビニで拾った紙で包んだだけで、一部ロッドのガイドがむき出しの状態で飛行機の荷物置き場に放り込まれることになりました。
私はニュージーランドに釣りに行ったとき、ボイド管の中に竿以外の荷物も詰め込んでしまったため、到着時には竿が折れていました。竿以外の、特に重いものは入れてはいけませんね・・・。
これはPeachに限りませんが、釣り竿を飛行機に預ける際には、「荷物の破損があっても航空会社に責任はない」という紙にサインさせられます。
そのため、Peach側が荷物を大事に扱うモチベーションはどこにもありません。
預かった瞬間に釣り竿でゴルフの素振りをしようが棒高跳びをしようが、自由です。さらに飛行機が飛んでいる間も竿は前に後ろに大暴れし、例えばとなりの頑丈なベビーカーの下敷きになっている可能性も大いにあります。
竿は無事に到着するだろうか・・・。
透明のビニール袋を抱えて機内へ
さらに、私は釣り竿とその他荷物をまとめて上記画像のような箱に詰め込めると思っていたので、その他荷物はビニール袋に適当に放り込んでいました。しかし箱は使えず(これは私の確認不足でした)、「ビニール袋では預け荷物としては預かれない」
と女北朝鮮に言われたため、スーツケースと釣り竿を預けて、ビニール袋を機内に持ち込むことになりました。
大きな透明のビニール袋に雑然と詰め込んだ荷物を抱えて飛行機に乗り込む様は、さながらゴミ出しを忘れてうっかり空港まで来てしまったお父さんです。
帽子とマスクをしていたので恥ずかしさはいくらかましでしたが、他の乗客からはホームレスだと思われたことでしょう。
* * *
機内でも気になるのは釣り竿の安否だけです。
釧路空港に到着したウキウキはどこへやら、重い足取りで預け荷物の受け取りに向かいます。
レーンに無造作に置かれて釣り竿が運ばれてくるかと思いきや、
「大事な釣り竿をレーンに流すのは失礼かと思いまして」
と、わざわざ係の男性が竿を手に持って渡しに来てくれました。
折れていない!!
彼も同じようにトラウト釣りが好きなようで、釣り竿が折れずに到着したことを我がことのように喜んでくれました。
預け荷物の料金の行方
預け荷物について、私の主張が正しく「もしコールセンターが誤った案内をしていた場合は返金します」と伝えられていました。
釧路到着の2日後にコールセンターから電話があり
「コールセンターで誤ったご案内をしていたことを確認しましたので、2,900円を来月返金させて頂きます。」
とのこと。
「ほなさいなら」
という感じでピーチ側の担当が切電しようとしたため、大慌てて引き止めます。
もし関空で私が子供のようにダダをこねていなければ、カウンターにいる女性たちから嘘つき扱いを受けた上で、当然のように追加料金を取られたことでしょう。
返金については当然のこと、大阪の担当者から直接の謝罪を入れてくださいと伝えました。特にあの女北朝鮮には相応の仕返しをしないといけないので、電話ではなく私の住所まで書面で謝罪文を送ってくださいと伝えました。
そのコールセンターの女性では判断が出来なかったようで、その後上長を名乗るス◯ヤマという男性から電話が入りました。
「書面での謝罪については出来かねますが、代わりに私から担当のマ◯ダには厳重に注意いたします」
とのことです。
想像してみます。ス◯ヤマ氏は女北朝鮮にどのように注意をするでしょうか。
ス「マツ◯ちゃん、トラブったらしいね、大丈夫?」
マ「そんなことありましたっけ?注意しまーす。」
ス「それはそうと、今度ご飯行こうよ。美味しいイタリアンの店が泉大津にあるんだよね」
マ「えー行きたいですぅ。」
などと、本件をネタに口説いていてもなんの不思議もありません。
気が弱い私は、
「はぁ、わかりました。」
としか言えず、渋々愚痴をブログに書き残しているという惨めな状態です。
後日、この事件を知人に愚痴った所、叱られました。
「そりゃあんたが悪いよ。あんたが使った航空会社はPeachだよ?格安航空で勤めてる連中って言うのはね、ANAにもJALにも採用されなかった残りもんだけで、最初からPeachに勤めたかった人なんて1人も居ないんだから。」
「そういう残りカスに対応されてるってことを頭に入れておきなさい。それが嫌なら格安航空なんか使いなさんな。」
彼の教えに心の底から納得し、次回以降はPeachの低クオリティを堪能できる自分になりたいと思いました。
その後Peachを使って関空と奄美大島を往復しましたが、奄美では手荷物はほぼノーチェックで通過出来ました。聞くところによると、2023年時点では成田と関空以外のPeachの手荷物チェックはゆるゆるなのだそうです。
Peach釣り竿事件を受けた後の釧路での釣り記録はこちらです。