普段は釣り場までレンタカーで行くことが多い私ですが、今回は初めて車を使わずに渓流釣りに行ってきました。
電車とバスを乗り継いで兵庫県の河川を目指します。
渓流は海釣りやバス釣りと異なり、魚が釣れても全く臭くないので気兼ねせずに電車移動できるのは良いですね。まぁ私は子供の頃から足の臭さでオキアミに負けない男なので、渓流釣りの後であろうと電車内で靴を脱ぐことは出来ないのですが。
バスで釣り場がある山の方を目指していると、バスからのいつもと違う景色に大興奮し、子供のように窓にへばりついてしまいます。
はしゃぎ過ぎている自分自身に気がついてグーグルマップを立ち上げると、なんと目的のバス停を過ぎています。
大慌てで停車ボタンを押して、降車します。すぐに気がついたので、乗り過ごしたのは1駅か2駅のはずです。改めて落ち着いてマップを見ると・・・なんと実際は目的地を通り過ぎておらず、むしろまだ少し先でした。
・・・。
この失敗のせいで10分ほど多く歩く羽目になりましたが「最近運動不足だったし・・・」と、健康面に配慮して早めに降りたことにしてしまう私でした。
* * *
汗だくで釣り場に到着します。
到着すると、大きな魚が潜んでいそうな雰囲気のある滝が登場しました。
適当にルアーを投げこんで巻いてみると、魚が追いかけてきました。サイズは20センチほどのようですが、投げ続ければすごい魚が釣れそうな予感です。
続けてルアーを投げると、3投目でついにルアーに食いつきました!
しかし本当にルアーに食ってくると思わず(どういうこと?)大慌てでアワセたせいか針に掛からず、魚は滝の深いところに消えてしまいました。
逃げていく魚の雰囲気を見ると、ヤマメかアマゴのような気がしましたが・・・。どうなのでしょうか。
期待して上流へと釣り進みます。
ヤマメの生息確認のために釣り竿を出す前に水中カメラを突っ込んでしまうという悪癖をなんとか我慢し、今日は釣り上げることで生息確認をしてみたいと思います。
長竿に糸と毛針を結んだだけのチョウチン毛針釣りで挑むと、魚が掛かりました。
しかもgoproで毛針にアマゴが食いつくところまでしっかり撮影できました。(白い毛針にアマゴが飛び出します)
釣れることがイメージできていなかったのでしょう、釣り上げるまでとてもわちゃわちゃしてしまっております。
何はともあれ、釣り上げることが出来ました。満足です。
リリース動画です。思っていた方向と違う方に泳いでいきましたが、結果として良い感じになった気がします。
その後釣れたのは2匹だけでしたが、川も魚も綺麗だったので大満足で17時頃に納竿としました。
荷物を整え、20分ほど歩いてバス停に向かいます。
ほんの数時間前にバスで山を登っていくときには初めての景色に興奮していましたが、帰りのバスで見る景色は綺麗なアマゴの記憶に覆われて朝とは違っていました。
朝より町が少し小さく見えるような。スタンド・バイ・ミーの気分です。
バスに揺られて駅にたどり着き、定食屋に入ります。
定食屋で飯をかきこんでいるのは仕事帰りの人たちが多いようです。ふふふ・・・。私は皆様と違って定職も役職もボーナスも無い人間ですが、この瞬間の幸福感では絶対に負けないでしょう。
さぁ、今日の勲章である釣り動画と魚が泳いでいる動画を見て楽しもう。酒は無くとも、これで十分酔えるでしょう。
荷物をガサゴソするも、カメラが出てきません。
・・・。
またまた。毎度忘れ物が多いとされる私が「カメラを川に忘れて、夜に取りに帰りました!」なんてブログに書いたら、また読者からバカにされるか、あるいは本当に心配されるでしょう。
カバンのあらゆるところを探しますが、それでもやはり無いようです。
釣り場に忘れてきた・・・。小型カメラであるGoProには大事な魚の動画が残されているだけでなく、そもそも5万円もしたのです。
私の人生でも車の免許を取得した時依頼の大きな買い物では無いでしょうか。
大急ぎでとんかつを流し込み、再度バスで山に戻ります。1時間前に夕焼けで美しかった景色は闇を背負ってセピア色にかすんでいます。
バス停から降りると、もはや漆黒の闇の一歩前です。
野生動物との遭遇を恐れますが、忘れ物を探しに夜道をウロウロするおっさんなど、恐ろしくて動物も近寄って来ないでしょう。
スマホのライトを頼りに、最後に荷物を整理したところまで15分歩くと、闇にキラリと光るものがありました。
あった!
カメラを見つけたときの感動は、ヤマメを釣り上げたときの喜びに勝るとも劣らないのではないでしょうか。
ということは、私は忘れ物をしなかった場合よりも余計に幸せを獲得できたと言えます。
命の次に大事なgoproを抱えて、3回目の景色を見ながらバスで山を降りたのでした。
宿はゲストハウス・ユメノマド
翌日もさしたる予定が無かったので、一泊して再度同じ川に入ることにします。釣り場から遠かったのですが、安かったという理由だけで神戸駅近くのユメノマドに宿泊しました。
看板はおしゃれなゲストハウス&カフェですが、石の階段から並々ならぬ妖気を感じます。
宿のホームページでは「古い宿を改装」とのみ書いていますが、一昔前までは「夢の里」という有名なラブホテルだったそうです。
「夢の里」という当時の名前の印象そのままに、昭和の雰囲気が廊下に染み付いています。数多の男女がこの廊下を踏み越えて、昨日の夜とは違う相手の顔に愕然とする朝を迎えたのでしょう。
内装は綺麗で、共有スペースにはキッズスペースまで完備しています。貧乏性であちこちのゲストハウスに宿泊していますが、初めて見ました。
私は4人部屋に宿泊し、その日は3人が宿泊していました。旅行者が少ないこの時期に3/4が埋まっているとは珍しいなと思っていたのですが、夜寝ている時間は2人は外出していたようで、なぜか寝ているのは私1人だけでした。
残り2人の男性は夜勤だったのでしょうか。
とても不思議な一夜でした。
予想外に個室宿泊の気分を味わえた私は翌日も同じ河川に入りました。