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然別湖
1万年前の火山活動によって陸封されたミヤベイワナは、厳しい自然環境の影響を受けて、独自の進化を遂げた貴重な魚です。特徴は高い体高と長い鰭(ヒレ)。体色は生息する場所により、ブラウンバック、グリーンバック、ブルーバックと変化に富んでいます。 出典:http://www.shikaribetsu.com/c/trout/
北海道に固有でイワナの近い親戚にあたるオショロコマという魚が、さらに然別湖でのみ進化した種をミヤベイワナとよんでいるようで、これらが棲息する然別湖にやってきました。しかし然別湖はカナダやニュージーランドを思わせるようなマスの言葉通りの天国で、「棲息」という書き方が許されないほどに数を増やしているようです。釣り期間も限られています。
ファーストステージ 6月1日〜7月2日
セカンドステージ 9月15日〜10月2日 出典:http://www.shikaribetsu.com/c/regulation/
前日は阿寒川で大変大きなニジマス(私にとっては)を釣ることができましたが、この日はトローリングでルアーを流す釣り方です。
日釣り券、貸しボート、ライフジャケットを合わせて6,610円を支払い、釣りを開始します。リピーターが多いのか、説明が比較的ざっくりしており、あれよあれよと気がつくと出荷される缶詰のように、ボートに押し込まれていました。
私「ど、どうやれば釣れますか!」
私が乗ったボートを岸から話そうとしたおじさんに聞いてみると、
係「然別湖は初めて?」
とやや驚いたような様子で、ルアーでの釣り方について説明してくれました。この日はミヤベイワナは浅瀬に出ているため
係「ルアーを水面に落として、船を引っ張ってれば釣れるよ」
というアドバイスでした。
しかし、この然別湖は池のようなサイズではなく、周囲をボートで一回りするだけでも5~6時間くらいかかるのではという広さで、平均水深も50メートルを超えています。いかに甘やかされているミヤベイワナと言えども、この広さで適当にルアーを垂らして釣れるようなことは無いでしょう。
私「ありがとうございます」
しつこく聞いて嫌な顔をされるのが怖くなった私は、あっさりと切り上げます。
係「ニジマスに竿を持っていかれないように、しっかり固定してね」
この湖にはミヤベイワナだけでなくダムで銀化したヤマメ(ダムサクラ)やニジマス、ウグイなどもいるのだそう。
この日は浅瀬で釣りをしていたとは言え、ルアーを5メートルの水深で引こうとすれば少なくとも15メートルくらいは沈めなければならず、そうすると
「いーち、にーい」
と数えて30秒くらいは沈むのを待たないといけません。
私は生まれつき4以上の数を数えることが難しく、調子が良かったこの日でも7まで数えるうちに意識が朦朧としてきたため、いったいどのくらいの深さを引いているのか全く検討がつかぬまま、8gのスプーンを水中に垂らし、竿をバッグにはさんで沖に出ます。雨に打たれ孤独な釣りに不安を見せる私に、送り出す係員はかすかに笑みを浮かべているように見えました。
手漕ぎボートに乗る経験に乏しいため、ボートを漕ぐこと自体が楽しくなっていると、
「コトコト」
と音を立てて竿が反応しています。ショルダーバッグと体の間にしっかり挟んでいた竿が上手く抜けずにモタモタしましたが、綺麗な魚が上がってきました。
まさかこんなに簡単に、釣り堀のニジマスのようなノリで釣れてしまうとは・・・。
スプーンはNOA8gを使いました。8~14gくらいを揃えておけば問題なさそうです。
湖の色に溶け込みつつ輝くミヤベイワナに見とれつつ、次の魚を狙います。スプーンを落として5~10メートルくらい沈んだかなというくらいで(←適当)ラインを止め、ボートを漕ぎ出すとまたしても釣れました。
いや、青い気もする・・・
いや、やはり・・・
難しい・・・。しかし、美しいのに変わりはございません。
トローリングに疲れたので岸近くでスプーンを投げてみると、今度は銀化したヤマメが釣れました。
この銀化ヤマメを「サクラマス」とここでは呼んでいますが、およそサクラマスと大声でよぶには恥ずかしいサイズです。しかし「尺ヤマメである」と考えれば立派に見えてこないこともありません。
そう思いついた瞬間から、私は「尺ヤマメ」と呼ぶことに決めました。
その後聞くところによると、然別湖のポイントは
- 沖
- 岸際の浅瀬
- その中間の駆け上がり
に別れており、通常はミヤベイワナは沖の深いところに、ニジマスやサクラマスは③の駆け上がりに居ることが多いそうですが、この日はミヤベイワナは全域の浅瀬に、サクラマスは③駆け上がり周辺に多いようでした。
当日地図が渡されますが、船着き場のちょうど対岸あたり(下地図の赤い印)に浅瀬があると認識しておくと良いかと思われます。
サクラマスは7月1日からは1人10匹の持ち帰りが可能でしたが、この日は4人で4匹をキープさせてもらうことに。案内役が見事に用意してくれていたクーラーボックスで持ち帰りました。
お腹を開くと、身は美しいサーモンピンクでした。
さらに胃袋を観察すると見事な緑色で、どうやら緑藻類を主に食べている様子でした。
帰りは午後3時に船着き場に戻る必要があります。1,000円払えば沖から連れ戻してもらえますが、使っていた人はわずかでした。
船の上から陸に戻り、真剣な顔で話し込む釣り人たち。
今後の東アジアの国際情勢についてディスカッションしているのでしょうか。
釣りから上がると船着き場のすぐ横にある「風水」という予想外にしっかりしたホテルで日帰り温泉を楽しむ事ができます。期間限定の「アングラーズパック」に申し込むと宿泊や日帰り温泉を安く利用することが出来ます。
しほろ旅館にてサクラマス飯
しほろ旅館では事前予約と別料金で、持ち帰ったサクラマスを調理してくれます。
サイズ的に塩焼きにするのは難しいとのことで唐揚げになると言われ
「サクラマスを唐揚げだと?」
「なんと、風情のないことよ」
などと文句を言っていましたが、唐揚げと醤油漬けの美味さにぐぅの音も出ず、ひたすら調理場に向かって頭を下げる我々でした。
しほろ旅館さん、失礼を申し上げてしまいすみませんでした。しほろ旅館さんの情報はこちらです。
良いお宿ですので、皆様も是非ご利用ください。