ウグイと小さなニジマスで盛り上がっただけの我々は、少し場所を変えて標津川に入りました。
目次(スクロールします)
標津川から
アクセス | 中標津から20分 |
---|---|
対象魚 | ニジマス,サクラマス,ヤマメ |
遊漁券 | なし |
管轄漁協 | なし |
入渓のしやすさ | ★★★★★ |
歩きやすさ | ★★★☆☆ 河原が少なく水中を移動することになるので、真夏以外はウェットウェーディングでは寒いかも |
魚の量 | ★★★★★ |
魚のサイズ | 私が行った時には最大40~50cmくらいのサクラマスがうじゃうじゃ居ました |
怖がりの我々は2人は熊を遠ざけようと
「おえぇ~~~~~い!」
「ピッチャーびびってる~!」
などと、出しうる限り最大ボリュームの声で叫びながら川に入ると、川沿いに男性二人組の姿が見えました。どうやら先に釣りをしていたようです。
場所がかぶってしまったことよりも、熊を恐れて大声で叫んでいるところを見られたことに恥じ入りながらも、何事もなかったかのように、いつもよりキリッとした雰囲気で声をかけます。
私「何を狙ってるんですか?」
彼ら「サクラマスです」
笑顔で「サクラマス」と回答されたことに狼狽してしまいました。というのも、本州の方はご存じない方も多いかと思いますが、北海道の河川ではサクラマスを含めてシロザケ・カラフトマスなどのサケ・マスを釣り上げることが違法とされています。
具体的にはこちらのページに記載していますが、サクラマスを狙って釣った場合にはリリースしたとしても違法とされる可能性があるので、彼らが堂々と「サクラマスを狙ってます」と回答したことには驚きました。
しかし実際にはニジマスを狙っていてサクラマスが釣れることもあります(阿寒川でサクラマスが釣れた記録)し、また捉え方を変えればサクラマスを「狙っていなければ」犯罪が成立しないなど、アホみたいな法律になっています。
そんな法律が機能していないのをうまく活用して、このように堂々とサクラマスを狙っている人達が後を絶たないのでしょう。従って私の個人統計ですが、トラウト釣りをする北海道の人に「川で釣ったサクラマスの写真を見せてくださいよ」と言えば、10人のうち8人はスマホの中にサクラマスとの記念写真を忍ばせています。
さて、川に目を凝らせば確かに、大きな魚が10匹くらいの群れをなして泳いでいます。
そんな群れが、50メートルの範囲でざっと10くらいは有りそうでした。つまり100メートル範囲で100匹か、もしくはもっと多くのサクラマスが蠢いていたのでは無いでしょうか。
しかしサクラマスが居るから、釣れることを恐れて釣りをやめるなど有りえません。本音で言ってもターゲットは大きいニジマスなので、ニジマス狙いで(どうすれば釣り分けられるのかは不明)ルアーを投げていきます。
「ドラグは締めて、アワセを強く入れるように」と先程のポイントで受けた指示を頭に入れてルアーを投げ続けると、たまに群れているサクラマスらしき魚がルアーに反応しますが、食ってはきません。
しかし大きな魚が居ることはわかっているので、ドキドキが止まりません。
そのうちに茂みの下に深場が出来ている、まさに一級ポイントと言える場所に到着しました。思いの外上手くできたキャストに驚きながらスプーンを引いてくると、「ぐん」という重みがロッドに伝わってきました。
その瞬間に同行者からの「アワセが弱いのでは」という指摘を巧みに思い出し、しっかりと口の奥まで針が入るように、締まったドラグで力いっぱいアワセを入れると・・・。完璧にフッキング出来たようです。
アワセが決まったは良いものの、魚は身動きをしません。
根がかりを思わせるような大物かと思いましたが、ただの根がかりでした。
どうやら川底に潜んでいた木の根っこに全力フッキングをカマしてしまったようです。
お父さん、お母さんからの「人の意見にしっかり耳を傾けて生きていくのよ、ニート」という金言を取り入れた結果が、これです。どういうことなのでしょうか。
* * *
その後諦めずにスプーンを投げ続けていると、ニジマスが掛かりました。
ドタバタのネットランディングを御覧ください。
一度ネットに入れておいて、逃げられるということなどあるのでしょうか。
大物に見えるでしょうか。
実はネットが小さいだけで、ニジマスのサイズは40センチもありませんでした。
エラ蓋に生々しい傷がありますが、鳥か何かから攻撃を受けた跡でしょうか?
よく引いてくれるニジマスが釣れたことで嬉しかったのでしょう、調子に乗ってツイッターに投稿しています。
本日はニジマスが釣れました。もっと大きな魚をバラした気もしますし、木の根っこに全力フッキングをかました気もしますが、どれも気のせいでしょう。釣りの反省などあの世に持ち越しです。 pic.twitter.com/x2mmsH8BwT
— 釣れないニートの渓流釣りとほほ録 (@tsurenai_neet) July 24, 2021
調子に乗って「釣りに関する反省など死ぬまで俺はしないぜ」とロック調で言い切っており、恐ろしいです。
標津川 栗巣畜産さん近く
夕方は先程のポイントからやや場所を変えます。
満足できるニジマスを釣り上げたはずでしたが、釣り人とは欲深いものでさらなる大物を目当てにルアーを投げ入れます。
とても雰囲気の良い河川から、ヤマメが釣れました。
「ルアーと同じくらいのサイズの魚が釣れた」と自虐的に表現することがありますが、本当にルアーと同じサイズのヤマメが口に針を掛けて上がってきたことは初めてで、ある意味感動してしまいました。
その後、もう少しだけ大きなヤマメが釣れて2日目の釣りを終えました。
2日目の宿はマルワホテル
前日に投宿した便所の延長のような地獄の宿を飛び出し、別のホテルに移動してきました。
中標津の宿はネット上に情報が少ないためきっちり吟味できずに宿を選んでしまったのですが、到着すると必要以上に激安を押しており、宿泊者の不安感を煽ります。
そういえば一泊で3,150円だったので、その時点で怪しむべきだったのかもしれません。
案内されたのが「旧館」であることにも不安を感じながら建物に入ってみると、想像以上に綺麗で驚きます。
トイレも前日のボットン便所とは大違いです。
ほっとしながら部屋のある二階に上がってみると、見に覚えのある異臭が鼻を指します。
なんと前日と全く同じ、雑巾をさらに蒸したような匂いが漂ってきます。
中標津の安宿ではどこも同じ匂いがするのでしょうか。
口呼吸で廊下を探索してみると、匂いの根源らしきものの正体に出会いました。
廊下に大量の布が干されていますが、真夏で湿度も高く、生乾きの匂いを放出している様子。
部屋には生乾きとはまた異なる、やや鼻につく匂いが残っていましたが、友人の家だと思えば耐えられる程度でした。
網戸は美しくスリットが入っており、機能していません。
とはいえ3,150円のコストパフォーマンスで言えば最悪では無いと思い、この宿に泊まり続けることになりました。
俣落川 母と子の家近く
アクセス | 中標津から15分 |
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対象魚 | ニジマス、ヤマメ、ウグイ、サクラマス(釣り禁止) |
遊漁券 | なし |
管轄漁協 | なし |
入渓のしやすさ | ★★★★☆ 夏場は少し藪をこぎます |
歩きやすさ | ★★★★☆ |
魚の量 | ★★★★★ |
魚のサイズ | 最大60cmほどのニジマスを見かけました |
3日目もこれまで同様に最高気温29度前後の猛暑が続いており、朝一番でも水温は17度ほど。
しかし前日に60センチ近い大きなニジマスの姿を見てしまったため、またもこの川に入りました。
そのニジマスを見たのは入渓点から上流に100mほど上流の連続する2つの淵で、このポイント前後では唯一と言って良いほどの優良ポイントです。
まずは私が下流へ向かい、その後上流に向かって2人で大きなニジマスを見たポイントを攻めようと約束して釣りをスタートします。
下流側の深場でルアーを投げると、ヤマメが釣れました。
お腹も大きく、可愛らしいヤマメです。
さらに小さなニジマスを釣り上げた私は、同行者が先に大きなニジマスが居たポイントを叩いてしまわないよう、そそくさと上流に歩みを向けます。
あれ、おかしいな・・・。
どんどん上流に向かっていくのですが、同行者の姿が見当たりません。
角を曲がれども曲がれども彼の姿は無く、どこかで気付かず追い越してしまったかと思いながら、問題の淵にたどり着きました。
すでに淵にルアーを投じているではないですか。
「一緒に攻めような」という俺たちの約束は?!
「一応、5分くらい待ったんやけどな」
という言い訳だけ上手に組み込み、彼はヘラヘラ笑っていました。昨日よりも気持ちが焦って早めに上流に到着してしまい、ポイントを目の前にしてルアーを投げるという手の動きを動作を我慢できなくなったのでしょう。
結局この周辺で唯一のポイントを潰されて意気消沈した私は、別の場所へ移動することを提案しました。