滋賀県湖西の漁協が無い河川で天然アマゴ・イワナを探す

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4年前にイワナを釣りあげた滋賀県の漁協がない河川について、釣り人や研究者から

「ここ数年でイワナが釣れなくなった」
「絶滅した可能性もある」

と言う意見を立て続けに頂いたので、生息調査に川に入りました。

毛針を浮かべると、早速魚が食ってきました。

アブラハヤです。

こんな釣果の写真を撮影しているということは、私にとってこの日これ以上の釣果が無いことを既に予感していたということでしょう。己の先見の明に脱帽です。

夕方、SNSでアブラハヤが釣れたと書き込むと

「それはタカハヤでは?」
「どう見てもタカハヤですね」

と、多くの方からご指摘を頂きました。渓流釣りをスタートして20年が経過しますが、未だにアブラハヤとタカハヤの違いがわからないこと以上に、SNS上で魚種の同定を誤ると魚に自らのアイデンティティ預けてるマン(必ず男性)の格好の餌食になることを忘れていたことが最大の反省です。

私もSNSで魚種の間違いを偉そうに指摘したことがあるので自覚していますが、間違いを指摘することで多大なカタルシスを得ることが出来ます。

なので、今後も彼らに幸福感を味わっていただくために魚の名前だけは、過たず間違え続けようという想いを新たにしました。

 

* * *

 

さて、釣りでは目当ての魚に出会えないことが明確になってきたので、水中カメラでイワナを探します。

2時間ほどめぼしい深みに水中カメラを突っ込んで映像を確認し続けますが、アブラハヤ(!)が映るばかりで鱒らしい魚体は全く確認出来ませんでした。

暑さが増してきたのでイワナ探しを諦めて、昼食にします。たまたま入った飲食店のお客さんが僕だけだったので、カウンターでパソコンを開いて先程の映像を確認します。小さなgoproの画面では鱒を見つけられませんでしたが、大画面なら見つかるかもしれません。

少し会話を交わしたところ、どうやら店主さんも渓流釣り愛好家のようで彼もまた漁協が放流していないエリアの渓魚を釣るという私と同じ趣味を持つ方でした。

しかし私が今回調査した河川では釣りをしたことが無いらしく、そこにイワナやアマゴが居るのかどうか興味を持っておられました。私が撮影した動画をパソコンで確認していると

店主「どうですか?居ますか?」

と食事の準備そっちのけで質問してこられますが、もし映像に鱒が映っていたとしても、見ず知らずの方にうっかり教えるわけにはいきません。だって私はこの釣り場を有料記事で販売しており、生活がかかっていますから。彼だっていきなり訪れた私に料理のレシピを大公開するほどのお人好しでは無いでしょう。

私「いいえ、魚は映り込んでいますがアブラハヤばかりです」

もし映像でイワナやアマゴが確認出来たとしても、表情一つ動かさずに

「やはりこの川には居ないようですね・・・。」

と彼に愚痴のようにこぼすシミュレーションをしながら映像を凝視し続けていると、一匹だけ周囲と違う模様の魚が目に止まりました。

 

 

私「あ~~!!居た~!!!」

と叫びながら、感動のあまり机に突っ伏していました。

・・・。

10秒前まで反復していた決心はどこへ行ったのでしょうか。

 

店主「そうですか・・・。イワナがあの川に居るんですね・・・。」

店主さんも遠い目をして喜んでおられます。

正気に返った私は、この河川にいかにイワナが少なく、かつ歩きにくくて釣りに向かないかを力説することで彼の足が川に向かわないようにと必死に弁解しましたが、時すでに遅し。

店主のその眼つきは先程より明らかに鋭く輝いていました。

 

* * *

 

続いて、滋賀県の別の漁協が無い河川へと向かいます。

花崗岩に覆われた河川で水の透明度が高く、魚が動けばその姿を見つけやすそうです。

 

先程は水中カメラで魚をかろうじて発見するという、釣り人としては敗北に近い方法で魚を発見しましたが、今回は私の自慢の竿(?)にて結果を出したいと思います。

白くて小さな毛針を浮かべると、白い背景と相まって毛針がどこを流れているのか、そして魚が食べているのか居ないのかよく見えません。であれば黒い毛針にすれば良さそうなものですが、白い毛針で釣れたことがあるという過去の小さな成功体験にしがみついてしまいます。

30分ほど釣り続けてようやく魚が食いついてきましたが、久々の魚の感触に圧倒されてうまく針にかけることが出来ず、水中に落としてしまいました。

しかし私の釣りなど所詮こんなものなので、これくらいのミスは織り込み済みです。肩から毛が生えるような年齢にもなれば、自分の実力は自ずと把握できます。

特にその後何かを改善したわけではありませんが、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる方式で美しいアマゴが釣れました。

 

滋賀湖西の無漁協河川でアマゴ釣り

 

白い景観に合わせて魚も白くなっています。

 

滋賀湖西の無漁協河川でアマゴ釣り

パーマークは極めて小さくて丸く、その美しさはもはや魚ではなく宝石の類では無いでしょうか。

この場所での下手な釣りを短い動画にして公開しました。

 

ところで今日は最高33度という暑さですが、それほど暑さを感じません。空が曇っていて、足が水に浸かっていて、かつ魚釣りさえ出来ていれば、案外気温が高くても過ごせてしまうものです。

この1ヶ月ほど、気温30度を越える中で一生懸命渓流釣りをしている人たちを

「御苦労なことで」

と冷ややかに見ることで勝った気分になっていましたが、本当は曇りの日を目ざとく見つけて釣りに行っておいた方が良かったのでは無いかと今更ながら後悔しました。

 

* * *

 

夜は一泊5,000円もしないような安宿で過ごします。

1年ほど前まではこの宿も客をほとんど見かけないほど空いていましたが、今では外国人や大学生らしき小僧達を中心に、大いに賑わっています。

リビングでシーフードのカップヌードル一つを抱えてズルズルやっていると、イケイケの外国人たちが集まってきました。欧米仕込みの彼らは(当たり前)所構わずいろんな人に声を掛けてはコミュニケーションを図ろうとするタイプが混じっていたので、声をかけられたらどうしようと恐怖に打ち震え、音のしないイヤホンを耳に突っ込んでやり過ごします。

室内には私ともう一人の個人客の日本人と、あとは欧米系の若い男女が10人ほど集まってきました。欧米軍団はそれぞれが普通に会話しているようだったので友人同志で来日したのかと思っていましたが、どうやら彼らは別の集団としてオーストラリアやスペインやイギリスから来日し、この宿で会話をして仲良くなったようです。

非日常感も相まっているのか、彼らのご機嫌は西成や山谷の職安の前でワンカップ片手に夢見心地の酔っぱらいをも凌ぐ勢いです。

私はすぐにでもこの場を去りたい気持ちでしたが椅子に座ってパソコン作業が出来るスペースがこのリビングだけなので、半分イヤホンを外して彼らの会話を聞きながらパソコンに夢中なヲタクを装います。

彼らの中に一人だけ若い日本人男性が混じっていましたが、彼は私と同じレベルで英語がわからないにも関わらず、ほとんど意味不明な日本語と英語で欧米人達と渡り合っています。終いには

「君たち。ここは日本なのだから、これからは英語ではなく日本語で会話したまえ。さぁどうぞ。」

「はい、何かしゃべって!」

と、日本語がわかるかわからないかとは別の次元で無茶な切り込み方をしています。

謙虚で控えめな国民とはおよそ思えない同胞の大立ち回りを心強く見守りながら、1日目を終えました。

 

* * *

 

翌日は別の漁協が無い河川に入りました。

非常に小さな河川で、源流の標高も低いのであまり期待していませんでしたが、帰宅して動画を映像を確認するとイワナが映り込んでいました。

 

水温を測ると午前中でも24度ほどあり、また堰堤も多く存在しているので、鱒が生息するには過酷すぎるだろうと思いましたが、そんなところでもちゃっかり生き永らえていました。

イワナやアマゴと言うと繊細ですぐに絶滅してしまうような印象を持っていますが、もしかすると人間が死に絶えた後にも、大きく地形を変えてしまった地球の涼しいところを見つけては、なんとか生き延びているのかもしれません。

 

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【毛針】サイズは14番くらいを使っています

 

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チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。

【提灯毛針釣り】初心者でも渓流でヤマメが釣れる!釣れない男推奨の最強メソッド

チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。

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