法楽寺町の負動産見学と秘境・谷口の集落散策【24年11月湖北②】

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ビワマス産卵観察・被差別部落映画鑑賞からの続きです。なぜ法楽寺町という住宅地に見える空き地が出来てしまったのかを妄想してみました。

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恐らくバブル当時の不動産デベロッパーは

「自宅から素晴らしい羨望が望めます」
「アメリカでは貧民は駅近に、富裕層は丘=ヒルズに住むのですよ」

などと、法楽寺町というほぼ何の値打ちも無いだけの何も無い斜面に幻想を上乗せすれば高く売ることができることに気づいてしまったのでしょう。

 

「今はこの価格で購入できますが、数年もすれば手が届かなくなるでしょう」
「私も買えるものなら買いたいです。あぁ、奥様が羨ましい!!」

 

と千両役者が売りまくった土地は今でも、当時の面影を残すバブルの冷たい風を浴びた物件が残っています。

バブル前にはこのような都市開発があちこちで行われていたようで、例えば神戸のすみよし台の物件では、庭からの大阪湾ビューをPRすることで立地のハンデを覆い隠そうとしています。

すみよし台の1.2億円の中古豪邸。スーモより引用

 

しかし駅もコンビニも無いのに見晴らしだけがある家など不便でしかなく、住吉駅前の土地が30年で50%値上がりしている一方、こちらは30年で半額以下になっています。

すみよし台の地価
「土地価格ドットコム」より引用

 

さて滋賀県長浜市の法楽寺町はと言うと、ここは滋賀で最も標高が高い伊吹山の麓にあるので、冬は日本海の水分を含んだシベリアからの冷たい風をまともに受けるので雪もよく降ることでしょう。

それゆえ「伊吹寒冷ニュータウン」「でぃすとぴあ法楽寺町」と呼ぶことも出来るかもしれませんが、マーケッターは「浅井高原」という見事な名前を付与されました。

マイナーな土地過ぎて地価の推移データは出てきませんでしたが、状況は神戸すみよし台と同じようなものでしょう。

かつて滋賀の若妻達が憧れた(?)浅井高原を2024年に実際に散歩してみると半分ほどは何も建っていない雑草エリアで、逆にノスタルジックといえる風情を醸し出しています。

Googleストリートビューより引用

 

不動産売買のサイトを見てみると、180平米の土地が10万円で売りに出ており「タダでも良いから引き取ってほしい」というオーナーの声が聞こえてきます。

法楽寺町の土地
アットホームより引用

 

駅まで徒歩120分ほどのようですが、メーターを振り切っているので99分表記になっているのも見ものです。駅までの道のりが野麦峠のような過酷な通勤になってしまっています。

一度も家が建っていないのではと思われるエリアも目立っており、土地の購入者は住むことは想定せずに値上がりを期待して土地を買ってしまったのでしょう。当時の素人不動産投資家達の夢の跡が見たいという方は是非とも訪れてみてください。

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谷口町の地域おこし

地域散策にノッてきた我々は、続いて友永さんに「谷口」というエリアをご案内頂きました。ここは長浜の北西部に位置する山間の集落ですが、立派な家屋と蔵が立ち並ぶ、かつての街道沿いを思わせる風景が広がっていました。

 

 

それでいて店も宿も1軒も無いため、よくある旧街道を観光地化した雰囲気は皆無です。

今となってはこのような町並みは補助金で強引に保存させている取ってつけたような宿場町くらいでしかお目にかかれないのでは無いでしょうか。

とはいえ谷口の建物も老朽化と居住者の高齢化には抗えないので、20年もすれば家屋を維持できる世代が去ったこの街はゴーストタウンに近い状態かもしれません。

 

なので私、考えました。

やはり外部から集客することで地域を活性化し、家屋の保存に結びつけないといけません。集客のために、谷口町の空き家で何か売りましょう。

まず、商売はストーリーです(きっと)。

この上流の石田神社は関ヶ原合戦に敗れた石田三成を匿ったことにちなんだ神社のようなので(三成は逃走時にここを通っていない説が有力のようですが無視)、三成にちなんだものを販売します。

三成は処刑される前に「お腹をくだす」という理由で柿を拒んだというエピソードが有名なので、柿のフレーバーがする焼き菓子にしましょう。生菓子や和菓子と違って保存が効き、ドーナツやたい焼きのように1個200円以下という相場も形成されていないので好きに価格設定しやすいマフィンやスコーンなんてどうでしょうか。

柿は気持ち程度入っていれば十分で、お菓子の頭に柿の形の何かを置いておけば良いのです。お客さんは味ではなく、訪れる理由を買いに来ているのですから。

また、製造については機械や人件費のことを考えると自社で作るのではなく、軌道に乗るまでは周囲のお菓子屋に製造を委託する方法が良いでしょう。

「地域おこしのため」
「町並みを保存したいのです」

というスローガンを打ち立てれば協力してくれるお店も現れるはずです。

お菓子を売ってそれで終わりかって?もちろん違います。

お菓子はお客様と谷口を結ぶきっかけの商品でしか無く、ご希望の方には谷口地域の町並みを無料でご案内させて頂きます。

令和版の生活保護とも言える「地域おこし協力隊」員の多くは時間を持て余しているか価値の無い業務に邁進しているかのどちらかなので、彼らを無料で借りてきて旧街道の歴史や暮らしを説明させ、さらにご希望の方には空き家をご案内いたします。

「この空き家、今なら100万円で購入できますが来年には高騰しているでしょうね・・・。」

 

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今回は思いがけず街ブラ旅になってしまいましたが、次回はビワマスの姿を見つけたいと思います。

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