三重の友人である今田くん(仮)と、三重県内の渓流でアマゴを探しつつ、街でグルメを堪能する予定です。
三重県のこの河川は漁協の管轄外ですが、現地に看板も無いので漁協に電話した所
「そこは放流もしてないから、好きに釣って良いよ」
と言われたという、かなり珍しい部類のポイントに入ります。
河川に入って友人がルアーを投げると、早速魚を釣り上げています。彼は知能、運動能力、外見、人望、家柄の全ての値で私を上回る上に、ほとんど経験が無い渓流釣りでも私より圧倒的な釣果を上げるという鼻持ちならない人間です。
そんな彼がこの日も何やら魚を掛けていますが、カワムツでした。少し赤く色づいて綺麗です。
よく見たら綺麗やな・・・。
自分が釣ったのがカワムツだと露骨に不機嫌になってしまいますが、友人が釣ったものであればアマゴであろうがカワムツであろうがどっちでも良いので、カワムツの色づき方を楽しむ余裕があります。というか率直に申し上げて、大きいアマゴを見せつけられることと比べると圧倒的な喜びがあります。
その後もカワムツばかりが釣れましたが、その後私と友人が一匹ずつアマゴを釣り上げました。放流がされていないとのことなので、天然アマゴという可能性も高いのでしょうか。
友人が釣ったアマゴより私の方が、少しだけ大きい・・・。
普段釣れた魚のサイズを自慢する釣り人を下等な人間として明確に見下しており、釣れた魚の大きさではなく、景色や食いつき方までを含めた美しさを大切にしていますが、本日に限ってこの党派からは離脱させて頂きます。
元々釣りの楽しさは狩猟本能に根ざしており、大きな魚を釣り上げることは自分や仲間の生存に影響するので、大物が釣れることが快楽になることは当然、つまり私の勝ちなのです。
と言って数グラムの差が快楽になるのかは全く疑問ですが、そんなことは気にせず釣りの後の美味しいビールで洗い流してしまいました。
* * *
三重県内の市街地まで移動して食事にします。三重で肉と言うと一般的には牛のイメージですが、実は鳥を食べる文化が根付いている地域なのだそうです。友人が人脈を活かして紹介された鳥料理屋さんに入ります。
清潔な感じの店内ですが、周囲を見てみると
- 金髪ネックレスの中年男性
- やはり髪色が明るい女性
- 将来同じような風体になることが確定した子どもたち
を中心にした客層で、私が好むタイプの民度のお店です。「下衆い客達だな」などと思っていましたが、一方で終始金の話しかしていない我々が私と今田くんこそ最も低い層に位置していたのは間違いなさそうです。「自己責任」で出して頂いた生肉に予定通りにお腹を痛めつつつ、二軒目でバーに移動します。
今回三重県から先の地名を厳密に伏せている理由は、このバーで見聞きしたことがあまりに衝撃的だったためヒントを何一つ書けないからです。友人と二人でしっぽり飲もうと入った店内で、50代か60代かのマスターが唐突に
「二人は女性を口説いてますか?」
と問いかけてきました。「我々ももう歳なので」と適当に流そうとすると
「年齢というのはね、相手が決めるものだよ」
と真剣な口調で諭してきました。さらに彼は
「今21歳と26歳の彼女と付き合ってるんだけど」
と衝撃的な話を続け、その証拠とばかりに若い美人と仲良く写っている写真を見せてきました。
彼は最近になってこのような活動をし始めたのではなく、結婚している現在もその前も女性に対する強すぎる執着心を持ち続けている様子。すると相当のSEX依存症かと思いきや「性器に臭いがある場合は一切受け付けません。帰ります」という容赦無さも持ち合わせていました。写真の中に居る彼も目の前に居る彼もいわゆるイケオジという感じではなく、パリっとした服を着ただけの、トークが軽妙なだけの普通のおじさんです。
嘘か真か、どえらい店に入ってしまったものだ・・・。
どこでどう間違えたのかなとお店のクチコミを見ると女性ネタしか話さないマスターというわけでは無いようです。そして彼はバーテンダーとしても有能なようで、私が適当に「友人と同じお酒で」と言うと
「お客様はきっとこのウイスキーは好まれないはずです。グレンリベット12年のハイボールでどうでしょうか?」と、的確なヒアリングから私の好きなお酒をチョイスしてくれています。
では彼がどのように女性を口説き続けているのかと言うと、彼はとある素敵なお店の常連で、つべこべ言わずにそのお店に連れて行ってご馳走した後・・・二人でホテルに居るということが「よく有る」のだとか。大事なプロセスが全くわかりませんでしたが、彼の女性を口説くノウハウには確かに驚くべき深さがあるようで、そのお店でご馳走をする以外にプレゼントやらでお金を女性に使って口説くことは「絶対にしないようにしている」という謎の矜持まで披露して頂きました。
会話が途切れた時、彼が唐突に
「あれは参ったな・・・。本当に驚いた」
と呟いています。何に驚いたのかと言うと、先程の彼女の1人とは食事の後でホテルに移動するという流れにしていたところ、彼女から
「先にホテルに行くのはどう?」
と提案されたのだとか。彼が最終の電車の時間を気にしながらSEXをするというのは彼女にとって耐え難いものだったらしく、それなら思う存分・・・ということで先の提案になったのだとか。
「さすがの私も驚きましたね・・・」と言っていますが、驚くべきことは他にもっとあるのでは無いでしょうか。さらに会話が途切れた所で
「あれも驚いたな・・・。うん、驚いた・・・。」
と呟き始めました。どうやら過去の女性の1人から
「SEXの映像を撮影して二人で楽しもう」
と提案されたのだとか。もはや人間に不可能など無いのかと思いつつ話を聞いてみると
「見ますか?」
と言い出しました。何の話かと思っているとその映像を見せてくれるのだそうで、唐突にバーテンダー自身が出演するSEX映像の上映会が始まりました。彼にはは不可能だけでなく羞恥心すらも無いようです。映像を第三者に観せることを前提にしていない様子で、ベッド脇に固定されたカメラからは普通の男女がベッドでダラダラしながら徐々にSEXに溺れていく様子が克明に映されています。
「男性が女性を気持ちよくするには一定のテンポで、長く」という結論に至ったというマスターの言葉通り、ダルダルにたるんだ男性の尻が一定のリズムで揺れるのを見ながら飲むウイスキーはなかなか進まない・・・かと思いきや、至近距離で画面を凝視しながらグビグビと飲み干し、楽しい時間を過ごしてしまいました。
今思い返してみてもあのバーでの時間は現実だったのか、幻だったのか・・・。今更ですが、旅に出ると色んな衝撃が待ち構えているものです。













