奈良県の遊漁料無料の河川でアマゴを釣った翌日は三重県の河川に入りました。
雲出川支流平倉川より
アクセス | 津市・伊勢市から1.5時間 名張市から1時間、 |
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対象魚 | アマゴ |
入渓のしやすさ | ★★★★★ |
歩きやすさ | ★★★★★ |
魚の量 | ★★★☆☆ |
魚のサイズ | 15㎝前後 |
平倉川の源流域は三重大学演習林の敷地になっていて立ち入ることが出来なかったので、その手前にある支流に入りました。
水温を測ってみると、朝8時にも関わらずトラウトの適水温である15度を大きく上回り、20度もあります。日中の水温を考えるとアマゴは棲息できないかもしれません。
しかし雰囲気的にはイワナが好みそうな環境なので、まかり間違ってイワナが居るかもしれません。
毛針を落とすと、魚が吸い込むように毛針を水中に引きずり込みました。
アブラハヤです。
彼らはアマゴやイワナのように水面に飛び出して毛針を食うことはほとんど無いように思います。
こぼれるほど注がれた日本酒に対して口を尖らせてチューチューと吸い込むのと逆の状況で、彼は顔を水面から全く出さずに毛針を見事に吸い込んでくれました。
水中カメラでのぞくと予想に反してアマゴの姿が映っていましたが、アマゴの方はどうにも毛針に食いついてくれません。
今日の天気予報では昼前から雨が降る予報だったので、うっかり山深くに入ってしまう前に一匹だけでも鱒を釣っておきたいなと焦りながら進みますが、やはり日本酒チュー魚しか釣れません。
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小さな支流なので両側が切り立っており、朝10時になっても夜明けのように暗い状況に少し怖くなってきた頃に雨が降ってきました。雨具を着てゆっくり車まで戻ろうかと思いましたが、レインウェアを車に忘れてきたようです。
今日は雨が降ることを見越して全ての計画を立てていたのに、車から出る瞬間には釣りのことしか考えられず、釣りに必要なものだけを抱えて車を飛び出したんだな俺は。
真夏なので突発的な大雨になる可能性も高いと考え、急ぎ足で車に戻ります。やがて雨足は強くなり、大きな杉の木の下でも雨宿りにならないくらいに大きな雨粒が落ちてきました。競歩のリズムで車に戻り、ドアに荷物を挟みながら転がるように車内に滑り込みます。
車内で5分ほど待機すると釣りができないほどの豪雨では無くなったので、レインウェアを着て再度釣りに向かいます。現場に着いた警察官のように勇ましい顔つきで車から出た途端、先程までの雨は嘘のように完全に止み、さらに晴れ間がさして来ました。
いったい何のためにレインウェアを着たのか?なんだったら、レインウェアを持ってきた意味はなかったのではないか?
どうにも計画的に動けない自分に苛立ちながら、着込んだレインウェアをそっとカバンに仕舞って釣りを再開します。
手のひらを返したような快晴を祝うかのように飛び回っている虫達を見ているのか、毛針を浮かべるとアマゴが飛びついてきました。しかし、しっかり針にかかりません。
10回ほど空振りをした後、
「もう少し鋭く竿を上げてアワせてみよう」
と思い立って早くアワせたところ、竿の動きが大きくなり過ぎて頭上の枝に毛針が掛かってしまいました。
竿を振ればすぐに毛針が外れるかと思いましたが、よく見ると枝にしっかりフッキングしています。
アマゴには刺さらないのに枝には一発で掛かる針というのは、どういう企みを密かに抱えてこの世に舞い降りたのでしょうか。それが達成されたのかどうかわかりませんが、毛針を枝から外すことは出来ず、残念ながら木の一部になってしまいました。
その後も10回以上の空振りを繰り返しましたが何とか一匹だけアマゴを釣り上げることが出来ました。
もう少し早く「針先を研ぐ」という当たり前の対処をしていれば、もっとたくさんの魚が釣れたかもしれません。
帰りは名張にあるデリデリというお店でハンバーガーを頂き、2日間の奈良三重遠征が終了しました。
ドリンクは注文せず、お水で誤魔化す癖は高校生の時から変わっていません。
30代も後半という年齢ですが上手にポテトを食べられず、地面に2つも落としてしまったことが悔やまれます。