友人にイトウを見せつけられた翌日は石狩川の支流へと向かいました。
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留辺志部川
駐車スペースの横にはかつてここが渡船場であったことを示す碑がありました。
今はそれほど大きな河川ではありませんが、当時は水量が多かったのでしょうか。
美しい川沿いを電車が走る素晴らしい光景です。
同行者との初日は彼に大きなニジマスを二匹見せられ、そして前日も大きなイトウを釣られて立場が無い私ですが、かろうじてそのメンツを保とうと、同行者の釣り方を偏光グラスの影から横目でこっそり覗きます。
すると、彼がスプーンをやや下流に向けて引いている(ダウンクロスというらしい)でニジマスを釣り上げたのを発見しました。
彼の前に回り込んでその釣り方を真似したところ、ニジマス釣れました。
ありがとうな、隣の人よ。
と隣を見ると、私が魚を撮影しているスキに上流に回り込んでいた同行者はルアーを枝に引っ掛けているようでした。
これはチャンスです。
彼がもたついているスキに早足で上流に駆け上がってスプーンを投げると、少し立派なニジマスが釣れました。
それほど大きなニジマスでは無いのですが私が知っている12センチのヤマメとは引きの強さが桁違いで、ネットに入れたときには大興奮で膝が震えているのを感じました。
50センチオーバーならまだしも、過去に10回以上北海道で釣りをして、35センチのニジマスで膝を震わせられるのはこの国でも私くらいなのではないでしょうか。
ところでニジマスは古来から日本に居たわけではないいわゆる「外来種」ですが、近年では漁師さんや生物系の研究者が利害を一致させて、外来種を敵扱いすることが流行しているようです。
外来種を敵として扱うことで研究テーマを得ている研究者は、外来種がこの国から消えてしまえば研究者としての地位も研究費の調達ネタも失ってしまうので、飯の種である外来種の繁栄を誰よりも願っているのかもしれません(私なら養殖して積極的に放流するかも)。
一方のニジマスは、生物を在来種と外来種に分けて神のポジションをとって自己確認したり、研究費を確保したりしません。
在来種気取りのヒトより、外来種の方が私は好きです。
ニセイチャロマップ川・層雲峡支流ダム上から
昼からはニセイチャロマップ川に入りました。
ここは3万年前に大雪山が噴火してマグマが流れ込み、その後冷え固まって縦長のカクカクした岩が現れ、さらに石狩川で削り取られて独特の風景を生んだ場所だそうです。
縦長の岩に囲まれた河川に入ってルアーを投げ続けますが、全く魚の反応がありません。
ここには魚が居ないのかもしれないとカメラを沈めてみると、ニジマスとイワナが機嫌良く泳いでいる姿が見えました。
しかもイワナは瀬にも出ているので活性が低いわけでは無さそうで、単純に我々の実力不足ということがはっきりしてしまいました。
裏技的に魚の存在を確認した我々が意気込んで釣りを続けていると、ようやく魚が釣れました。
もう二度と魚は釣れないかもという気持ちとわずかな優越感に浸りながら必死に魚の写真撮ってると、前方で同行者が何度も竿をしならせてはしゃがみこでいます。
優越感を奪われて彼の足元を見ると、僅かな時間の間で大量のイワナを入れていました。
いつの間にこんなに溜め込んだのか・・・。
私がついに釣り上げたとはしゃいでいたオショロコマですが、実は非常に簡単に釣れるのだそうです。
今回の旅では大きなニジマスを釣ることを目標にオホーツクまでやってきた我々ですが、その後も日が暮れるまで一生懸命、大きくもなければ引きもしないオショロコマと戯れました。
宿は北見のホテルクラウンヒルズ
北見の中心地にアクセスが良く値段も安かったのでホテルクラウンヒルズ北見に宿泊しました。安いビジネスホテルなので特段期待していませんでしたが、安宿の常連である私にしてはまともな感じのビジネスホテルです。
朝食は無料で品数が多そうで、さらに夜は無料でお茶漬けも食べられるとか。
お茶漬けが好きなわけではありませんが、無料でついてくるとなれば貧乏性としては食べないわけにはいきません。同行者と外で飲み食いしたあとウキウキしながらホテルに戻ると、ロビーに炊飯器が登場しています。
蓋を空けてみるとすでにご飯は空っぽで「お茶漬けはご飯がなくなり次第終了」と書かれていました。そもそも無料である上にご飯をべちゃべちゃにして食べるお茶漬けという食べ方が好きではないはずの私も、あるものと期待していただけにガッカリです。
「みんな、食いすぎやろ」
少しお酒も入って声が大きくなった友人の横で、太った若い女性がもしゃもしゃと、気まずそうにお茶漬けを食べていました。