前日無加川でニジマスとアメマスを釣り上げた我々は最終日に立派なニジマスで締めるべく網走川に入りました。
我々が入った達媚橋周辺は地元の方に言わせれば「釣れないポイントの典型」だったらしいのですが、そんなことも知らずに意気揚々と川に入っていきます(地元の人が勧める網走川のおすすめポイントは有料記事でご紹介しています)。
網走川
どっしりとした流れが太いニジマスを育みそうな予感です。
昨日までと同じように河川にルアーを投げ込んでいくと、時々小さな魚が反応してくれますが針には掛かりません。
飛行機の時間の都合で10時までには空港に行かないといけないので、短時間で結果を出さないといけません。
そんな時、橋脚まわりの深みで小魚が餌を積極的に追いかけているのが見えました。
北海道で大きなニジマスを釣るチャンスがあるのはあと数時間だけなので、こんな小魚にかまっていても仕方がないと理性ではわかります。
しかし、目の前で魚が動いているとどうしても釣りたくなってしまいます。
その結果ミノーを投げ、スプーンを投げ、ついにスピナーまで取り出して小魚を引きずり出してしまいました。
最終日はのるかそるか、大物に絞って釣りをすると心に決めていたのに、気づけばこのありさまです。これまでも自分で決めたことを何一つやり通せない人生でした。
そして6日の北海道遠征の最後の一匹になってしまった小さなニジマスこそ、自分を象徴しているように思います。
他の人に自慢できるような地位も権力も収入も持っていないくせに、独りよがりの小さな幸せを実績に仕立て上げて
「俺は負けてない」
と言い張って来ただけの36年間でした。釣れたニジマスの写真を撮っている私に同行者が声を掛けてきました。
友「お前、あのニジマス・・・釣ったんか・・・。」
その言葉の裏には「あの小さなニジマスに対してわざわざルアーを投げて釣り上げて、そして写真まで撮っているのか」
という侮蔑と驚きの感情がこもっていたことは、彼の口角から漏れ出る笑い声ですぐに理解できました。
私「そろそろ空港に向かいます」
我々は口数少なく車に乗り込み、日常に向かって戻って行くのでした。
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地元の人が勧める網走川のおすすめポイントは有料記事でご紹介しています。
私も事前にポイントを知った状態で網走川に入っていればもう少し何かが違っていたのかもしれないと思う一方、釣り人が私である以上結果は変わらなかったのかな、とも思います。
【ロッド】バス用の安いルアー竿
【リール】2000番のリール
【ライン】PEライン0.6号(無くても大丈夫です)
【ライン(リーダー)】8ポンドのナイロンライン
【ルアー①】シルバークリークミノー50シンキング
【ルアー②】スプーン・pure3.5g
【ルアー③】スプーン・D-Sライン5g