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愛知川支流佐目小谷
愛知川の八風谷で渓流釣りをした翌日は佐目古谷に入りました。
車を停めるスペースから、5分ほど歩いて川に入ります。
背丈よりやや大きい岩が連続しており、越えていくのに体力を要します。
渓流釣りや沢登りに慣れている人ならなんてことは無いのでしょうが、運動音痴で極端に足が短い私には難所と言えます。
昨日も同行者ばかりに釣られて悔しい思いをした私ですが、多くは望みません。本日の目標は
- 岩から落ちて骨折しない
- 竿をへし折らない
この2点に絞っていきたいと思います。
事故はともかく、そんなに釣り竿を折ることなんて無いだろうと思われた読者様、甘いというものです。
私は釣りに3度行けば2度は釣り竿を折るタイプの天然バカで、2020年シーズンは4月時点ですでに2本の竿をへし折っています。
落ち着いて行動することで、竿を守ることが出来るでしょう。
私はこの日もチョウチン毛針釣りで同行者のルアー釣りの邪魔をして行こうと思います。
釣り糸が短いのでトラブルが少ないためチョウチン毛針釣りを推奨している私ですが、どういうわけかしょっちゅうラインがごちゃごちゃになります。
それでも気にせず釣りを続けていると、さらにめちゃくちゃになります。
枝に引っ掛けたルアーを一生懸命はずそうとする同行者の哀れな姿を見て、俺だけじゃないぞと癒やされます。
どんまいどんまいと過剰に励ましながら竿先で絡まった糸に対処していると、勢い余って、やってしまいました。
またもや、竿先を折ってしまいました。
3ヶ月連続3回目、偉業達成です。
竿先が折れただけであればやわらかい系の接着剤でなんとかなります。(←竿を折りすぎて素人にしては詳しくなった)しかし、今回はその後の対処で慌ててしまい、分解した竿をあべこべに入れてしまったため、ひどい固着を起こして竿ごと捨てることになりそうです。
* * *
予備で持ってきていた竿を車に忘れたため、ルアー釣りに切り替えるしかなくなりました。
実はルアーフィッシング歴20年以上のベテランである私ですが、投げ方は
- 上から普通に投げる
- ブラブラさせて下から投げる
の2種類しか出来ません。
こんな感じで釣れるのでしょうか。
佐目小谷は大岩が連続する地域を過ぎると(釣りをせずに歩けば最初の入渓点から30分くらい?)驚くほど平坦な川になります。
この雰囲気であれば、2つの投げ方でもなんとかなりそうです。
スピナーでイワナが釣れました。
スピナーがこんなにゆっくり引いてこれるなんて知りませんでした。とても便利です(糸がよれるので使いたがらない釣り人も多いとか)。
* * *
姿を見かけるもののなかなか釣れない魚を追いかけて、どんどんどんどん上流にやってきました。
釣り人の足跡やら木に引っ掛けた糸やらで人の往来を確認していた頃が遠い昔のように思います。
誰も来たことが無い、本当の奥地まで来てしまったのでしょうか。
20年ほど前のキャンプ用品のポスターで、男性が暗闇で一人でキャンプをしている写真に
「地球にひとり そんな気がした」
というコピーを入れた、一人キャンプの孤独と幸せを上手く表現したポスターがあった気がしますが、まさにそんな気分です。
ふと未踏の地で顔を上げると、違和感のある物体が目に入ります。
大変立派な建造物の残骸のようです。
人が入ったどころか、大勢の人と機械がまだまだ先まで入ったことがあるということでしょう。
なんだか頭から水をぶっかけられたような気分で、いそいそと納竿いたしました。
* * *
※以下は2016年5月の釣り記録です
私は昔から、フライフィッシングの持つオーラがどうも苦手でした。
「本物の餌を使わないからこそ、本物の駆け引きが存在するんです」
「餌釣りやルアー釣りはどうも、生活背負ってますという必死さが見えるんですよ」
「平たく言えば、あれは下等な釣りだな」
「フライで釣るということ、それは思想であり、美意識なのだよ」
などと言っているのかどうかわかりませんが、妙な上から目線を感じ取ってしまい、毛針とは距離を置いてきまっした。
やるまいぞやるまいぞ、と思っていたわけですが、先日高津川でイワナを釣っていた時のこと。空中でプランプランさせている餌にイワナが飛びついてきて釣れるという珍事が発生しました。
このときに
「水中を引っ掻き回してわざわざあの気色の悪い虫を使う理由なんて無いじゃないか」
と思ってしまったのです。
毛針なら付けっぱなしで良いし、下半身を食いちぎられてバタバタしているオニチョロを見て嫌な気分になることも無いんじゃないか。というわけで、
初めてテンカラ釣りにトライしてみました。
▼佐目小谷の入渓ポイント周辺は岩がゴロゴロしています
美しい弧を描いて水面に毛針をそっと落とす・・・ことを願うも、どこに飛んで行ったのやら、どこを流れているのやらわかりません。
いやはや、これでは繊細な愛知川のアマゴやイワナが釣れるわけが無いでしょう。しばらく投げる練習をせねばならんのかと思っていると、おやおや何か掛かっています。
アマゴが掛かっているじゃないですか。ほうら見てみろフライフィッシャー貴族達よ。釣れるときゃ適当でも釣れるのだ!(アンチ毛鉤の皆様、やんやの喝采をありがとう)
毛鉤で釣りましたよアピールをするためにアップで撮ってるのに、濡れた毛鉤が妙にリアルで餌釣りみたいです。
リアルに作ってんじゃねえぞ、というクレームは的外れでしょう。
佐目小谷は入渓時点はわりと険しい川ですが、300メートルほど頑張ってよじのぼると、開けた瀬が出てきます。
深くなっている流れに目をこらすと、魚が定位して水面を見ているようです。 魚の視界に入らないように、そろ~っと後ろから回り込もうとするも
「ドボ~ン!・・・」
こんなときに限って、滑って大きな音を立ててしまう私・・・ですが、魚は変わらず食事に勤しんでいるご様子。助かりました。
とはいえ、既にこちらに気がついている可能性もあるのであんまり期待は出来ないですね。
フロータントを持っていないのでタオルで拭いた毛鉤をヨイショと投げ込むと、、
「パシャ!」いかにも怪しげに浮かぶ白い毛鉤にバクリと食いついたのです。まるで海辺でたむろするいかにもナンパ待ちのオンナ(バックに怖い兄さんがついている)にまんまと食いついてしまう純真無垢な土浦ヤンキーのごとく、彼はいともあっさりと純真を装った毛鉤の毒牙に掛かったのであります。
25センチのガタイの良い体にいかつい顔を備えたアマゴでした。
ここであっさりと毛鉤愛好家の皆様に謝罪します。
水上の針に魚を飛びつかせるという釣りは、どうしようもなく面白いですね。
欧米の豊かな文化に打たれ、極東の野蛮な農民はいともあっさりと白旗を掲げました。
今回はフライフィッシングではなくテンカラ釣りですが、確かに毛鉤を意のままに操って渓魚を引き出すことが出来るなら、こんな幸せなことはありませんよ。
餌釣り?さあて、そんな野蛮な釣り方、私はトンと知りませんなあ。
▼餌を追うアマゴ
▼水面の餌を食べている
フライ選びは色ではなく大きさの違いが重要とどこかで聞いたので、素直にそれにしたがって毛鉤を選び直します。
その後も上手に投げることも流すこともままなりませんでしたが、アマゴがスレていないおかげでぼつぼつ釣り上げることが出来ました。
餌釣りだと半分くらいはバラしたり飲ませたりするのですが、テンカラだとバラしが少ないのは、魚が食ったのを見てしっかりアワセることが出来るからでしょうか。
下流に立ってるから取込がしやすいというもも良いです。
いやはや、よく考えられた釣りでございます。
この日の釣りに簡単に気を良くした私は、数日後に茶屋川でテンカラにトライするのであります。おかしな模様のイワナも現れましたので、御覧ください。>> 茶屋川の難所にくたびれながらイワナを釣る
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