渓流で釣れた天然のイワナをその場で焼いて食べました【初心者キャンプ記録】

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釣ったイワナをその場で塩焼きにして食べる計画で、滋賀県にある漁協が無い河川に入りました。

 

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私は昨年の夏に滋賀県の石田川で体験しただけの素人キャンパーであり、ノウハウを垂れるほどの知識はありませんが、用意した道具などを自分の備忘録程度に書いてみようと思います。

 

準備した道具

  • のこぎり(薪を切る)
  • ナイフ(魚の内臓を出す)
  • 新聞紙(着火剤として)
  • 塩(魚に振る)
  • 保冷剤と保冷バッグ(魚の保存)
  • チャッカマン
  • ふいご(フーフー吹いて火を大きくする)

の5点を用意しました。火を起こす技術に大きな不安を残しつつ、川に向かいます。

 

この日も実の兄と二人で川に入ったので、二人分の二匹のイワナを確保したいと思います。

普段は毛針やルアーで楽しく釣っている私ですが、この日は釣果に対する浅ましいほどの執着が普段以上に湧いてしまい、昔愛用していた餌釣りを行います。

普段は「餌釣りで渓魚を釣って必死にキープして持ち帰っているじいさん」を乞食呼ばわりしていましたが、釣果が食欲と結びつくと私もたちまち餌釣りに落ちてしまうことがわかりました。

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川で釣りを開始すると、先に上流で釣りをしていた兄が

「ぐわ~!!!!!」

と叫びながら、諏訪大社の御柱祭を思わせるような勢いで斜面を転がり落ちてきました。

熊でも見たかと思いましたが、片手にはイワナを掴んでいます。

大きさは17センチほどでしょうか、塩焼きに良いサイズです。漁協に依る放流が無いので、おそらく天然のイワナでしょう。

私も釣り上げて弟でありながら釣りの先輩としての実力を知らしめるはずでしたが釣れるどころか一度も反応は無く、天然イワナをわしづかみにして頬張る豪華なランチのはずが、イワナ一匹を二人で分け合うという戦後のおやつまがいの時間となりました。

それでも、釣れないことを前提にしてコンビニで大量にお昼ごはんを買うという、自分の釣りの実力を過不足なく把握している自分にこのときばかりは感謝しました。

 

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焚き火の場所選び

山火事を起こせば森林法違反などで法的にも裁かれますが、下の写真のように山の中の私有地や自然公園などで個別に焚き火を禁止している場所を除けば、焚き火そのものを一律に禁止する法律は無いようです。

滋賀県の焚き火禁止の看板
焚き火禁止の看板

 

しかし、世の中には人に注意するポジションを取れることに飢えている人が日陰のコケのようにすくすくと群生しており、他人の落ち度であるルール違反を首を長くして待機しています。彼らは普段は芸能人の不倫やスキャンダルという餌に群れていますが、アウトドアでは焚き火を含めたマナー違反に遭遇することを心の底から祈願しているのです。

従って我々は自尊心に飢えた自称風紀委員と遭遇する可能性が低い、登山道や林道から少し離れたところで焚き火をする必要があります。

さらに山火事にならないように、風が強くても他の枯れ枝などに引火しない場所を選び、大きめの石で囲んでかまどを作ります(石が熱を蓄えて、効率よく燃やせるようです)。

より安全面に配慮して焚き火台を使う方も多いようですが、荷物を減らすために私は使っていません。

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薪を集める

続いて、燃料を集めます。炭を持っていくのが妥当なのでしょうが、今回は車から大きく移動するので燃料は現地調達する方法を採用しました。

薪は小さなものから大きなものまで揃える必要があります。

種類としては

  1. 枯れ葉(燃えやすいがすぐに消える)
  2. 太い枝(燃えにくいけれど長持ちする)
  3. その中間

くらいで揃えたいと思います。この地域は杉の木が多かったので、杉の枯れ葉と枝が使えました。

渓流釣りキャンプの薪

火をつける順番としては

  1. 新聞紙(ガムテープもよく燃えます)
  2. 枯れ葉
  3. 細い枝
  4. 太い枝

となります。杉や松は油を含んでいるので、新聞紙などの着火剤の炎を移す先として優れているようです。

 

魚の下処理

魚は内臓から腐敗していくらしいので、釣れた瞬間に下処理を行います。頭を石で叩いて気絶させ、ナイフで腹を割いて内臓を取り出します(割り箸を鰓と内臓に入れて、ひねって取り出す出す方法もあります)。背骨に沿ってついている血合いも綺麗に流し、保冷バッグで保存しておきました。

そのイワナに塩を塗って(焦げやすいヒレは塩を多目に塗って)、大きめの石で固定した木の枝にイワナの頭を引っ掛けました。

※イワナの死体が木の枝からぶらさがっている画像が登場します。イワナ愛にあふれすぎて「殺すなんて可哀想!」という方は「戻る」ボタンを押して退出して頂き、安心して観られるジブリ作品でも御覧ください。

 

 

 

 

 

本当は尖った串を用意して、頭を下にして縫い刺しにした方が頭までしっかり焼けて良いようですが、その技術が無いので上のような手抜き方法になりました。

魚は火に直接当てず、遠火で燻すようにじっくりじっくり焼くのがコツらしいです。

さて、新聞紙を丸めた上に杉の葉と枝を重ねたところにチャッカマンで火をつけると、晴れ続きで枝が乾いていたおかげで簡単に火がつきました。

火が小さくなればふいごで火種を吹くと、また勢いよく燃えてくれます。ふいごが無ければうちわでも良いのですが、効率の良さと荷物にならない点を考慮してふいごを購入しました。

ちなみに貧乏性の私は中古品のふいごを300円で購入しましたが、うっかり洗いもせずに使ったことに今気が付きました。元の利用者さんが重篤な感染症などを持っていなかったことを祈ります。

少しずつ太い枝を燃やして安定させた火の横にイワナを1時間ほど置いておくと、こんがり焼けてきました。

イワナから出たあぶらが尻尾から落ちています。

 

そのままかぶりついてみると、さっぱりしつつも身にある程度の脂も入っているのでなかなか美味でした。疲れた体に塩気が染みます。

そして何より、青空の下で水の流れや鳥の声を聞きながら釣れた魚を焼いて食べるのは格別です。これはゴキブリと同居中の湿った家の中では味わえない感覚でしょう。魚が釣れなかったという厳しい現実すら忘れさせてくれます。

・・・と思いましたが、本当に家で食べるイワナと違うのだろうかと、検証のために翌日家のコンロでイワナを焼いて食べてみました。

すると、非常に美味しいではありませんか。

コンロの弱火でじっくり焼いたイワナの身は非常にしっとりしており、薪で焼いた薫香こそ無いものの、リンナイのコンロの安定した火力は屋外という幻想スパイスを凌いでおり、認めたくない事実ではありますが家で食べたイワナの方がやや高得点でした。

私の中に燃えカスのように燃え残っていた慎重さを呪いつつ、焚き火で魚を美味しく焼く方法を勉強しようと誓いました。

御慈悲の心で「いいね!」
してやってください

読む価値は無いが