前日,6時半のラジオ体操の音楽で叩き起こされたため、私は6時29分にかけた目覚ましで目を覚ましました。ラジオ体操のおじさんの声よ、いつでも来いと待ち構えていましたが、結局ラジオ体操の音楽は流れて来ませんでした。気まぐれ開催なのでしょうか。
しかし6時半におにぎりを用意してもらって二度寝するわけにも行かず、しぶしぶ玄関で準備しているとお爺さんがおにぎりを持って出てきてくれました。
爺「ヒナが居ませんね」
おじいさんもやはり、ツバメの子供を気にかけていたようです。昨日発泡スチロールで囲っておいた雛の姿はもうそこにはありませんでした。
燕の親があの太った子供を巣まで持ち上げたとは思えず、猫か他の鳥にでも持っていかれたのでしょうか。
* * *
今日はまだ今回の釣行で釣れていないイワナを釣ることを目標に頑張ります。毛針を流すとアマゴが続けて3匹ほど釣れました。
アマゴの数がとても多い川のようで、私の姿を気にせず目の前で休んでいるアマゴも居ます。
ちょうど養豚場の前の淵に大量のアマゴが溜まって水面をついばんでいます。羽虫が羽化でもしているのでしょうか。
毛針を落とせば一発で釣れるかと思いましたが私の毛針が視界に入るとアマゴ達は見事に逃げ回っていました。
場所を変えてイワナが生息しそうな上流に移動します。
太田川支流松原川から
ルアーに魚が反応しますが、掛かるのは小さなアマゴだけです。
ルアーを変えてみたり巻く速度を変えたりしますがただ小さな魚がゆらゆらと追いかけてくる姿が見えるだけの光景が繰り返されます。
ポイントを変えながらルアーを泳がせてみると、ルアーをピックアップする寸前にイワナが食いつきました。大急ぎで陸に上げたところでイワナは首を振って針を口から外し、水中へと続く斜面でパタパタと首を振っています。
大急ぎで鷲掴みに行こうと斜面を駆け下りましたが間に合わず、イワナは川底へと戻って行ってしまいました。
今日は早めに釣りを終わらせようと思っていたのですが中途半端にイワナを針に掛けてしまったために余計に熱くなってしまい、釣り上がるスピードを上げて上流へと向かうと大きな滝壺に当たりました。
通常渓流魚は警戒心が強いため、同じポイントでルアーを投げる回数が増えれば増えるほど魚はルアーに反応しなくなります。しかしこの滝壺からは無限にゴギが供給されるようで、5分以上同じポイントにルアーを投げ続けることになりました。
何度も食わせ損ないましたが最終的にゴギが釣れました。
私は魚をすくうためのランディングネットと呼ばれる網を持っていますが釣れた魚をネットにうまく誘導出来たことが無く、いつも陸上に魚を一度上げて、網に入れるという、釣りに慣れた人からすれば大変面倒な工程を踏んでいます。
それを先日知人に伝えたところ「渓流釣り15年もやって、網は飾りなんですね(笑)」
と言われたことが引っかかっていたのか、この時ばかりは普段やりもしないネットランディングをカマしています。
とりあえず一匹釣れたので大満足です。
滝の上に回り込んで釣りをするか、ここでやめるかを滝を見ながら悩んでいると、20センチほどの魚がロケットのように滝の中から水流に逆行して飛び上がるのが見えました。
しばらく観察してみると、頭に模様が入ったゴギであることがわかりました。
30匹ほどの挑戦を見届けましたが、ハッキリ滝の上に到達出来た姿は一度も見られなかったのでジャンプの成功確率は3%以下です。
敏のヤマメに対して鈍のイメージがあるイワナですが、2.5メートルほどもある滝を越えようとするなんて、驚きです。我々は滝の外から川の様子を捉えられます、水中に居るイワナは当然滝の上に何があるのかを知りません。
その後滝の上で釣りを再会しましたが、アマゴを1匹釣り上げたところで雨脚が強くなって来たので釣りを終了します。
このアマゴは滝の下からジャンプで上流に到達したのでしょうか、それとも親がジャンプしてくれたおかげで滝より下流に落ちたことが無いのでしょうか。
2日間お世話になった民宿やまびこは息子さんがお店を継がれる予定で既に帰って来られているとのこと。息子さんもご両親のように立派に民宿を経営されるでしょう。水が低きに流れるように安易な仕事に堕落なさることが無いようにと切に願います。この私のように。