25年7月北海道渓流釣り①道の駅のおばさんと醜く口論

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北海道に行く1週間前に私はぎっくり腰をやらかしてしまい、そこから3日ほどはトイレ以外では一切起き上がれないくらいの容態になってしまいました。

北海道に旅立つこの日の朝は少し緩和し、ベッドから杖を使って何とか立ち上がり、ゆっくり歩けるようになっていました。妻からは

「さすがにキャンセルしたら?」
「最悪行っても良いと思うけど、宿で寝ていたら?」

などと声をかけられますが、

「北国で俺を待ってる鱒が居るんや」

と鱒男は譲りません。ちなみに私は妻のお父様が所有する家に住まわせて頂いており、その点でも正真正銘のマスオ(鱒男)さんです。

大荷物をかついで、杖をついてよぼよぼと家を出る親父を不思議な目で見送る家族を置いて北海道に向かいますが、大変なのはここからです。腰痛を悪化させずに空港にたどり着くことが出来るでしょうか。

バスで空港に向かうと座り姿勢で腰が固まって悪化する可能性があるので、遠回りですが立ったり座ったりと腰に動きを出せる電車での移動を選びます。

では電車内で座れない時間帯はどうすれば良いか?これについても策を講じています。前日に整体院で教わったのですが、立っている時に腰が固まらないように、骨盤を反らせる→ゆるめる→反らせる→ゆるめるという動きを繰り返せば良いとのこと。

文字で書くと何のことかわからないと思いますが、要するに動物や人間の交尾のように腰をヘコヘコ前後させるという動きです。私は真面目な若手整体師さんの顔をまじまじと見据えて「これを・・・電車内でやるのですか?」と問いますが、彼は

「はい!」

と、居合の達人のような真剣で冷静な表情を崩すことはありませんでした。

 

* * *

 

私は若い女子学生も交じる電車内でつり革を持ちながら、バレるかバレないかギリギリの速度を見極めて、ゆ~っくりと腰を動かします。電車の中でスローに腰を動かしているおじさんなど、事件でしか有りません。これを見てしまった年頃の女性からすれば死ぬまで消えないトラウマになりかねないのでそういった雰囲気を打ち消すべく、できるだけ凛とした表情を崩さず、何か考え事でもしているかのような雰囲気を出しておこう。

車内ではそれぞれに少しずつ揺れていることに気づいて以降はやや大胆に腰をヘコヘコさせることもでき、結果幸いにも特段問題にはならず(本当か)に無事に空港に、そして北海道までたどり着くことが出来ました。

その日は新千歳に宿泊し、翌日は現地友人のダニエル(仮)と合流します。このブログを始めて10年、釣り旅の同行者が寝坊・忘れ物・失踪・レンタカーをぶつけるなど全てのトラブルを総ナメにした熊本での釣行が不本意ながら最高の人気記事になってしまっていますが、その主役こそ今回一緒に釣りをしてくれるダニエルです。それほど口数が多いわけではありませんが真性の楽天家ゆえ、ラテン系のニックネームを付けております。

今回はどんなトラブルが待っているのか・・・と恐れていましたが、なんと約束通りに集合時間の早朝3時に宿に迎えに来てくれました。高速道路に入る時、一般レーンでチケットをつかみそこねて

「あぁ〜」

という蚊のような鳴き声でスタートいたしましたが、久々の北海道は順調なスタートを切りました。

 

* * *

 

丸瀬布の湧別川

 

2年ぶりに北海道の川に到着しました。

この日は最高気温が30度と高温ですが、水量も良さそうで濁り方もほどよく、釣れそうな予感です。

広々とした景色の中でルアーを投げるのも良い気分です。つい2日前まで褥瘡が出来るくらいベッドで寝続けたあげく、パンツも靴下も家族に履かせてもらっていた生活が嘘のようです。

やはり一箇所目からニジマスの反応がありました。今日は楽しそうです。

しかし釣りに集中して姿勢が固まると、ぎっくり腰の爆発リスクが上がってしまいます。ルアーを投げて、リールをコリコリ巻きながらも腰をゆっくり前にやったり後ろにやったり。電車の中はおろか、大の大人が雄大な自然の下でやるべきではない動きを繰り返しながら、魚を誘い出します。

しかしその後1時間ほど1匹も釣れませんでしたが、ようやくニジマスが釣れました。

 

 

最後はうっかり私の手元にジャンプしてきてくれました。

「こんなニジマスを釣りにきたんじゃないぞ!」と言いつつ、本州で釣るヤマメやイワナよりよく引いてくれるニジマスに大興奮です。

その後スプーンをゆっくり引っ張っていると、何かがルアーを引っ張ったような感触があり

「ジリリ」

とドラグが出ていきました。大きな魚だったような、それとも岩だったのか・・・。根掛かりだったっけ?映像で見てみます。

 

 

映像を見てわかりましたが、明らかに魚でした・・・。

大きめの魚がルアーを食ったとすれば大変なヒントになりますが、もし映像を見ていなければ「大きな岩」という記憶になっていたということ。なんと恐ろしいことでしょうか。そう言えば渓流釣りを始めて20年経過したようです。

 

一方のダニエルに目をやると、竿を大きくしならせているのがわかります。

「根掛かりでありますように」

と願いますが、どうやら魚とファイトし続けているようです。デカいのか、そうでもないのか?!

大きなニジマスを見て今日の釣りに期待を持ちたい一方、また私だけ小物しか釣れないという地獄の時間を味わうのも嫌だと、あらゆる感情を織り込んだ表情で近づいてみると、35センチくらいのニジマスでした。良いサイズではある一方で「羨ましい!」と歯ぎしりする基準をギリギリで越えない適度なサイズ感だったことに安堵し、先に進みます。

結局その後も小さいニジマスしか釣れませんでしたが、奇妙な動きで腰を振りながら釣りを続けたおかげでギックリ腰を再発させずに終われたことは大きな成果と言えるでしょう。

 

* * *

 

お昼は道の駅に入ります。食事の席でも椅子に座りながら腰を折り続けるストレッチを欠かせません。私は顔もヒゲも濃いので、周囲の客からはアラーに祈っているように見えたかもしれません。

道の駅の店内は恐らく30席ほどあり、テーブルと座敷のあちこちに電源の口があります。特に使用禁止の張り紙も無いので充電しながら豚丼を頬張ると、豚肉は焼きすぎてビーフジャーキーのようです。

会計を済ませ、充電していたスマホを抜くと太り気味の年配の女性店員が「本当は充電は禁止なんですけどね」と妙な上から目線で声をかけてきました。「そうですか、と出ていこうとすると」

店員「勝手に充電してたでしょ?普通、一声かけませんか?勝手に充電はやめてください」

と畳み掛けてきます。まさか道の駅で、電源にキャップも無く、貼り紙も無い状態で充電する時に了解を取らないといけないとは・・・。道の駅に入ったのは今回が初めてではないですが、私の感覚がズレているでしょうか。

私「どうして退店時に言うんですか?見つけた時に禁止と言えば良いんじゃないですか?ちなみにあなたの言う普通とはどの範囲の話?」

こうなると私はどこまでも幼稚です。

店員「だってお客さんトイレに行かれてたし・・・。その後は忙しかったし・・・。」

この店員さんの方も言い訳をする年長組さんのようになっており、二人で珍妙な精神的下り坂をくだっていきます。

その後考えてみたのですが、恐らくこのお店での充電は厳密に禁止ではなく「許可を取る」という手続きを踏めば許可されたのでしょう。恐らく店員さんは充電に関する全権を自分が掌握していると自負していたところ、見知らぬ客にその絶大な権限を犯されたことで自分の存在を否定された気になったのでしょう。おばちゃん、すまんかった。

夕方は別の河川に入りますが、友人がオショロコマを釣っただけで終了となりました。

店員にだるがらみするムスリムモドキに神は舞い降りず。

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