京都府南丹市にある美山には豊かな自然と茅葺屋根が織りなす「日本のふるさと」的な景観があり、800メートルを越える山々から流れてきた由良川もそれはそれは見事である・・・。
という話を聞きつけた私は、由良川上流にやってきました。
前乗りで宿泊した「B&B段」は素晴らしい茅葺屋根です。
3割ほど補助金が出るものの、この屋根を修理するのに全体で1,500万円ほどかかるとか・・・。
当日は私以外に1グループ8人が宿泊されていました。
そのグループは4人家族が2組、計8人で形成されており、どちらも30代と思われる夫婦と小学生と思われる子供が2人という丸写しのような家族でした。
グループはホットプレートで焼き肉パーティをしていたようで、私が訪れた20時には大人たちは残った酒を飲み、子どもたちははしゃぎ周り、という状況でした。
大人たちはほろ酔いなりつつも子供への注意と私という一人寂しい旅人への配慮を怠らず、子どもたちは翌朝にきちんと宿題をするような賢い子供たち。
要するに素敵なご家族による、幸せそうな休暇でした。
食事の片付けが終わると宿の外で花火が始まりました。
やはり2グループの夫婦が居ると、相手側の旦那がカッコよく見えたり、嫁が可愛く見えたりするのでしょうか。
楽しむ家族を、暗い部屋からニヤニヤしながら盗撮する私は、翌朝に佐々里川の上流に入りました。
目次(スクロールします)
佐々里川 馬場の滝近く
アクセス | 京都市、福知山、舞鶴、亀岡から2時間 |
---|---|
対象魚 | アマゴ、ヤマメ |
遊漁券 | 年券7,500円 日券3,000円 現場4,500円 |
管轄漁協 | 美山漁協 |
入渓のしやすさ | ★★★★☆ |
歩きやすさ | ★★★★★ |
赤マークから東に伸びる川に入りました。川沿いの林道を車で進めそうでしたが、倒木があり通せんぼ(←懐かしい言い回し)になっていたので370号沿いに駐車しました。
美山を囲むのは800メートル級の山々と聞いていたので険しい川を想像していましたが、川はとても平坦です。
川をのぞきこむと魚影が濃いというレベルではなく、大量の魚の群れが見えます。まるでカワムツの群れのようです。
放流されたアマゴでしょうか。
ルアーを投げると、いきなりヒットしました!
本当にカワムツでした。
産卵を意識して派手な色になっている雄のカワムツのようです。
なるほど。流れがゆるい位置で群れている魚はカワムツだったのだな。もう少し流れの強いところにルアーを投げます。
すると、
「ビクンビクン」
という魚の手応えが返ってきました。
私がアマゴに勝利した瞬間・・・
かと思いましたが、魚は数秒で戦うことを諦めたようです。
やはりカワムツでした。
ルアーに食いついて5秒ほどは頑張ってくれましたが、それ以降の引きの強さは枯れ葉や木の枝と同程度のパワーでした。
3匹目以降は撮影していませんが、カワムツが釣り堀のように釣れ続けました。
この日は大阪で38度を記録するほどの酷暑だったため、日中は体力温存という名の惰眠を宿で貪り、夕方に再度由良川に出かけました。
京大演習林周辺
アクセス | 京都市、福知山、舞鶴、亀岡から 1時間半~2時間 |
---|---|
対象魚 | アマゴ、ヤマメ |
遊漁券 | 年券7,500円 日券3,000円 現場4,500円 |
管轄漁協 | 美山漁協 |
入渓のしやすさ | ★★★★★ |
歩きやすさ | ★★★★★ |
魚の量 | ★★★☆☆ |
駐車スペースがあり、東に伸びる由良川本流に入りました。
2020年7月に周囲にクマが出没したようで、大きく注意書きが出されていました。
周囲の案内には「届け出を出して」となにやらしつこく書かれていますが、現地の職員と見られる方に聞く限り「演習林に入る場合は許可が必要だが、川に入るだけなら申請は不要」とのことでした。
トロッコの線路を歩きながら上流を目指します。
線路を観るだけで妙にワクワク
川は午前中に訪問した佐々里川と同様に平坦です。
ここでも午前中と同様にルアーで釣りをします。普段好んで使うチョウチン毛針を使っていない理由は、「川や魚の状態を見て」などと言いたいところですが、実際は車にうっかり毛針道具を忘れてきたため、ルアーで釣りをせざるを得なかったからです。
日が暮れかけても長袖が必要無いほど暑い状態の中、ルアーを投げてみると、やはりカワムツがバンバン釣れてきます。
今回の由良川の釣りに限らず、最近はなかなか釣れていない日が続いていることに唐突に気が付きます。
私という釣り師の腕の問題ではなく、釣り氏が一方的に難しくなっているとは考えられないでしょうか。
暗くなっていく空に「クマ出没注意」の看板が頭に浮かびます。大きなヒグマよりも小さなツキノワグマのほうがヒステリックに飛びかかって来るとも聞きますし、私のような貧弱なおじさんはクマに吠えられただけで気絶するのではないでしょうか。
熊に張り倒されて頭から飛び出る血の色を想像して震えながらルアーを投げていると、魚が掛かりました。
なんと、アマゴです。
いつも釣りの最後の最後でアブラハヤもしくは木の枝を釣っていた私ですが、こういう日もあるのです。
小さなアマゴですが、初めてヤマメを釣った時のように大感動して一人で美山中の熊が驚くほどに雄叫びをあげてしまいました(恥ずかしい・・・)。
美山と言えば豊かな原生林で有名なので、樹木も入れて撮影してみます。
が、このあたりは原生林のエリアから離れており、写り込んでいるのは自然の状態で育っている木ではなく人間がお金を稼ぐためにがんばって植えた杉の木です。
翌日は由良川の別の地点で釣りをしました。