知人の初アマゴに立ち会った翌日、二日酔いで歪んだ世界をシャワーとお茶で正しながら、車で山に向かいます。
これぞ酒気帯び運転なのではと思いましたが、人が居ない山奥に行くので誰かに迷惑をかけることは無いでしょう。
予想以上の細道が迎え酒してくれました。
道の細さは山道であればよくある程度ですが、車を寄せる路肩が全く見当たりません。もし対向車が来たら、どちらかの車がバックでこの細道を数百メートル戻らないといけないということになり、想像するだけで恐怖で手足や脇から酒がじんわり湧き出してきます。
自分はバックが苦手なので対向車に下がってもらわないといけませんが、どのようにお願いすれば気前よくこの撤退を引き受けてくれるでしょうか。車を降りて対向車の窓から顔を突っ込んで
「あいにく私、前進しか出来ないのです。お陰様で女性にはフラれっぱなしなんですよ。」
と自信満々で言えば、関わってはいけない人間だと判断して黙って引き下がってくれるでしょうか。そんなことを考えながら進んでいると、川に到着しました。
* * *
この河川には漁協は無く、下流の方で個人の活動としてアマゴを放流している方がおられるのみで、このポイントまでアマゴが来ているのかは不明です。
虫が飛んでいるような気がしたので、ルアーではなく毛針を浮かべてみると、早速魚の反応がありました。早い時間で魚が反応してくれると、今日はそれだけで世界を征服したかのような気持ちになります。
それから気温も上がり、そのうち釣れるだろうと高をくくっていましたが、なぜか水面から飛び出したアマゴが針に掛かりません。
ここから現象を捉えて解決策を探るのが釣りの醍醐味だと思いますが、健康第一を標榜し、考えないことを大事にしている私はこの世に生まれ落ちたままのピュアな心で、なんの工夫も施すこと無く毛針を投げ続けていきます。
そしてその結果、毛針をかすめるだけで一度も魚の口に針を掛けることは出来ませんでした。しかし健康より釣果を追い求めるなど愚の骨頂なので、つまり俺の勝ちと言えるでしょう。勝負に負けて試合に勝つ、とはこのことなのです。
多分。
* * *
しかし釣果を全く追いかけないとは言ってないぞ。
気分転換に少し場所を変えて竿を出すと、釣れました。
大量に朱点があるアマゴが釣れました。この後釣れてきたアマゴも同様でした。
このアマゴのように極端に朱点の数が多いアマゴは放流魚であると言われることが多いですが、事実としては「一時期、朱点が多いアマゴの放流が増えた地域があった」だけのことだそうで、これが放流で根付いた魚であるという科学的な根拠は無いようです。
そこから上流を目指していると、大きな堰堤が現れました。この上ではどんなアマゴが釣れるのでしょうか。
ここでいつも通りアブラハヤか長靴でもひねり出すのかと思いましたが、本当にアマゴが釣れました。しかも朱点が先ほどと違って明らかに少ない個体です。
その後釣れたものも同じように朱点が少なく、単純な仮説としては堰堤より上流側は在来のアマゴで、下流側は誰かの放流ということになりますが、そう単純なものでも無いでしょう。
そこまで強い興味があるわけでも無いのですが、ヒマなので遺伝情報を調べてもらうことになりました。結果はまたご報告します。
* * *
当日の足回りと装備です。
足回りの装備
水が冷たい時期の足回りは、水に濡れないセットを使っています。
メーカーはコスパ重視でリトルプレゼンツです。
シューズとウェーダーがセットになっているものではなく、別で用意しています。
ウェーダーの選び方やおすすめはこちらでご紹介しています。
【竿】ダイワリバティクラブ 5.3メートル
実売価格は5,000円~8,000円程度です。安いですが全く問題なく使えます。
【ライン】実売400円の安いライン0.8号
【毛針】サイズは14番くらいを使っています
チョウチン毛針釣りの方法と道具についてはこちらでまとめています。
チョウチン毛針釣りは簡単な道具と動作で楽しめるので、ルアー、フライ、テンカラなどで行き詰まった私のような釣り人にもってこいの方法です。
続いて、ルアータックルです。
【ロッド】安くてコンパクトなルアー竿
2023年以降は↓を使っています。
【リール】2000番のリール
【ライン】PEライン0.6号(無くても大丈夫です)
【ライン(リーダー)】8ポンドのナイロンライン
【ルアー①】シルバークリークミノー50シンキング
【ルアー②】スプーン・pure3.5g
【ルアー③】スプーン・D-Sライン5g