広島市から北上して芸北方面を目指します。
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太田川支流板ケ谷川から
ルアーで渓流魚を釣ることはそれほど難しく無いと考えていた私ですが、2022年に入ってからはめっきりルアーで釣ることが出来なくなってしまい(昔は釣れていたという記憶も定かではありません)、すぐに延べ竿に毛針を結んだチョウチン毛針釣りに逃げ込んでしまう傾向にあります。
今日こそルアーでヤマメやイワナを釣ろう。そう思ってルアーを投げ続けると、たまにトラウトらしき反応は見られますが、なぜか針に掛かりません。
フックを研いだりルアーを変えたりしましたが特に改善された感触は無く、たまにルアーを追いかけてくる姿やルアーをついばんだ感触を得られるだけで時間だけがどんどん過ぎていきます。
わざわざ広島のどこだかわからないところまで来ておいて、ボウズは本望ではありません。今日こそルアーで絶対に釣ってやるぞとスタートした釣り方を
「そろそろ毛針に変えようか・・・」
と言ういつもの妥協案が顔を出したときに、知人から着信がありました。
彼は半年ほど前に骨盤に大きな癌が出来たという話を聞いており、共通の知人からも「完治する可能性は低い」という話を聞いていました。
そんな彼の容態が気になるもののこちらから連絡をすることも出来ないまま時間が経ってしまい、「もう彼はこの世に居ないのかもしれない」と思っていましたが、彼が言うには「奇跡的に転移などは無く、あと2ヶ月で抗がん剤と放射線治療も終わる」とのことでした。
細身の彼が17キロ痩せたということから治療の厳しさは想像がつきましたが、元通りの生活が送れる可能性が出てきたと聴き、暗闇に光が差し込んだような気持ちになりました。
やや掠れた彼の声を聞くうちに元気をもらい
「俺も彼のように、恥ずかしくない生き方をしよう」
そう誓った私はいつになく伸びた背筋で川へと歩き出します。
* * *
昨日から一転して「ありのままの世界に感謝できる品行方正のお手本」のようになった私がルアーを丁寧に投げていくと釣果も変わるかと思いましたが、やはりどうにも魚が針に掛かりません。
おかしいぞ。心がこんなに入れ替わったのに、やはり私がルアーで釣るのは無理なのだろうか・・・。
先日テレビで見ていた高校サッカー選手権の大弾幕でも「最後は気持ちが強い方が勝つ」みたいなことが書かれていました。純粋な私は「なるほどそういうものか」と思って信じていましたが、その結果がこれです。
するとどうしたことでしょうか、私の手はいつの間にかルアー竿ではなく毛針用ののべ竿をつかんでいます。
つい先程奇跡の生還に洗われた心は1時間も経たないうちに溜池のように濁り、あっさり誓いを放棄してしまいました。
そして延べ竿で毛針を浮かべ続けると、あっさり魚が掛かりました。
釣りというのは魚に餌や疑似餌を食わせて口に針を掛けて釣ることだと理解していましたが、見事に尻尾に掛かっています。先程からしっぽで毛針を叩く姿は見えていましたが、針に掛かってくれるなんてラッキーです。
これまで約束を破ったり、人に嘘をついたり、SDGSなどという既得権者から与えられた妄想をさも大事そうに扱っているバカをバカ呼ばわりせずに過ごしてきた真っ当な生き方が神様から評価された証明と言えるかもしれません。
もう一匹釣れました。
針は体に掛かっていますが「今の生き方を継続せよ」と神から言われているような気がしました。
釣りを終えて宿に移動します。
民宿やまびこ
店名 | 民宿やまびこ |
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電話番号 | 0826-35-0578 |
住所 | 広島県山県郡北広島町荒神原1265-3 |
料金 | 一泊二食6,500円(税込み) |
Wi-Fi | なし |
満足度 | 最高 |
おじいちゃんとおばあちゃんのお二人で切り盛りされている民宿兼食堂です。
貧乏旅行慣れしているニートも驚く料金の安さに不安を覚えていましたが、建物の作りが古いというだけで基本的には清潔ですし、料理も美味しいので料金設定を間違えているのではと思うクオリティでした。
「お酒を飲まれるなら農協で買ってきて頂いても良いですよ」とわざわざ声をかけてくれるお店は初めてです。とても行き届いたサービスに満足した私は翌日はサツキマスを狙って聖湖に向かいました。