青森の遊漁券いらない河川でイワナ釣り&太宰治の生家をたずねる【青森渓流釣り③】

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青森市にある謎の割烹でエネルギーを吸い取られた翌日は、漁協が管轄していない渓流でトラウトを探します。

今日で先に青森を離れてしまう今田くんと釣り対決をしようかと思いましたがその気概もなく早くも降参して見守っていると、いとも簡単にイワナを釣り上げてしまいました。

それほど標高も高くない河川だったので渓魚は居ないかもと思っていましたが、水も冷たく、これなら「河口にもトラウトが居る」という話は本当だろうと思えます。

さて、次は一手にやたら時間がかかるニート名人?の手番です。藤井名人の冷たい目線を背中に感じながらも、イワナを釣り上げることが出来ました。

青森無料イワナ渓流釣り
25センチほどのイワナ

 

(有料記事)無料でイワナが釣れるポイント

そこから何匹かイワナを追加したところで、8月とは到底思えない骨までしみるような水の冷たさに耐えられなくなり、少し早めに川から上がってラーメンで温まります。

ラーメン屋で醤油ラーメンか塩ラーメンかの二択でも私は友人に負ける形になり(醤油が正解でした)私をコテンパンにやつけた友人は大満足で飛行機に乗っていきました。

 

* * *

 

さて、ここからまる2日は1人旅です。ここで私は以前よく釣りに同行してもらっていた中原くんを思い出します。彼の釣りへの探究心は素晴らしいものがある一方で旅そのものへの興味が薄く、遠征してもその地域の文化や歴史を味わうという情緒が完全に欠落していることを残念に思っていました。

しかし、うっかりすると私も同じ道を、しかも遠く及ばない釣り技術でなぞってしまいかねないことを認識しているため、これ以上釣りを出来なくするために、熊スプレーをこの時点で返却してしまいました。

これだけ熊の出没や死亡事故が報道されている中で、スプレー無しで川に行く勇気はありません。さらにウェーディングシューズも綺麗に洗い終えて、これで晴れて文化人の仲間入りです。

 

地元のスーパーに入ったり歴史資料館に入ったり、この地域をじっくり味わってみよう。今日宿泊するエリアに向けて車を走らせていると、近くに川が流れていることに気が付きます。漁協が管轄していない河川で、渓魚が居るかどうかは怪しい水量と標高ですが、少しだけ可能性があることを旅行前からメモしていた場所でした。

少しだけのぞいてみたくなり、クラクションを盛大に鳴らして熊に知らせつつビクビクしながら橋の上から川をのぞき込むと、黒くて細長い笹のような影が、さっと倒木の下に入り込みました。

 

私にはイワナに見えましたが、私の妄想か・・・。

 

これから街に出て地方を味わうのか眼の前の魚の姿を確認するのかを天秤にかけたところ、圧倒的な重量で魚が勝ってしまいました。

出来ればサンダルのままで少し釣りをするか水中をのぞきたいと思ったのですがそれに見合った河川ではなく、気づけば先ほどピカピカに綺麗にしたウェーディングシューズで沼のような川に降り立っていました。

 

確かにスプレー無しで山に入るのは怖いですが、そもそも熊が出てきたところでスプレーを取り出して吹き出させられるのか?これまでも一度たりとも使ったことが無いんだから、持って無くても同じこと。

 

そんな不可解な理論を手早く構築し、たまに奇声を発しながら釣り進みます。

 

河川は平坦でポイントが少なく、一箇所投げては大きく移動を繰り返します。ようやく見つけたポイントで魚が掛かりますが、足元でバレてしまいました。イワナに見えないこともありませんが、ウグイやカワムツでないという証拠は何一つありません。

ストレスを抱えながら雑にルアーを投げると、川に張り出した草にラインがからまり、リールに糸が回収されるかのように、くるくるとラインが巻き付けられてしまいました。ルアーをはずそうと乱暴にロッドを煽った所、ラインが切れてしまい、この川ではほぼ見かけることが無い数少ない深場へとルアーは落ちてしまいました。

・・・。

歴史資料館で青森を味わうはずが、うっかり吸い寄せられた川で下手なキャストを繰り返してルアーを失くし、さらに竿に八つ当たりしてぶん投げそうになるとは・・・。竿からすれば、こんなバカも見たことが無いでしょう。

 

結局綺麗に洗ったシューズを汚し、ルアーを失くし、ストレスを溜めただけの一日になりました。

 

* * *

 

最終日は、朝から太宰治の生家である斜陽館に向かいます。太宰(本名は津島)は青森の名家の出であることくらいは知っていましたが、彼が生まれたところは家というスケールを越えた規模感で、大地主の中の大地主だということが一目でわかります。

津島財閥は金融業から栄え、明治時代の地租改正の影響(豊作でも凶作でも一定の納税)もあって周囲が手放さざるを得なくなった土地を買い集めて拡大した当時の「新興地主」だそうです。

窓口の女性に、詳しい人にお話を聞きたいのですが、と伝えたところ

「何かの取材ですか?それとも一般の方ですか?」

と返されます。ハーパン半袖髭面で取材に来る奴がいるのでしょうか。一般人として簡単な質問をさせてもらうと、太宰の家は「家の前に交番を作らせた」ほどの影響力が地域ではあったようで、この豪邸の高い壁も多い時は300軒にもなった小作人からの襲撃に備えたものだと推測されているのだとか。

このような耕作が難しい土地で勢力を拡大した津島家のマネジメント力と資金繰りのうまさは驚くべきものがあります。

新興の地主でここまで巨大化した背景に「5年に一度程青森を襲う冷害で土地を手放さないといけない人が多かったことが津島家を太らせたのでは?」と名推理を開陳してみたものの、学芸員さんの共感は全然、得られませんでした。

 

さて、昼からは二日前に姿を確認したイトウにチャレンジするか、無難にイワナを釣るか・・・考えた結果、ブロガーとして最低な選択肢である「無難」を選んでしまいました。

「ああはなりたくない」と見下していた友人の旅の仕方をあろうことか真似し、さらに釣りにおいても安全牌を取ろうとするという、ブロガー失格・・・というより人間失格と言って差し支えないでしょう。

* * *

と書いていますが本人は釣る気マンマン、遠足の日の朝の小学生の気分です。先ほどこの河川での釣りを「無難な判断」と言ったものの、魚が潜むポイントが少ない平坦な河川でどう釣り上げれば良いのでしょうか。

昨日釣れなかったのはルアー釣りという釣り方が悪かったのだということにして、特段根拠もなく毛針釣りを選択します。

毛針を流しても全く反応が無いので、早くも毛針とルアーを交互に投げるというどっちつかずの手段を採用するようになりました。やはりルアーの方が食事モードでない魚にもアピールするかも?などと考えていましたが、結局毛針で釣れました。

 

やはりイワナだったのか・・・。

いろいろなものを犠牲にして、二日かけてようやく手にした何の変哲も無いイワナに感動です。

(有料記事)青森市内近くで無料でイワナを釣れるポイント

 

一匹釣れてしまうと気分も楽になったのか、そこからはつきものがとれたような頻度でイワナがどんどん釣れた、、

と言うほどでもなく、かろうじて数匹の姿を見たところで撤収し、青森での旅は終了となりました。

熊に会わなくて良かった。

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