北海道での4日間でろくな釣果を得ていない私は、大きなニジマスが期待できるらしい利別川本流にやってきました。利別川は2020年の7月にも訪れてボウズを食らっています。
利別川本流 第四利別橋の上流
前々日に2時半まで酒を飲んで早起きに失敗&重度の二日酔いという反省を活かして、この日は早起きすることに成功しました。
ミノーを下流側に投げてゆっくり巻いてみたところ、ニジマスが釣れました。
大したサイズではないですがコンディションが良く、たっぷり引いてくれました。前日同行者から指摘された「リールのハンドルから手を離さない」という指摘をしっかり守っている姿が我ながら可愛らしいです。
お習字の授業でも、下手くそなのにお手本をしっかり見ながら書こうとするタイプでした(でも成績は悪い)。
同じような釣り方で、またもニジマスが釣れました。
動画はGoproという小型カメラを胸に付けて撮影していますが、カメラの位置が悪く、ほとんど手しか映っていません・・・。
こちらはリュウキで釣り上げました。
何かしらの意図があって先程まで使っていたシルバークリークミノーと使い分けているのかと思われるかと思いますが、特に理由はありません。
大きなニジマスこそ釣れませんが、気分良く釣りを続けていると宿泊先であるお宿から電話がかかってきました。何か忘れ物でしょうか?
私「もしもし」
宿「あの~、受付に鍵が置かれている状態なのですが・・・。どういう状況でしょうか?」
私「はい?チェックアウトさせていただいたのですが」
宿「お会計が未だなのですが。」
私「あぁっ!!」
私は素泊りだったためチェックイン時にお会計を済ませた気分になっていたのですが、お金も払わずに宿に鍵を置いて出ていったため、宿からは「食い逃げだ・・・。」と思われたことでしょう。
私「大変失礼しました、お昼ごろにお支払いに行きます。」
すぐに釣りをやめて払いにいくわけではなく、午前中は釣り続けようという執念を発揮してしまいました。しかしその後は「素泊りなんだからチェックイン時に徴収すれば良いのに」「後払いにするほうが宿にもリスクだよな?」などと宿側のシステムに文句を言う体たらくの我々でした。
その後午前10時ころまで釣りをしましたが、暑い・・・。この日は最高気温が30度で、午前10時の段階でもウェーダーで歩くと汗だくという状態でした。
北海道の7月は暑いから6月に来いと言ったやつは、誰だ。お天気にも親切な地元民にもブツクサ文句を言いながら、宿に支払いに行ったのでした。
庶路川本流
気温30度ではどこに行っても釣りにならないことも自覚しながら、それでも諦めることが出来ない我々は庶路川の本流に入ってみました。昨年庶路川で釣りをしたときには50センチほどの魚をバラして(サクラマスだったのかも)います。
川に降りて水温を測ると、なんと24度もありました。15度前後が適温と言われている鱒からすれば、息も絶え絶えの状況でしょう。
ヤマメが釣れましたが魚の反応が悪く、阿寒川に移動しました。
阿寒川かよい橋
夕方、気温が少し落ち着いた時間で阿寒川に移動してきました。
水温はやはり20度もありましたが、変化があって面白そうな渓相です。
大物を釣ることには諦めて、延べ竿にラインと毛針を付けただけのチョウチン毛針釣りに変更です。
リールが付いていないので大物が掛かればひとたまりも無いでしょうが、どうせ釣れることは無いだろうと判断いたしました。事実上の白旗宣言です。
毛針を浮かべると、ニジマスが食ってきました。
・・・。
見事なジャンプで針を外されてしまいました。
続いて、ニジマスが釣れました。ファイトだけを見るととんでもない大物にも見えますが、実際には30センチ程度のニジマスです。
魚を手前に寄せないといけないのですが技術が無く、魚の思い通りに木に巻かれてしまっています・・・。しかし現代の釣り道具の強度が勝り、釣り上げることができ、4日目の釣りを終了しました。
阿寒川
この日は北海道5日目にして同行者である中森くんが北海道を発つ日です。なんとしても立派なニジマスを釣らないといけません。
前日の「遅くとも5時半に起きよう」
という言葉はどこへやら、動き出したのは既に気温も上がりまくっている朝7時です。
既に水温も生暖かく、そのせいにして良いのかどうかわかりませんがニジマスも小さなものしか釣れず、朝9時ころにはカンカン照りの太陽の下でやる気を無くし、座り込んでしまいました。
結局地球以外の大した釣果を得ることもなく、虫を観察しただけで終了しました。
同行者の「デカイニジマスはもう諦めた。せめて北海道らしい、アメマスが釣りたい・・・。」
という要望を受けて、アメマス河川と聞いたことが有る茶路川に向かいます。茶路川に訪れたのは5年ほど前のことですが、小さなアメマスが大量に釣れた記憶があるので、アメマスならば外さないでしょう。
茶路川 白糠IC近く
ルアーを投げ入れてみると、綺麗なヤマメが釣れました。
太陽は相変わらず容赦なく川面を照らしており、流心に水温計を入れると20度を指しました。
しかし流れが淀んでいるところに手を突っ込むと、ひんやりしているではありませんか。水温を測ると、流心より4度も低い16度です。地下から冷たい水が染み出していることが発見できました!
淀んでいるところのほうが太陽で熱せられて水温は当然高いと思っていたので、「これは大発見」と友人と大盛りあがりです。
しかし、だからと言って何をどうすれば良いのかはよくわからず、追加で釣れたのはウグイのみでした。
同行者が乗る飛行機の出発時間まで2時間ほどになってきたので、これにて釣りを終了するかと思いきや「も、もう一箇所行きたい!」
という熱い要望で、最後のポイントへと向かいました。
阿寒川 阿寒IC近く
釧路空港から20分の距離にあります。
先に北海道を発つ友人に残された時間はわずかに45分。奇跡は起こせるのでしょうか。
水温を測るのもいやになるくらい水は生暖かく、泳ぐのにちょうど良い湯加減です。
20分経っても30分経っても私にも友人にもアタリは無く、大きなニジマスどころはウグイすら釣れてくれません。
それでも友人は車に乗るのを嫌がる子供のように、車の前まで戻ってきても尚、最後の1分まで竿を無心に振っています。
生まれてこれまで釣りのこと以外何も考えてこなかった彼ほどの釣り人であれば、この状況下で、しかも到着後に何度もルアーを投げたポイントで今更魚が食ってくることが無いことは誰よりもわかっているはずです。それでもなお、賢明にルアーを投げています。
その友人が醸し出す姿は、どうにもならない現実を受け入れられず、蘇ることの無い息絶えた我が子の前でウロウロする母猫のようです。彼の横顔は泣きそう、もしくは泣いていたようにも見えました。
しかし最後まで魚からは何の音沙汰もなく、同行者は「明日から仕事か・・・」という蚊の羽音のように小さな小さな声を残して、飛行機に連れ去られて行きました。
【ロッド】バス用の安いルアー竿
【リール】2000番のリール
【ライン】PEライン0.6号(無くても大丈夫です)
【ライン(リーダー)】8ポンドのナイロンライン
【ルアー①】シルバークリークミノー50シンキング
【ルアー②】スプーン・pure3.5g
【ルアー③】スプーン・D-Sライン5g